SmartHRのCS組織立ち上げを知る ~CSカレッジ Vol.1 - ケーススタディSmartHR編 参加レポート~
CSカレッジ Vol.1 - ケーススタディSmartHR編に参加してきました。
今回はその参加レポートです。
圧倒的な情報量と体験型コンテンツ(ケーススタディ)ということで多くの学びがあった場所でした。その場の熱と学びが少しでもお伝えできれば幸いです。
ケーススタディを考えながら読んでいただければと思い、ちょっと冗長に書いていますので苦手な方は以下をオススメします。
@makoto_wada さんのまとめ
https://note.mu/m_wada/n/na6728be92bbd
@yand_tweet さんのまとめ
https://andynu4.hatenablog.com/entry/2019/11/15/190006
@JIN03407926 さんのまとめ
https://note.mu/jinyamakazuki/n/n5a2a65da2649
@nanaeoku さんのまとめ
https://note.mu/nanaeoku/n/n15c2a304ed03
体験型の学びを設けたい
まず主催の丸田さんが開催の背景のお話。
完全にそのままではないですが、以下のような内容でした。
```
CS界隈が盛り上がってきている中、同じCSの方と考量する機会は増えてきてはいるもののまだまだ少ない。その機会を一つでも作りたかった。またCSのイベント、勉強会となると聴講系のイベントが多いけれども実際に考え手を動かせるようなイベントは中々ないので、CSカレッジではそうした場にしていきたい。
```
丸田さんが立ち上げているグループにより詳細な思いが書かれています。
CSに関わっている方であれば是非参加されることをオススメします。
https://www.facebook.com/groups/637677913433204/
SmartHRはどんな会社?
ケーススタディの開始とともに会場にいた全員がSmartHRの社員となりました(採用大成功だなと感じたのは私だけ?)。
CS組織を立ち上げていく上でSmartHRがどんな会社なのかという話が先輩社員(コメンテーター)である稲船さん、長谷田さんよりいただきました。
SmartHRの3C
過去の習慣との戦いという点は他の企業以上に大きいのではないかと感じています。
自社の体制として語られていたのとしては全社としてCSを頑張っていこうという文化ができているので非常に動きやすい環境とのことでした。
カスタマーの詳細
単純な効率化だけではなく、その先の労務担当者のプレゼンスの向上までを目指しているというのは素敵な点ですね。
カスタマーサクセスの取り組み
CS Opsというのが、この中では独特だと感じています。SmartHRでも最近新設されたようでした。
CSの人も業務も増えている中で、効率的に業務が進むように改善を回していくというポジションのようです。
これまでカスタマーサクセスといえばCSM(カスタマーサクセスマネージャー)だったところから、業務としての成熟度が上がり多様な職種になってきている一端ではないかと考えています。
CASE1. CS組織の立ち上げ。一人目のメンバーは誰か?
ここからが実際のケーススタディです。
カスタマーサポートに注力していたところからユーザー数の増加に伴いサクセス専門のチームの立ち上げが必要になりました。
しかし、この時にカスタマーサクセスの経験者がいない状況。その時に誰を最初の一人目のメンバーにするのかというのが最初のお題でした。
以下の4択から考える形式でした。
A. Webディレクション・マーケティング経験者
B. 常駐型技術サポート経験者
C. 元給与計算担当・社労士資格保持者
D. 対大手のルートセールス(深耕営業)経験者
正解は、
でした。
この理由は、最初はお客さんの課題も分からない状態だったのでお客さんの近くで課題を見つけることのできる人を選んだとのことです。
A, C, Dもそのスタイルや状況によっては、そうした動きができる人も大勢いるはずです。あくまでもSmartHRのCS組織立ち上げ段階では、Bの方が最適だったという話だと思います。
ちなみに現在のCS組織だとA, B, Cの方は所属しており、Dの方はいないという状態とのことです。
CASE2. オンボーディング専任担当が行なっていない施策は?
カスタマーサクセスを推進していく上でオンボーディングの重要性を認識しました。そこでオンボーディングを専任で実施するチームができたとのことです。
それではこのオンボーディング専任チームで実施していない施策はどれ?というのがここでのお題。
同様に以下の4択から考える形式でした。
A. 新CSメンバー育成機関として受け入れ教育を行なった
B. リニューアル(継続)のための再オンボーディングを実施
C. Tier別にオンボーディング担当を分けて対応を行なった
D. 進捗率の低い顧客向けに、従業員データのDB初期投入を実施
正解は、
D. 進捗率の低い顧客向けに、従業員データのDB初期投入を実施
(写真撮り忘れてた・・・)
この理由は従業員データの投入という一番最初のハードルも超えれないのであれば、今後の導入作業を乗り越えられないと考えているからだそうです。
一度でも代行をしてしまうと結局プロダクトではなく人に依存をしてしまいます。そうなるとその人が離れた瞬間にチャーンに繋がるリスクが高まります。
丸田さんに関しても同様の経験があったようで、
NPSで高い値を出していたのにチャーンした -> 担当者が代行に近い形で入っていた -> 担当者が外れたことで何もできない状態に
プロダクトに対してのNPSではなく人に対してのNPSになってしまっていた例かと思います。
NPS繋がりでSmartHRも同様にNPSは高くてもチャーンに繋がってしまっていることはあるそうです。
原因としては以下のようなことだと考えられているそうです。
・サービスのファンの人が辞めてしまった
・一元管理するシステムへのリプレースが決まった
・ベンダーが代行的に入りお客様側が独り立ちできなかった
ちなみにNPSの活用自体はまだまだしきれていないという課題も抱えているそうです。誰がNPSに答えてくれたかという情報に不足があるとのことでした。
CASE3. カスタマーサクセスの共通言語
カスタマーサクセスではその他の業界にいると中々聞かないワードが聞こえてきます。Churn Rate, ヘルススコア etc...
これらのワードは共通言語となるのでコミュニケーションが円滑になります。そして時には会社独自のワードが生まれ、共通言語化していきます。
今回のお題は4択のワードの中でどれが使われていないワードなのか?というものでした。
以下の4択です。
A. プレコール
B. アトキック
C. リチャーン
D. オンボソブ
正解は、
でした。
ちなみにこれは分かるわけないですよね、とのことで即答えの発表でした。
以下使っているワードの説明とどういう意味を持っているかの解説です。
プレコールはPre Callのことです。特に略でもないですね。
キックオフMTG前の事前確認の電話を行うことを指しています。これは営業時と実際の運用におけるギャップを認識するために行なっているとのことです。
キックオフの時に「営業時に言っていたことと違う!」みたいなことになり、キックオフがうまく行かないということを防止するような対応と言えます。
アトキックは、後キックオフの略です。
例えば年末調整のためにSmartHRを導入するお客さんの場合、年末調整が終わると、それに安心して他のことを進めてくれないことが多いそうです。それを防ぐために年末調整が終わった後に改めてキックオフをやることで、お客さんを再モチベートし、チャーンを防止しているとのことです。
オンボソブは、オンボーディングがソブの略です。
ソブというのは、😭 :sob:の絵文字の読み方だそうです。Smart HRさんの社内ではうまく行っていないことをこの絵文字の読み方を元にソブっているというとのことです。それがオンボーディングと合わさっている形ですね。
SmartHRさんの社内用語を繋げると「オンボソブだからアトキックしよう」みたいなことになるわけですね。
https://twitter.com/ebasaM/status/1194931272952340480
リチャーンが流行ることを陰ながら期待しています。
CASE4. 採用の書類審査を実施する上で何を実施したか?
お客さんが増えていくごとにCSMの採用が急務になってきました。
採用の遅れが出てきたところでCS専属の採用担当も誕生しています。
https://shanaiho.smarthr.co.jp/n/n70f42cafbd23
詳細はこちらのnoteを参照。
そうした状況で質を落とさずに採用を加速させていくために書類の採用基準を設けたとのことです。そのために何を実施したのかというのがここでのお題。
こちらも4択でした。
A. 採用確率の高い面接官の判断基準を統一の基準とした
B. 他書の募集要項を参考に、スキル判断基準を統一した
C. 毎週会議を開いて、自分の審査結果を説明する場を設けた
D. 弊社に精通しているエージェント会社に基準作成を依頼した
正解は、
でした。
まだまだ小さい組織なので、文化へのフィットや一緒に働けるかという点を非常に大事にしているとのことです。
そのために採用を人事任せにせず、現場が大きく関わっていくことを大事にされているとのことです。
またその時の状況によっても採用したい人は異なるので常にその点の判断を擦り合わせるために、審査結果を説明する場を設けているとのことでした。
お題自体は書類選考に沿ったものでしたが、実際の面談でも同様の施策を実施しているとのことでした。
CASE5: カスタマーサクセスを加速するためのツール
カスタマーサクセスを加速させて行くために人だけでなく、ツールもガンガン使っています。その数は20以上もあるようです。
ここでのお題は20の選択肢の中から使っていないのを選ぶものでした。
が、ここは大人の事情で割愛します。
代わりに、これは外せない、これは良いツール、として紹介していただいたツールを書いておきます。
Salesforce
細かい説明は必要ない気もしますね。CRMとして外せないツールとなっているとのことです。
THINKIFIT
e-lerningツールとのことです。これを元に教材を用意したことで、問い合わせに使用する時間が体感1/10になったとのことです。
WORK1: カスタマーをサクセスに導くロードマップ設定
カスタマーサクセスにおいては、カスタマーのフェーズを定義してその完了に向けた施策を打っていく形となります。
それではSmartHRにおけるカスタマーの各フェーズはどういったものか?を考えていくのがここでのワークでした。
オンボーディングの完了の定義は、
従業員データの事前投入が完了する
とのこと。
まずSmartHRを使い始められるという最低限の点をゴールに設定しているとのことでした。ここの基準を高くしすぎてしまうと中々前に進まないので、ここは明確で簡単なものに設定しているとのことです。
この基準でオンボーディングの達成率は80%を超えている状態とのことでした。
アダプションのKSFは、
年末調整などのメリットの出る機能を使ってもらうこと
とのこと。
年末調整機能は従業員・管理者のどちらにとってもメリットがある機能で、SmartHRとしても自信を持って提供している。
これを使ってもらうことでSmartHRを導入して良かったと思ってもらえることから、ここをKSFに設定しているとのことでした。
WORK2: 各フェーズのアプローチ設計
各フェーズの区切りが終わり、実際にどのような施策を打っているかという話となります。
施策の打ち方でよく言われるのはハイタッチ、ロータッチですがSmartHRさんは、そこの割り振りは従業員数で判断しているようです。
・ハイタッチ: 数千〜
・ミドルタッチ: 300〜数千
・ロータッチ: 〜300
ハイタッチのクライアントに関しては、複数人のチームで当たっている場合もあるようです。
実際にSmartHRさんが実施されているのは、
でした。多い!
この中で特徴的な話はユーザーミートアップを企業規模で分けていることでした。
課題感が大手と中小では全く違うため、一緒に実施してしまうとそれぞれの満足度が低いものとなってしまうため分けているとのことです。
大手のユーザーミートアップなどの場合、課題感が共通しているため、SmartHRさん側がファシリテートなどをしなくとも勝手に進んでいくそうです。それでも、そうした意見交換できる場自体が少ないので、場を提供するだけで満足度が高い状態にあるとのことでした。
後から見返してみても気になる点がいくつも出てきます。またSmartHRの方々に会った際に色々聞いてみなければなと考えております。
おわりに
noteをまとめながら改めて非常に密度の濃いイベントだと感じています。
実際のワークの時間だけでなく、その後の懇親会も含めて多くの学びがありました。このイベントは相当な準備があってはじめて実現できるイベントだったと思います。
改めて主催者である丸田さん、会場提供、テーマ提供いただいたSmartHRさんに感謝させていただきます。
ありがとうございました!
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