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Vol. 4 ▶︎ 『1時間だけゲストハウスに滞在してみた』

空の旅が楽しめる、
古民家ゲストハウス━━━━━━。

【SOLABASE】

⚫︎埼玉県 / 渡良瀬

×今村辰之助さん

●株式会社SOLA 代表取締役 

 学生時代に海外での旅を通してゲストハウスを作りたいという想いが生まれる。だがそのとき既に就職先が決まっており断念。しかし4年の時を経て、脱サラしゲストハウス作りに着手。ただのゲストハウスではなく、自分の強みを生かしたプラスαの空間を作りたいと思い、その中で熱気球を今村さんは選択した。ゲストハウス×熱気球が創られて5年目を迎える。

 そんなゲストハウスの経営を行っている宿主、今村さんのstoryやexperienceを紐解く…

interview

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学生時代はなにをしていましたか??
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 学生時代は野球をガッツリやってたんで、その頃はプロ野球選手を目指していたんです。けど、けがしたのもあり、リアルが見えてきて断念し、高校で野球は辞めようって吹っ切れることができました。パッと受験に切り替えることができました。そこで出会った先生からスポーツ以外にもカッコいい生き方があることを教えてもらいました。けどまだ自分の将来の目標や、やりたいことが決まってなかったから、とりあえず何でも幅広く学べる大学に入ったんです。そこで野球以外に自分がやってみたかったことをとことんやってみました、海外での一人旅だったり、ファッション関係のことだったり、インターンやってみたり…。色々やってみて人と同じことするのは嫌だなあって思っていた自分がいて、人に負けない強みって何かって考えた時に、さっきも言ったんですけど一つに気球がありました。気球ってそんなに日本で認知されてない反面、もっと広めることはできるんじゃないかと思って、大学の時に熱気球のパイロットだった父に色々教えてもらって、免許を取得することができました。それと同時期くらいに、アメリカに留学をしたんだけど、自分にとっては意味がないなって思って、直接海外で働いて直の英語で学んだ方が良いなって思って、ニュージーランドにワーホリ(ワーキングホリデー)にいって、そこからオーストラリアや東南アジアを周って計3,4か月放浪していた時期もありましたね。その時からだんだん価値観がおかしくなっていって(笑)また旅の中で宿泊したゲストハウスを通して、全然違う文化にも出会い、「あ、こういう場所作りたいな」って思う一方で、「これだけだと世界中にありふれているから、自分の色を出していかないとな」って思ってプラスαとして気球と組み合わせたんです。もっと気球の技術を高めなくてはいけないということで、「よっしゃ、トレーニングだ」って思って、気球のクラブに所属させてもらって、沢山飛ばさせていただきましたね。

━━━━凄いですね…。何事にもプラスαの考えを持って、行動に移し、その都度吸収して、最終的に自分のモノにしていくなんて中々できないですよ(笑)

 ありがとう(笑)僕も向こうで働いて分かったんだけど、日本の就職活動って、就職サイト履歴に応募して、履歴書送ってみたいな感じじゃないですか。けどニュージーランドでは直接店舗に履歴書持って行って、交渉して、面接勝ち取って、それで働かせてもらうみたいな感じなんですよ。そういう環境と出会ったときに、ただ待ちの姿勢じゃなくてもいいんだって、自分で環境を動かすこともできるんだと分かりましたね。自分の技術を高めるためは手段をいとわないっていうと言い方は悪いかもしれないけど、待ちじゃなくてどんどん行動していくということを学んだね。そうすると、熱意を感じて「この若者はいいなあ」みたいな感じで助けてくれるんですよ。それはあとあと感じるとは思うけど若者だから許されることであって、30超えちゃうと常識ないな、に変わってくるんですよ(笑)だからこの20代にしかできない挑戦はやっておくべきだなって思うね。大原君なんて僕は特に応援したくて素晴らしいなって思いますよ。

既定路線とは外れた人生を
歩もうと思って━━━━━。

 大学で初めて海外に行ったんです。そこで触れた海外の文化を通して、日本がどれだけ狭いのか、文化的にもどれだけ制約がかかっているのか、要するに価値観の違いに圧倒されました(笑)自由に好きなように既定路線とは外れた人生を歩もうと思い始めました。けどもうその時には就職先が決まっていました。そこで入社してから4年というリミットを設けて、その期間内で吸収できることは吸収して、(その後独立して)自分の城を持つという意思を固めました。

ゴミ屋敷から…

 ここの建物と出会った当初は、子どもたちが肝試しに使うくらいのオンボロな屋敷だったんです(笑)最初はとにかくゴミの処理をしなければならないので、気球を手伝ってくれるクルーが建物内の掃除を手伝ってくれたんですけど、ほとんど一人で作業をしてましたね。
 そのゴミ処理ってね、最初は面白そうで手伝ってくれる人も多いんだけど、速攻でみんな疲れるし、気持ちがほんとに萎えるし、先が見えないからほんとに辛いの(笑)普通に解体しちゃえば3、400万で1日2日で出来ちゃうのかもしれないけど、ごみ捨てるのに3、400万ってあほらしいって思って手作業でやっていたら3年かかっちゃったのよ(笑)その3年間の中で並行して気球の事業をやってましたね。集客するまでは家庭教師のアルバイトもしていました。
 まあゴミ捨ての件で反省点ってほどじゃないけど、出来るならば同じ志やモチベーションを持った仲間が2,3人いたら倍の速度でできたのかなって。けど沢山の仲間に支えられたので、かなり助かったんだけどね(笑)

━━━━その仲間っていうのは??

 僕、前職を辞める前に半年間くらいゲストハウスで働いていたんですよ。ゲストハウスってどういう仕組みなのかなとか、どういう所だとお客さんからの反響がでるのかなとかを知るためにもね。そこで従業員として働いていたやつが協力してくれた仲間の1人なんですよ。
 ゴミを片付けだしてから2年後に、「うちに泊めるし、メシも奢るから手伝って欲しい」って言ってみたことで、彼が仲間として加わることになったんです。そこから作業の進みも加速し始めましたね(笑) 
 また例えば水道・電気とかどうしてもプロに頼まなければいけない時には、地元の職人さんを呼ぶんですけど、その時に「面白いねここ」、「こういうところ好きだわ」っていう風に言ってくれて、その人が休日返上でやってくれたんですよ。もちろんバイト料的なものは払うんだけどね。
 あとは2,3週間前から「この日はみんなで一気にゴミ捨てたいから集まって」って呼びかけると、10人くらい東京とかから電車乗り継いできてくれたやつらもいたね。集まって処理して、みんなでゴミ燃やして焚火している時には、「ほんとにありがたい。よかった~。」とは思ったね(笑)そういう人たち(仲間)にほんとに助けられましたね。

差別化を図るために━━━━━。

 僕がゲストハウスを作ろうとしていた当時は、一人旅が流行し、ゲストハウスだけだと、もう沢山溢れている時代でした。そこで思ったのが差別化をすべきだないうことです。
 そこでなにか差別化できないかと、まず自分の強みは何かなと思ったときに、父が熱気球のパイロットでしたので、それと組み合わせた場所が出来たらいいなって考えていました。考えた末、気球とゲストハウスを組み合わせた場所を創ろうと思いました。

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なぜ渡良瀬という舞台で開業したのですか??
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 理由としては、気球が飛べるエリア・東京から一番近いエリアに当てはまっているベストな地域が渡良瀬だったということです。ほんとは東京でゲストハウスをやって、気球に乗りたい人はそこから車で渡良瀬まで送迎するプランも考えたけど、効率悪いし、東京の家賃も高いからね(笑)とりあえず気球さえあれば接客はできるから渡良瀬でやろうって決めました。
 気球って風が穏やかな早朝に飛ばないとだめな乗り物なんです。渡良瀬でやるにあたって車を持っている人は宿泊なしで来れちゃうんだけど、東京周辺に住む人たちって車あんまり持ってないじゃないですか。そういう人たちが前泊できるようなスペースをゲストハウスとして作ったのも1つの理由です。

あっという間に21時、22時

━━━━開業前のスケジュールはかなりキツキツだったんじゃないですか??

 そうなんですよ(笑)開業前に既にフライト体験としては回していたから、その予約が入っている時はかなり忙しくて、朝5,6時からフライトが始まって、9時には終わって、それから気球の整備や次回の体験用にガスの充填をしていると午前中が終わっちゃってね。クタクタになって休んで、午後2,3時になって「じゃあゴミやるかー。」ってやるんだけど、ゴミなんてすごい気が重いからね(笑)進まんくて(笑)そんであっというまに夕方6時になって、暗くなってきたので作業は終わりにして。そのあと次回以降に体験予定のあるゲストさんたちに案内とか、メール、会計処理、予約サイトの整備等の作業をパソコンでカタカタやって。もうそれが落ち着いた時にはあっという間に9,10時になってるね(笑)

常に探すことが大事。

 いい物件と出会うには常に探すことが大事だと思うんですね。日本にはいっぱい空き家はあるからね(笑)僕は半年間くらい、東京からこっち(渡良瀬)までほぼ毎日バイクで行って、「この辺良いな」って思っているところをうろうろして、空いてそうだなここ…!って思ったところに「ここ空いてないですか?」っていうのを繰り返し聞いていたね。
 最終的に見つかったのは、おんなじ気球仲間を通して、いい場所が近所にあるよってのを教えてもらったんだよね。もちろんその仲間と家の持ち主も知り合いっていう間柄でね。まさに人の人の繋がりだったね。
 やっぱり「ここ絶対もう使わないだろー、しかも再生したらいい空間ができそうだな」っていう場所があっても、いきなり通りがかりの人が「ここ空いてますか?」って言っても怪しすぎて絶対貸してもらえないでしょって、今思えば(笑)だからもしその場所・地域でやるって決めたら、まず1年くらいは住みながら、その地域のコミュニティに入り込んで、繋がりを作っておくのも大事なんじゃないかなって思うね。

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ホームページを見させていただく中で、クラウドファンディングというワードを多く目にしたんですけど、利用しようと思ったきっかけや理由を教えていただけますか??
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 クラウドファンディングは資金集めっていうよりも、宣伝用に使っていて、「こういうモノ・場所」があるよってのを広めるのに使っています。あとはクラウドファンディングって期限が決まってるから、限られた時間内に頑張って自分で発信しようとするんですよ。だから自分を追い込むためにもやっていますね。
 はじめたきっかけは、クラウドファンディングで勤めている方と出会い、このシステムを知る中で「この媒体を使って気球の事業をやるのは凄く面白そう。色々考えてきたけど、そういうことはやってなかったな…」と思い始めました。
 実際クラウドファンディングのサイトって色々あるじゃないですか。けど僕はあまり名前の知られていないサイトにしたんです。なぜかというと僕信条として気持ちよく仕事がしたいので、サイトどうこうよりも担当者次第ってのがあったんです。他のサイトとも比較した上で、このサイトは二人三脚でページや文言を一生懸命に考えてくれたので、選ばせていただきました。やっぱやるなら人次第だなって思いました。失敗したとしても、気持ちよく仕事がしたいって思うんですよね。
 別にお金に困っているからやっているわけじゃないんですよ、正直なところ。だからこそ失敗してもしなくても、色んな人に興味を持ってもらったり、認知が広がれば僕の中では成功なのかなとは思いますね。ちなみに実際に支援してくださったのは30代以上のお金に余裕のある人が多かったかなあ。

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施設内の見所を教えていただけますか??
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 1つは丸太の階段ですね。ログハウス的な感じでみんな喜んでくれます。あとは気球のオブジェや食器がところどころにあるのも必見です。また外になってしまうんですけど、うちはキャンプ施設としても売り出しているので、その1つとしてグランピングが利用できるのも見所です。そのテント内の明かりが灯った時は綺麗だなって思いますね。

(www.solabase.comより)

グランピングの凄さ

 古民家を改修するより安くて済むし、だから初期投資も少ない一方で、グランピングっていう自体が中々ゴージャスなイメージがあるじゃないですか。単価高くて、もう既にお客さん集まってくれるんですよ(笑)なのでめちゃくちゃ経済効率はいいと思うし、満足度も高く与えることができると思いますよ。テント1棟が13~5万くらいで買えるのね。その中でうちは休日で2、3人用テント1棟で2~3万でやってるんだけど、もう5回も来てくれれば元はとれてしまうんですよ。そういう所の収益を使って、新しいサービスや設備を増やしていこうって思っているんです。

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こんな人にSOLA BASEに訪れて欲しい!とかありますか??
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自然が好きな人、飛んでみたい人は是非ですね。すぐそこに湖があって、湖に流れるように川があって、そんな大自然のなか飛んでみると、東京が見えるだけじゃなく、富士山日光、も見ることができます。

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今後ゲストハウス開業に向けて動いていく僕に一言アドバイスいただけたら嬉しいです…!
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情熱をなくさないことですね。僕が3年間ゴミを捨て続けられたのも、こんな空間ができたらいいなっていう自分に間違いのないイメージっていうか風景があって、それを作りたいっていう熱があったからこそ、続けられたわけであってね。「僕はこういう場所を作って、こういうビジョンがあって、それが周りの人にもこういういいコトがあって、僕自身にもこういういいコトがあって…」っていうことが説明できる情熱があるといいですよね。
 結局助けてくれるのはお金じゃなくて人だと思うんですよね。就職して2.3年目苦労して一回忘れる時もあると思うんだけど、その熱だけは絶やさずに、持ち続けてやっていけばきっと叶います。それが一番。最初に自分、次に人、一番下にお金がくるね。だからお金がないからできない、難しいって考えちゃうのはダメ。お金は後から付いてくるから。まず自分の気持ち…!大原さんを応援しています!!



以上でインタビューの内容は終わりです。高村さん改めて貴重なお時間をありがとうございました。1時間の滞在は、学びあり、楽しさありで、今村さんからSOLABASEの空間や気球への愛が凄く伝わってきました。

このあとも引き続きお付き合いください。

column

●もし僕が「SOLABASE」に滞在するなら…

11:00 【足尾銅山】 東洋1の銅山の歴史を感じに🚶‍♀️

(Instagram : @keeeesan1108より)
12:30
 【通洞駅ー桐生駅】 わたらせ渓谷鉄道の秘境の絶景を堪能🚃💨

(Instagram : @hizagawarauより)
16:30
 【柳生駅】に到着!

(Instagram : @yotty1223より
16:40【SOLABASE】
にチェックイン👌(駅から徒歩10分)

(www.solabase.comより)
17:00
 夕日を観ながら【渡良瀬川】の河川敷を歩く…🌆

18:00 【SOLABASE】に戻り、広大な庭でBBQ🍖

(www.solabase.comより)

20:00 片づけする、シャワーを浴びたり寝支度。

21:00 就寝

4:30 起床、日の出を観ながら、自然の中をお散歩☀️

6:00 集合し、フライト場所へ移動すし、立ち上げ準備

7:00 熱気球で空の旅へ…🎈

8:00 空の旅から帰還

8:30 BASE内でゆっくりする

9:00 SOLABASEを出発し、【パン工房 さんぱみち。】で軽食🥐☕️

(Instagram : @sanpomitiより)
10:00
 【柳生駅】を出発し、帰路につく。。

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⚫︎ハラちゃんのメモ帳

 この1時間の中で、ゲストハウスに出会うまでの濃く素敵な経験や、リミットを設けた社会人としての経験、生き方の話(既定路線とは外れた・差別化)、ゲストハウス+α(気球、グランピング等)の話、古民家改修のリアルな話、そして最後の僕への素敵なメッセージ…。1時間で収めるのはとても大変でした(笑)そのくらいに充実でした。また今度泊まらせていただいた時に、宿内か、宜しければ気球の上でゆっくりお話しさせていただきたいなと思いました(笑)
 そんな充実した時間の中で特に勉強になったことは、入社してからリミットを決めて、その空間の中でゲストハウスに必要な知識・経験・人脈を作ること、普通の空間(ゲストハウス)の中に1つでも多くの自分色を付け加えていくこと、ある程度許される若いうち(20代)にフルパワーで後悔のないよう活動すること、クラウドファンディングの金銭面以外での使用理由(広告、自分を追い込むため)を知れたことです。
 既定路線とは外れた人生を歩みたい、差別化を図りたいとより一層思える機会となりました。そんな素敵な話をしてくださった今村さんにはとても感謝しています。そして1時間という限られた時間、ゲストハウスに招き入れていただき本当にありがとうございました!

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