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きっと最後の夏休み

5泊6日の出産入院を経て帰った先は実家でした。

あと10日ほどで主人が待つ隣町の家に戻るのですが、今からとても寂しい気持ちでいっぱい。

それほどまでに実家での1ヶ月間の生活は満ち足りたものでした。

私の場合、産むことよりも産んだ後に待ち受けていた諸々の初めてがとてもとてもしんどかった。

慣れない授乳(お乳はすぐに出てこない)

24時間いつでもお世話(細切れ睡眠…)

急降下メンタル(恐ろしやホルモンバランス)

当たりの強い助産師(元気だったらもっと渡り合えたんや…)

そんな心身ともにボロっちくなった私と元気いっぱいな息子を、実家はあたたかく迎え入れてくれました。

母も父も初孫をとても喜んでいて、代わる代わる抱っこしてくれるものだから、その隙に私はご飯にお風呂に、なんなら昼寝もさせてもらえました。

野菜たっぷりの母の献立でお腹から幸せになりました。

階下に住む祖父母(実家は二世帯住宅)に息子を見せにいくと、日々刻々と変化する体型や顔立ちをうんと褒めてくれました。

母は寝かしつけ上手
全力であやす祖母とカメラマン祖父
かわいいおやつがあたる日も

夕方、実家でまどろむ息子とごろり寝そべりながら耳にする遠くの汽車の音、窓から入る風にふんわり揺れるカーテン、台所からの夕餉の匂い。

「この感じ、なんだか知っているぞ」と思って記憶を辿ると、学生時代の夏休みでした。

ゴロゴロ横になって雑誌を広げながらくつろいでいた空気感。
あの頃と同じ部屋で、今は息子を横に似たような気持ちを味わうとは。

絶対的に安全な居場所があるという幸せ、ありがたさを噛み締めます。

母でもあり、しかし娘でもある宙ぶらりんな立ち位置でいさせてもらえるのって、きっとこれで最後なのかなという寂しさもちらり。

ここ最近は土日限定で本来の家に戻り、主人と私と息子の3人で慣らし運転を始めましたが、まぁ〜これが大わらわ!

歯磨きのタイミングを逃したり、掃除も満足にできなかったりと、色々なことに目を瞑って生きていかなければならない予感を抱えた週末。
そしてまた実家で過ごす穏やかな平日。

こんなんだからもう本来の家での生活が怖くて怖くて!

あと少しの時間、最後の夏休み気分に浸らせてもらって、またしんどくなったら最後の夏休み再び、を望むのは贅沢な話かな?

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