果報は煮て待て。 〜豚肩ロースのトマト煮込み〜
人生には、でかい肉を煮込む時間が必要だ。
気がつけば今年も12分の1が過ぎてしまった。まさに、1月は行く、2月は逃げる、3月は去るというやつで、年度末って毎年のことながら目まぐるしいことこのうえないですねー。
とはいえ歳を重ねるごとに月日の経つのが明らかに早くなっているので、他の月でもやっぱりあっという間で、4月は疾走する、5月はゴー、6月は無我夢中、7月は流れる、8月は走る、9月は急、とうとう10月で、11(いちいち)待ってもおられずに師走を迎える、なんてことになるんでしょう。
今適当に作った語呂合わせだけど。
何の話でしたっけ? ああそうそう、そんな忙しい毎日の中で、ゆっくりごはんを作る時間ってとても重要だと思うのです。それは何もお金をかけたごちそうなんかじゃなくても全然よくて、ただ無心にキッチンに立つことのできる心の余裕こそが大事なんじゃないでしょうか。
そこで、でかい肉の出番です。
いつも立ち寄る最寄りのスーパーじゃ見慣れた食材しか売っていなくて、勢い料理のレパートリーもマンネリになってしまうので、ちょっと変化と刺激を求めて違うスーパーへ。ちょうど肉(29)の日だったこともあってか国産豚肩ロースのブロックが激安で100g198円の半額=99円だったので、それでも500円近くはしちゃうんだけど思いきって購入。この週末は時間に余裕がある予定だったので久しぶりに煮込み料理をしちゃおうかと画策。
一口大にカットして、DEAN&DELUCAのシーソルト(貰いもの)とオリーブオイル(貰いもの)、ハーブを少々もみ込んでしばらく常温でなじませる。
この下ごしらえの工程がいかにも西洋の料理を作ってる感があって好き。
鍋を熱し、豚肉の表面に火を通す。ハーブの香りが鼻腔をくすぐる。
ついでニンジンと玉ねぎを加えて少々炒めたら水をひたひたに注ぎ、アクを丁寧に取り除く。ニンジンは鮮度がいいうちは皮剥かない派です。
トマト缶と赤ワインも、さっそうと登場。
トマト缶はお酒の量販店で68円。赤ワインも同じお店で年末に買った残り。200mlくらいの小瓶で198円だけど一応ちゃんとフルボディのカベルネ・ソーヴィニヨンなので、料理用の何ちゃらマルシェとか買うよりは本格的な味わいになる気がしてる。
両方を注いだら塩を小さじ1程度加え、フタをして煮込む。ここは妻が編み出した超トロ火システムを稼働。
ばばーん。コンロのうちいちばん火が小さいところに、さらに間に焼き網を挟むことによって火を遠ざける。これでも鋳鉄ホーロー鍋の比熱のよさを持ってすればじゅうぶんぐつぐつコトコト煮込むことができるのだ。
一時間ほど煮込んだら火を止めて、午後からは妻と映画へ。
ランチ(ちゃんぽん麺でした)を摂った後、久しぶりに妻と映画へ。ウェス・アンダーソンの新作を観て、帰ってきてから再度煮込み開始。その間に副菜も作るぞ。
ポテサラにしたかったけどじゃがいもを切らしていたので、サツマイモで。
塩少々を入れた湯で10分ほど角切りのサツマイモを茹で、単純にマヨネーズと砕いたピーナツを混ぜるだけ。お肉もトマト味だし、酸味に偏った味わいになるとちょっとな、と思ったので、あまりマヨを多く入れずにバランスをとってみた。
完成! 豚肩ロースのトマト煮込み!
豚さんの煮込みがそろそろ終了。終盤はお鍋のフタを取って煮詰めたので、汁にも程よいとろみが。塩コショウ、各種スパイス(パプリカ、オレガノ、オールスパイスなど)、さらに隠し味のお砂糖などで味を調え、食卓へ。
貰いものの高級オリーブオイルをひと垂らし。自家製乾燥パセリを散らしていただきまーす。
うむ。うむうむ! よし! まあまあおいしいぞ。 噛めば繊維がほぐれる程度に肉もやわらかくなってるし、トマト缶と赤ワインの酸味も他の食材のお出汁となじんでまろやかになってくれてる。まずまず成功と言える。
付け合わせのサツマイモサラダも好相性。よかったー。
残った分は翌日に回し、ショートパスタにからめてランチの予定。そのへん抜かりないのだ。イエー。
冬なんて寒くて暗くていいことないといつも思ってるけど、こういう煮物でほっこりできるのはいい点かもなあ。この冬の間にあと何回か、なるべく時間を見つけて、こうやってじっくりコトコト煮物に取り組めたらいいなあと思うのでした。
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