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晩夏の、塩麹豚のっけのっけ祭り。

カーラジオからフジファブリックの「若者のすべて」が流れてきて、今年ももうそんな時期になったかと、にわかには湧き出てこない実感を心の奥深くから無理やり引きずり出す。まだまだ陽射しは暑いけれど、どこかこれまであった厚みがなくなったような、虚勢を張っているような気配がある。

今年の夏も夏らしいことをぜーんぜんしなかったな、とさみしがるほど若くない。こんな攻撃的な気候を克服してまで夏を満喫するには体力が相当必要で、もうおっちゃんにはそういう力は残っていない。

そもそも8月は忙しすぎて夏らしいこと以前に人間らしいことをほとんどしてこなかったしなあ。とほほ。

それでも9月はいくらか時間の余裕ができたので、ごはんの仕込みにも回せる時間が増えた。

奮発して国産豚バラ肉の切り落としでなく「焼肉用」100g128円を買ったので、いそいそと朝から塩麹に漬け込んだ。

塩レモンは捨てちゃったけど、塩麹はバリバリ現役。

塩麹豚04

いろんな食材・調味料ブームが今までありましたね。すぐには思い出せないけど、塩レモンとか。一過性のブームで終わったものが大半を占める中で、我が家において塩麹はいまだに確固たる地位を築いている。この夏場はもっぱら妻がキュウリの浅漬けを漬けるのに使っていた。さまざまな食材をおいしくするチカラがあるけど、中でも肉、とりわけ豚と鶏の風味をアップさせることにおいては目覚ましい効果があると思う。できあがりが楽しみ。むふふふふ。

薬味はいつもの「ネギ塩だれ」。

塩麹豚09

うま塩ダレは白ネギ(関東でいう長ネギ。でも長ネギってどういうこと? ネギってだいたい長くないですか)を安く買えたときによく作る。

もし作り方が気になるって方は過去記事をご参照あれ。

今回は上記のネギ塩だれに白ごまとごま油を加えてよりアジアンに。イメージとしてはお隣の韓国風。

副菜、カボチャとカリカリベーコンのサラダ。

こないだからカボチャの余剰在庫が冷蔵庫の野菜室で幅をとっていたのでこの際食べちゃうことにする。

塩麹豚06

一口大に切って皮を剥き、コンソメで煮る。最終的にはつぶしてマヨネーズで和えて、ポテサラのカボチャ版みたいにする予定。

塩麹豚07

具として玉ねぎとベーコンをチョイス。玉ねぎはしんなりするまでオリーブ油で炒めておく。

塩麹豚08

ベーコンは長細く切ってカリカリに炒め、先ほどのタマネギと一緒に油ごとカボチャのマッシュに混ぜ、マヨ・塩・コショウ・レモン汁で味を調えればできあがり。

塩麹豚10

あと、アスパラガスの細っこいのも買ったのでレンチンしておく。

塩麹豚11

今こそ焦がせ、塩麹豚。

塩麹豚05

豚バラ肉は塩麹をある程度拭き取って中火で焼く。塩麹のせいで焦げやすいけど、それを逆手にとってガンガン焦げ目をつけるのが醍醐味。脂がジュクジュクにじみ出て、縁っこが香ばしくカリカリになってきたらOK。

塩麹豚03

美しーい!!

のっけのっけ祭り、開催。

塩麹豚02

さあ、このカリカリジュワジュワの旨みの塊、もちろんそのまま食べてもおいしいのであるが、めいめい好みの具をのっけて食べるのである。

塩麹豚12

ど定番はネギ塩だれ。

味、濃ゆっ。雑にベーッと塗っただけの塩麹がたった半日で完全に豚バラ肉に浸透している。味と味のぶつかり合いやあ〜。

これは白ごはんをチンしなかったことが悔やまれる。白ごはんにオンしたら即昇天の味わいになるに違いあるまい。ビールが進むこと進むこと。

塩麹豚15

妻がいそいそと冷蔵庫からキムチを取り出してきた。キムチ+ネギ塩だれ。こんなん奥さんうまいに決まってますやん。

塩麹豚13

アスパラを加えると少し濃さが中和されてさっぱりいただける。アスパラ用意しといてよかったー。

塩麹豚14

意外な伏兵はカボチャのサラダ。完全に副菜のつもりで作ったし、何なら同じ豚肉であるベーコンとその脂も混じっているのだが、かえってそれが豚バラ肉と親和性を高めているのか、ステーキとマッシュポテト的な融合を見せた。ここにもアスパラを加えると、甘みと食感のアクセントがいい感じ。

塩麹豚01

手巻き寿司とかでもそうだけどこういう食卓でアクションを加えて完成するごはんって楽しい。めいめいで食べる楽しさって、ひとりじゃ味わえない。家族が(うちの場合妻だけど)いてよかったとしみじみ思える。

ほんとはなー、葉物野菜も一緒に食べたかったけど高いんよなー、今。

お腹がぽっこり出てきたこととか、頭頂部が目に見えて薄くなったこととか、この国の行く末とか、毎日頭を悩ませることが多すぎるけど、今日何を食べようかっていう幸せな悩みだけは、これからもできるだけ手放さずに暮らしていきたいなあ。

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