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食物繊維たっぷり、すりおろしレンコン入り鶏団子鍋。

別に望んでいたわけじゃないけど、ようやく例年並みの寒さが訪れたみたいで、冬用の分厚いコートをクリーニングのビニール袋から引っぱり出した。まだちょっと汗ばむし、重さに慣れないけど、そのうちなじむんだろう。

街の空気はどこか毎年とは違って、たとえ精いっぱいにぎわいを装っていても、ふとした拍子にすっと影がさすような、そんな虚ろな気配が漂っている。でもまあ我々人類が何を悩みうろたえようとも、季節はおかまいなしに巡っているわけだし、あんまり思い詰めてもしかたない。まずは温かい料理で身体をポカポカにして、話はそれからだ。

日暮れのスーパーに滑り込んで、庶民の味方、鶏胸肉のミンチを夕方の値引き品でゲット。家には先日買ったレンコンと白菜がある。ようし、今夜は久々に自家製鶏団子の鍋だ。すりおろしレンコンを入れれば食物繊維もたっぷり摂れる。意外とレンコンの主張はそんなに強くなくて、言われなければ気づかないくらい。今までいろいろ肉団子に混ぜてきたけど、すりおろしレンコンは一、二を争うオススメのミックス食材。ぜひお試しを。

鶏胸ミンチは、その日のうちに。

レンコン鶏団子04

傷みやすさで順位をつけるとするなら、スーパーで売っている肉の中で鶏胸肉自体がかなり上位につけている。そのうえミンチにして表面積を増やしちゃってるわけだから、鶏胸ミンチの劣化はあっという間。絶対、買ったその日に食べよう。

この日買った鶏胸ミンチは170gぐらい。ここに、塩ふたつまみ、コショウをぱらぱら。で、一度軽く練っておく。

そこに加えるレンコンは体積で鶏胸肉の同量ぐらい。大きさでいうと、紙パックのドリンク(200mlのやつ)ぐらいかなあ。半分は普通にすりおろして、半分は鬼おろし。鬼おろしがなければ包丁で細かくみじんに刻んでもいいです。単に食べたときのシャキシャキ感を出すか出さないかの違いなので、全部すりおろしでもOK。

さらに味つけとして、オイスターソースひと振り、醤油たらーり。で、また練っておく。

玉子と片栗粉はふんわり食感に欠かせない。

レンコン鶏団子05

玉子一個を入れてさらによく練る。

この世のすべての挽き肉料理に関して、肉好きの皆さんは「肉の比率が多いほど値打ちが上がって、ツナギが混じるほど質が落ちる」と思いがち。でも全然そんなことはなくてむしろ逆で「ある程度ツナギを入れたほうが断然おいしい」のだ。つくねや肉団子には玉子や片栗粉がマスト。これらを入れて空気をよく混ぜ込むことで、肉団子がふんわりぷりっぷりに仕上がる。

レンコン鶏団子06

続いて片栗粉を小さじ2ほど。またよく練る。玉子と片栗粉の順序はこれで正しいのか正直よくわからない。けれどこの順序にはひとつ利点があって、卵を入れたときに全体がゆるすぎたら片栗粉の分量で調えることができるのだ。固さの目安は、どういえばいいかなあ、ポテサラよりもやわらかく、マヨネーズよりも固いぐらい? 伝わりますか? まあそんな厳密にこだわらなくても、うまく整形してお湯に落とせればいいです。

スプーン2本でお湯に落として固める。

レンコン鶏団子07

ここがいちばん楽しい工程。スプーン2個で互いになであうようにしてミンチを整形、沸き立つお湯に入れてゆでて固める(この場合はただのお湯じゃなくて鶏がらスープ粉末と紹興酒を溶いています)。うまく整形できなくて、多少ブサイクになってもご愛嬌。きっちりツナギを入れて練ってあれば、お湯の中でバラバラになるという最悪の事態は防げます。

鶏団子からお出汁が出たら、白菜と春雨をイン!

レンコン鶏団子01

味見をして、塩を小さじ1程度追加。スープ自体にしっかり味をつけたらごま油を大きくひと回し。白菜がクタッとしたらできあがり。召し上がれ!

レンコンの食感がいいアクセント。

レンコン鶏団子02

冒頭でも書いたけど、すりおろしたレンコンの舌触りはほとんど気にならない。風味としても全くジャマをしていない。むしろまるで忍者のようにレンコンが存在感を消していることに驚き。鬼おろしのシャキシャキ感だけがときどき主張してきて、いい具合にアクセントになっている。

柚子胡椒や七味唐辛子などの薬味との相性もバッチシ。

レンコン鶏団子03

何が奏功したのかわからないけど、久々の鶏団子鍋は我ながら上出来で、妻とふたり「なんで今回こんなにおいしんだろね」と首を傾げながら、せっせと箸を動かした。

安くてボリュームタップリでおいしくてヘルシー。そんな夢のような料理があるでしょうか? あるのです。それがこの鶏団子鍋です。我々貧乏人の強い味方、挽き肉。これからもせっせと練ってまとめて、味わってゆきたい所存です。




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