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自宅でひと手間レシピ13 簡単比率で決まる! 初夏の一品 アジの南蛮漬け

そろそろ半袖の季節。さっぱりしたおかずが嬉しいですよね。おかずにもビールのおつまみにも合う、アジの南蛮漬けを召し上がれ。

いつもこのおっちゃん、肉料理ばかり記事にしているのに珍しいよなあ、と思った方もそろそろいらっしゃるかもしれないが、とくに肉好きというわけではない。

いや、好きですよ。好きだけどほんとうはもっとお魚が好きなのだ。でもなんでしょう、肉よりも割高じゃないですか? いつも商店街に行くたびに鵜の目鷹の目でお買い得な魚を物色しているけど、なかなか決断に踏みきれず、いつも肉、それも安い豚の切り落としなんかを買ってガマンしているのが現状なのだ。

しかし今回は、鮮度もそこそこよさそうでお買い得な感じのアジを発見したので思いきって購入。

南蛮漬け03

大きさは15cmぐらい。小アジと呼ぶには大きく、ふつうに塩焼きなんかにするには小さいという絶妙に中途半端な大きさ。悩んだ末、最近食べていない南蛮漬けにすることに。

南蛮漬けも大人好みの一品ですよね。なかなかちっちゃい子どもで「好物はアジの南蛮漬け!」なんて子、いなさそうだもの。

南蛮漬けのネックは、漬け込む合わせ酢(三倍酢)の作り方が面倒に感じることかも。でもご心配なく。今回、とっても簡単な合わせ酢の比率を編み出しました。

合わせ酢の黄金比。酢:醤油:めんつゆ=1:1:1。

まず合わせ酢(三倍酢)を作ります。世間では三杯酢というと、酢・醤油・みりんが1:1:1というのが定番ですが、これはちょっと甘みが強くてくどい気がする。

個人的にオススメしたいのは、酢:醤油:めんつゆ=1:1:1。このほうがサッパリした風味に仕上がります。

それぞれ大さじ3ぐらいを合わせて味見して、その時点でもう少し甘い方がいいなと思ったら砂糖や寿司酢なんかで調整して様子を見てください。各大さじ3に対し、砂糖小さじ1、寿司酢大さじ1ぐらいをチョイ足ししてもいいかも。

味見している時点では少しとがった酸味を感じるかもしれませんが、野菜と揚げたアジを入れて寝かせると角が取れ、揚げ油もなじんでこっくりした風味に変わります。

合わせ酢は細切りにした野菜とともにバットにスタンバイ。今回はにんじんと新玉ねぎを使いました。ピーマンをここに加えると色鮮やかで、風味もいいアクセントになるけど、最近ピーマン高いので見送りました。無念。

ああ、そうそう、唐辛子をお好みで一本ぐらい輪切りにして入れるとピリ辛になって風味が締まります。

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アジの下ごしらえはビニール袋で振るだけ!

南蛮漬け04

アジは頭を落としてワタを抜き、ぜいごを削いでよく洗い、水気を拭き取ります。アジという魚は鮮度の落ちるのが早い、いわゆる「足の早い」魚。買ってきたらなるべく早く調理にとりかかりましょう。熟成しても臭みが出るだけで、タイなどのように旨味が増したりしません。食べやすい大きさに筒切りにして適当な大きさのビニール袋に入れ、口を手で閉じてガサガサ振ります。これでまんべんなく片栗粉が表面につくはず。

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これを油で揚げます。揚げ油は新しいものより、何回か使った古い油のほうがいろんな風味が出ておいしい。もちろん新しい油でも雑味がなくスッキリ上品に仕上がります。そのへんはお好みで。

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揚がったものから順に、サッと油を切ってバットにイン! ジュツという音がするぐらいが理想です。でもまあ、キッチンっていろいろうるさいから耳をそばだてないと聞こえないかも。

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そしてこのまま寝かせます。写真はアジが見えやすいように野菜をどけているけど、実際は合わせ酢がアジにしみ込みやすいよう、野菜を上からかぶせてください。ときどきひっくり返して両面に味をなじませます。30分以上は置きたいところ。

なじませている間に「南蛮漬け」の由来についてウンチクを。南蛮という言葉はご存じのとおり海外から入ってきた文化をさす古い言葉で、室町時代以降よく用いられた言葉です。南蛮渡来なんてよく言いますよね。この料理もおそらくヨーロッパから入ってきたものと考えられます。地中海料理に同様に魚を揚げて酢で漬け込む「エスカベッシュ」なるものがあるそうで、これが南蛮漬けの起源ではないかと考えられています。揚げて酢に漬けるという当時斬新な手法をして、日本の人々は「おしゃれやん!」という意味を込めて「南蛮漬け」と名づけたのでしょう。

サッパリ爽やか! かつ深みもある一品のできあがり。

南蛮漬け11

全国のあちこちで最高気温25℃以上を記録する夏日となったこの日。まだまだ食欲が落ちるところまではいかなくても、ちょっとサッパリした料理に箸が伸びます。もちろんビールもグイグイ進みます。

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買ってきたアジが中途半端に大きかったので、残念ながら骨までガジガジというわけにはいきませんでした。でもその分肉厚で、魚食ってる! っていう実感が味わえてよかった(自画自賛)。新玉ねぎも甘くてジューシー。にんじんのシャキシャキ食感も楽しい。

急に気温が上がり、陽射しのもとでは汗ばむくらいになってきました。皆さん体調管理に気をつけて、ステイホーム、ステイキッチン!


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