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見よう見まね料理 〜ゴールドラッシュはまだ遠く ナゲット大作戦リボーン〜

ジメジメしてイヤな季節ですね。さて、何の因果か過去二回とも読んでくださった奇特な貴方へ。まだこの夫婦は性懲りもなくチキンナゲットを試作し続けています。

ちなみに過去記事はこちら。
見よう見まね料理 金塊を盗め! ナゲット大作戦
見よう見まね料理その後 〜黄金の衣を創り出せ! ナゲット大作戦リターンズ〜
そんなに難しい話じゃないので、特に過去記事に目を通さなくても余裕でついてこれると思います。でももしお時間があればぜひどうぞ。我々の愚かさがよくわかると思います。

いつも「ふーんおいしいね」とあまり深く考えずにパクパク食べてきたあのチキンナゲット 。皆さん「まあアメリカの鶏天みたいなもんだわねえ」ぐらいの理解しかないですよね。しかしこれが、特に難しそうに思えないのに、なぜかおうちで再現しようとしてもうまくいかないんです。

特にあの、薄いようでしっかりした独特の食感の衣。あれをどうやって再現すればよいのか……。

特に人気記事というわけじゃないし、誰かが待ってくれてるとも思えないけど、せっかくならば誰かが二の轍を踏まなくていいように、ここに我々の彷徨ぶりを書き記しておきます。

ナゲットの黄金の輝き、コーングリッツをゲットせよ。

これまでに、スーパーで売られているチキンナゲットの成分表示から、あの衣にはどうやら小麦粉だけでなく「コーングリッツ」なるトウモロコシ原料の粉が混ぜられているらしいとわかった。

しかしこの耳慣れないコーングリッツなる粉、実はあまり市場に出回っておらず、製菓・製パン材料専門店まで足を伸ばさなければ手に入らない代物。そこで、成分的には同じようなもんだろとたかをくくってコーンクリーム缶で小麦粉を溶いてみたところ、たしかにちょっと近づいたような手応え(歯応え?)があった。

そうなると、やっぱりコーングリッツで衣を作ってみたい気持ちがうずく。コーンクリームとどう変わるのか、気になってしかたがない。

ナゲットその三01

買ったよね。

ちなみにどこで売っていたのかというと、大阪・ミナミ(難波)の高島屋の地下にある富澤商店さん。ここは粉もんマニアにとってはパラダイスのようなお店です。きっとここならある、と思ったらやっぱりふつうに売ってた。

でもこのとき、実はちょっと失敗。

最初ようやくの発見に小躍りし、コーングリッツだけを買って(写真左)ほくほくして帰路につく。しかしその後「他に何が入ってるんかなあ」とあらためてスーパーの店頭でチキンナゲットの成分表示を確認したところ、あろうことかコーンフラワー(写真右)も書いてあったのを、見落としていたことに気づきました(何ならコーンフラワーの方が先に書いてあるので量としては多いのだった)。コーンフラワーはコーングリッツをさらにきめ細かく挽いたもの。こっちのほうが重要なのかも?

えええ、じゃあコーンフラワーもほしいー、となるのは必然。

くそう、今度こそうまくいくと思ったのに、と歯がみしつつ、もう一度お店に向かいました。物事はとりかかる前にきちんと確認しましょう。

衣の黄金比は? 比率がぜーんぜんわからない問題。

ナゲットその三02

さあようやく粉が揃ったとはいえ、いったいこれらをどんな比率で混ぜていいのか皆目見当がつかない。なにせコーンの粉なんて今まで使ったことがないのだ。どういう特性があるのかすらわからない。

せいぜいわかるのは、成分表示の順番から小麦粉、コーンフラワー、コーングリッツの順で多いということだけだ。当てずっぽうで以下のような比率にしてみる。

<マネしないほうがいいナゲットの衣>
小麦粉・・・大さじ3
コーンフラワー・・・大さじ3
コーングリッツ・・・小さじ3
塩・・・ひとつまみ
水・・・75ml

ナゲットその三03

どろーり、ぼってりした衣です。ちなみに小麦粉とコーンフラワーが同量なのは、鶏肉の成型と打ち粉にも小麦粉を使っているので、合計では小麦粉の方が多い、という何の根拠もない発想に基づきます。

ナゲットその三04

さあ今回も前回同様の成型肉に衣をぼってりまとわせ、揚げてゆきます。油が古いうえにいっぺんに揚げたら泡だらけになっちゃって恥ずかしい。

黄金の衣の出来栄えは?

ナゲットその三05

今回、成型したのが妻でなく自分なので、とても不揃いでブサイク。しかも油が少なかったせいかちょっと焦げちゃった。

まあそれはいい。今回は衣のアップグレードが課題なのだ。

ナゲットその三08

どうかなあ。箸で摘んだ感じは、ふわふわしてはおらずギュッと固まっていて、なかなか好感持てる。口に運ぶと……?

ナゲットその三10

う。うん。……な、る、ほ、ど、ね。

合ってるよ! 方向性としては間違ってない。薄く表面についている部分の食感はあのチキンナゲットにかなり近い。この道でどうやら合ってる。蜃気楼の彼方にナゲット城の黄金の砦が揺らいで見える。

ただ厚みができちゃったところがアメリカンドッグぐらいに固いなあ。それもアメリカンドッグ食べ終わった後の棒の根本のカリカリぐらいの固さ。考えてみればあれも英米ではコーンドッグって呼ぶもんな。成分的には近いのかも。

食べられないことはないし風味としてはおいしい部類には入るけど、過去に味わったことのない料理に仕上がった。

きっとアレだな、コーン分が多いな。もっと減らしてみるか。おそらく小麦粉=ふわふわ、コーン=がっしりのパートを担っていて、その均衡が問題とみた。あるいは、揚げ時間が長すぎたという側面もあるか。もう少し早く揚げ終えて余熱で火を通す感じにしてもよかったか。

まさかこれでは終わらないのかー。山猫は眠らないのかー(そういうタイトルの意外に長続きしているシリーズ映画があるんです)。

まあでもコーンフラワー買ったから、明日はアレ作ってみっか。と気分は早くも他の料理に向かっているのであった。

ゴールドラッシュはまだ遠い。


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