散歩の引っ張りを考える
ご相談の多いお悩みのひとつ
『散歩の引っ張り』
について書いていきます。
まず先に
「こういう散歩の仕方は推奨していないよ」ことから挙げます。
散歩の最初から最後まで、人の横に付いて歩く必要はない
短いリードは推奨していない(180cm以上のリード推奨)
首輪にリードは理由がない限りは装着しない(基本的にハーネス推奨)
チェーンカラーなど体に負担をかけるような道具は使わない
伸縮リード(ワイヤーが伸びるタイプ)は使わない
1の『最初から最後まで人の横に付いて歩く必要はない』は、犬の散歩ではなく『行進』だよねと、よく言ってます。
見た目がカッコいいのと、人が楽チンだということだけ。
もちろん、状況に応じて並んで歩くことも求められるので、練習は必要となります。それに関しては「その2」で書きます。
だたし
「ずっと横に並んで歩く必要はない」
犬の欲求やニーズを満たすことの方がよほど重要で、その他の行動にも大きく影響を与えることにもなります。
短いリードを使わないのは「1」と同じく、人の横にピッタリ付き添って歩き続ける必要もないこともですが、もうひとつ大きな理由があります。
それは
『リードを引っ張るほど、引っ張ることを学習する』
物理的にリードが短いと、それだけ引っ張る回数が多くなります。
そして引っ張りの頻度はより高くなります。
「犬がなぜリードを引っ張るのか?」を理解すると、お互いにメリットがないことがわかるかと思いますので、その2以降の記事をお読みくださいませ。
短いリードに関しては、よほど特別な理由がない限り(リードを持つ人が、何らかの事情でリードコントロールできないなど)推奨しないですね。
ちなみに、中・大型犬であれば
『EZYDOG(イージードッグ) ロードランナー 中・大型犬用 200cm』
はオススメです。
ショック吸収機能が付いていて、これが超優秀なんです。
このリードの楽さを知ってしまうと、他のリードを使うのが億劫になるぐらい(笑)
ちなみに腰に巻くと説明書きがありますが、手で持ってくださいね。
小型犬であれば、180cm〜200cmあたりであれば、犬の体重なども考慮しながら選んでいく感じですね。
フルッタやユリウスのリードや、EZYDOGなど、いろんなメーカーがあるので、愛犬やご自身にあったものを探していただければ。
ちなみに300cm以上になると、日本の公道で使うには長すぎて、急激に高度な技術を求められるので、一般の飼い主さんにはあまりオススメしません。
ただし周りにご迷惑がかからない公園などなら、むしろ長いリードはオススメです。
こちらの記事を参照してくださいませ↓
また鉄砲ナスカンが外れるのが心配な方は、このような道具もあります。
以前はポンポリースというメーカーもストッパーを販売していたのですが、今は手に入らないようですね。
「3」の首輪にリードを装着しないのは、身体に負担をかけないためです。
これについてはドイツの Glad Dogさんがパンフレットで、わかりやすく説明されています。↓
ただし、何がなんでもダメ!というわけではないと考えています。
そもそもリードを引っ張らなければ、首輪でもハーネスでもよいし
散歩中に何かの刺激によってパニックになることがあり、ハーネス抜けの心配があるのであれば、命の安全の方が大事なので、何らかの対策を必要とすることもあります。
特に問題がないのであれば、ハーネスにリードを付けることを推奨します。
あと
ハーネスは犬ぞりを引くために開発された道具だから
「ハーネスを使うと引っ張りが起きやすい」
みたいなことも聞くこともありますが、引っ張りは学習なので、首輪だろうがハーネスだろうが道具はあまり関係ないかと。
身体に負担がかからない方がいいんじゃないかな、と思います。
ハーネスは、種類によって犬の歩行の仕方に変化が出る。という検証もされていて「肩口の空いたタイプ」が、犬が自然な歩行をしやすいという報告もあります。
「4」のチョークチェーンなどを使わないのは、嫌悪刺激で行動をコントロールすることを推奨していないからです。
それについては、こちらの記事をお読みくださいませ。
「5」の伸びるリードは、手元でコントロールすることが非常に難しいので、推奨していません。
リード部分がワイヤーになっていて、手で掴めないんですね。
そして、「その2」で説明しますが
リードは、ずっと長いままにしておくわけではない。
手元で、細かくリードコントロール技術を必要とするので、次の記事に書いていきます。
それでは
『こんな散歩を推奨しています』
ということを挙げていきます。
犬が匂い嗅ぎをすることを邪魔しない
リードの範囲内なら、前後左右どこにいても構わない
状況に応じて、人の横に並んで歩く
というか犬が勝手に人の横に並んで歩くことを選択してくれる
犬とのコミュニケーションを取りながら散歩する
1:犬が匂い嗅ぎをすることを邪魔しない
そのお話はこちらの記事にも詳しく書いていますので、お読みいただければ。
記事内でもご紹介していますが、犬の鼻がいかに優れていて、匂い嗅ぎがなぜ重要なのかをさらに詳しく書いてある書籍です。とても面白いのでオススメの一冊です。
今回の本題としては2〜5番となります。
2:リードの範囲内なら、前後左右どこにいても構わない
・リードを引っ張っていない
・周囲に迷惑をかけない
・犬と自分(リードを持つ人)の安全が確保できる
この3点がそろっていれば、基本的には前後左右どこにいても構わない。
広い場所でロングリードを使っている
または誰もいないドッグランで過ごす
このような状況で、ずっと人の横に居るのか?というと、そうでない時間の方が多いかと。
普段の散歩中も、そんな感じでいいんじゃないかな。
むしろ
どの道を行くのか?
どのくら外にいるのか?
どの匂いを、どれくらい嗅ぐのか?
犬に決めてもらえば、いいんです。
なぜなら「犬がリードを張らないように歩く」ためには
『リードを持っている人の位置を意識する必要がある』
ある程度の自由度があっても、散歩は楽しい共同作業として成り立っている。
もちろん練習しないと、なかなかそうはならないですよ。
そのときは同時に
3:状況に応じて、人の横に並んで歩く
4:というか犬が勝手に人の横に並んで歩くことを選択してくれる
5:犬とのコミュニケーションを取りながら散歩する
ということも、当然のようにできるようになっているはずです。
具体的な練習方法は
『散歩の引っ張りを考える・その2』から書いていきます。
そのために必要な道具が
●180cm以上のリード
●ハーネス
以外に、もうひとつ大切な道具があるので、ご紹介しておきます。
その道具とは
『トリーツポーチ』
トリーツポーチに関しては、かなりこだわりがあって(笑)
それについてはまた詳しく書きますが、とりあえずオススメしたい2つのポイントは
●ベルトで腰に巻くタイプ
●開閉口がワンタッチで、開け閉めできるタイプ
がオススメです。
洋服やズボンに、フックで引っ掛けるタイプのトリーツポーチも多いのですが、ポトっと落とすことも多く、使いにくいかなと感じます。
知らない間に、どこかに落としてしまったり。
また開閉口が閉じないタイプは、人がしゃがんだときに、犬がポーチに顔を突っ込んでバクバク!!っとフードを食べられることがあります。
あと人が走るたびに、ポーチからフードが飛び出していくこともあるので、マグネットなどで閉じるタイプのものを推奨します。
それでは次回の記事から、理想的な散歩を実現するための
具体的な練習ステップを書いていくので、お楽しみにくださいね。
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