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ロングリードの使い方と注意点

発散についてシリーズ「ロングリード編」となります。
最初にお伝えしておくと
手法のひとつとして、ロングリードの使い方を書いていきます。
「必ずしもロングリードを使わなければならない」ということではありません。

ロングリードを使えない環境や、犬によってはむしろ使用することで危険度が上がる場合もあります。
発散の方法は散歩だけではないので、今後の記事をお待ちくださいね。

前回の記事にも書いたように
散歩はただ歩くだけでなく「質」が大事です。
その質を上げるための方法をたくさん知っておいた方がいいよね。ということで書いていきます。ロングリードを使いこなせると世界が広がります。


上手く道具を使いこなそう

ロングリードを上手に活用しよう

お住まいの地域によっては、公園内が犬の散歩禁止の地域もあるかもしれません。
幸いハッピーわんの近隣では犬を連れて行ける比較的に広い公園や山や海が多く、そうした場所で周囲に迷惑をおかけしないようにロングリードを使用することができています。

車で出かけるときなど(ここは使えそうかな)と、いろんな場所をチェックするのも楽しみのひとつとなりますよ。
ちなみに車内ではクレートで移動しましょう。クレートトレーニングについては別記事でまた書きます。

活動的で運動量豊富な子の場合、人と一緒に歩いて満足してもらうには、かなりの労力が必要となります。
短期間ならまだしも毎日ずっととなれば、満足させるための時間の都合がつかない日もあったり、人の体調が優れないこともあるでしょう。

ロングリードの使い方をマスターしておくと、平日は一緒に歩く散歩で、休日には一緒に出掛けて広い場所で発散してもらう。みたいなことも可能となります。


ロングリードの種類について


3m・5m・10m・15m・20m・30m
いろんな長さがあります
飼い主さんにオススメしているのは「10m前後」のロングリードです。
いろんなタイプを使用したり、飼い主さんとのレッスンの様子を見てきた中での結論です。

扱いやすさは断然5mです。ですが、すぐに使い方に慣れてくるので少し物足りなくなってくるかと思います。
逆に20m・30mとリードが長くなるほど、急激に扱い方が難しくなり、後ほど書きますがリスクも高まります。
いい感じの落とし所が「10m」あたりです。

慣れるまでは10mリードを半分までの長さで使用しながら練習していきましょう。

10mの距離感(撮影のため、あえて長くしている)
20m使用。距離感がだいぶある。

タイプとしては「ロープタイプ」と「平リード」の2種類あります。

ロープタイプだと、この商品はナスカンにネジ式のロックを掛けることができるので安全性が上がりオススメです。↓

ハッピーわんでは現在「岡野製作所(ONS)」のロングリードを使用しています。
生地が厚めでしっかりしているのが理由です。
リード幅が「15mm」「18mm」「21mm」の3サイズ
リード長が「3m」「5m」「10m」「20m」の4サイズ
体格に合わせて選べます。

もっといいリードが見つかれば、またご紹介しますね。


伸びるリードは推奨しない


ロープも平リード、どちらも使用してきましたが、最近は平リードのタイプが扱いやすく感じるので飼い主さんにもオススメしています。

理由としては、平リードの方が少し重たくはなってしまうのですが
ロープタイプより設置面が広く、いざというときに危機管理がしやすい。
ロープタイプよりリードが絡みにくい。巻き取りやすい。コントロールしやすい。といったところです。
あとは使用してみて、好みのものを使えばいいかと思います。

ちなみに
「伸びるリード」は推奨しません。
理由は3つ
●手元でリードの長さをコントロールしづらい。
●リード部分がワイヤーになっており、手で掴めない。
●部品がいつ壊れるか予測不能。

事故が非常に多いので、推奨していません。
伸びるリードは犬が前に進むと、リードが延びていきます。
人が(これぐらいの長さで)とコントロールすることが難しいです。

自分でリードの長さをコントロールできる、通常のロングリードが安全性も高い。

リードのロックが難しい・ワイヤーが細くていざという時に手で掴めない

ロングリードは消耗品

地面に擦れる頻度が多いため、使用前は確認が必要です。
リードの糸がほつれ出したら、黄色信号です。
速い段階で、新しいものに交換することをオススメします。

そのまま使用していると、あるとき急に切れたりします。
あとリードの品質にも注意をしてください。
以前、愛犬で安価なロングリードを新品で使用していたら切れたこともあります。

また、体格に合わせたものを選んでくださいね。
大型犬に細いリードを使用して切れるなんてこともあります。
逆に小型犬で重いリードも、ちょっと負担になります


ロングリードの利点


許されることなら、誰も来ない山奥の平原でリードをつけずにお互い自由に散歩してみたいと思ったことはないですか?もちろんノーリードはNGです。
いつ何が起きるのかわかりません。犬が遠くに行った時に戻ってこれるとも限りません。何より法令で禁止されていますので、リードは必ずつけてくださいね。

その理想を、擬似的にでも作り出すのがロングリードの役割です。
リードで管理はするが、ある程度の自由も許容する。
すると犬は自由行動が増え、走ったり匂いを嗅ぎ回ったりと、散歩の質がグッと上がります。
その上、人は通常のリードを使うよりは歩く距離がグッと減ります。
ただし人側に技術が求められるようになります。下記をよくお読み頂た上で使用してくださいね。

のびのびとした散歩を実現する道具なので
「なるべくリードを張った状態を作らない」
前後左右どこでも自由で、リードが弛んでいる。
ポイントとしてはこの部分を気をつけています。


ロングリードの持ち方・たたみ方

リードの先端には持ち手の輪っかがあります。
その輪っかに指や手の平に必ず通しましょう。

輪っかを指などにかける
リードをしっかりと握る


リードを畳むときは、反対の手でリードをたぐり、持ち手の手のひらに収納するようにしていきます。これを素早く繰り返す。

畳んだリードは手のひらの中に収納していく

まずは使用前に、ご自宅でリードコントロールの予行練習をしておくことをオススメします。
↓ 12秒ほどの動画をご用意しましたのでご覧くださいませ。


ロングリードの注意点

「ずっと長くしておかない」


最大20mまで使用していると書きましたが、ずっと最長にして使用しいるわけではありません。
最大の長さにするのは、使用時間の1割にも満たない。
いざというとき、すぐに対応ができるよう、大抵は3m前後の長さにしている時間がほとんどです。


「犬の動きに合わせて巻き取る」


匂い嗅ぎをしているとき、犬はその場に止まっています。
このとき、リードを巻き取りながら止まっている犬に近づいていきます。

また歩き出したら、人は犬の動きに合わせて歩き出す。
犬の進むスピードが速い場合は、手元に巻き取ったリードを少しづつ延ばしていく。
犬が止まったら巻き取る。
これを繰り返しながら、散歩をすると最大限に延ばす時間はそんなになくなります。


「ハーネスを使用する」

首輪にロングリードをつけると
「首にリードの重さがかかる」
「全力で走り、リードが張った時の衝撃が首に負担がかかる」

この2点から、首輪にロングリードをつけることはしません。
ロングリードに関わらず、基本的には散歩はハーネスを推奨しています。


「ハーネスのサイズに注意する」

ロングリードでよくある事故が
「ハーネスのサイズが緩いために起きる、抜け事故」

これは通常のリードでも同じですが、特にロングリードでは、木になどの障害物にリードが引っかかり、意図せずすっぽりと抜けてしまうような事故が考えられます。
ハーネスは、ピッタリとサイズを合わせること。
それでも不安な場合は、ハーネスを2重にして、ナスカンをどちらにも付けて使用することもあります。
ハーネスに関してはいろんな商品がありますが、2重にするときはクリップでぎゅっと絞るタイプ「ぽんぽりーす・スーパーハーネス」は軽くて使いやすいです。

紐の先にナスカンをつける部分があります。
まずクリップを体にあたるぐらいまで絞り、普段使用しているハーネスのリングと一緒にナスカンを装着する。
このとき、スーパーハーネスの上に普段のハーネスを装着すると、安全性が高まります。

先にスーパーハーネスを装着する
上からもう一つのハーネスを装着、ナスカンもつける
もう一方のハーネスにナスカンをかける



「ロングリードを引っ張らない」


ハーネス抜けの原因にもなります。
せっかく自由な散歩の道具として使用するので、リードを引っ張るぐらいなら、犬の近くに入れるように短めに持ちましょう。

どうしても引っ張らなければならないのは、よほどの緊急事だけです。
それも対応が遅くなった、人側のミスです。


「周りをよく見る」

リードが長いと、それだけリスクが高まります。
広い場所で、リードを長くしたまま自分の犬だけに集中してしまうと、気がつけば人や他の犬が、すぐ近くに来ていた。
ということが起きます。

遠くに人や散歩中の犬などが見えた時点から、長くしていたリードを巻き取って、犬の近くまで人も移動しておくこと。
かなり注意が必要な部分です。

ただ、それでも突然の飛び出しなど、対応が遅れるときには
「とにかくリードを踏む」
「とにかくリードを踏む」
「とにかくリードを踏む」

とても大事なことなので、3回書きました。
まずはリードを踏んで、それ以上先には行けないようにする。
そして踏みながら巻き取っていく。

ちょっとでも怪しいと思ったら「リードを踏む」

「予測する」

「周りをよく見る」と似ている部分ですが。
例えば、10mのリードを使用中として。
公道まで5mの場所でリードを持っているとします。

このときは5m以上、長くしないこと。
いつ自転車や車、人や犬が来るかわかりません。
飛び出してしまい事故につながりますので、周りをよく見て予測をしましょう。

もし間に合わなければ「とにかくリードを踏む」

予測が事故を防ぐ

「手袋をする」

犬が走ったときに、手に持ったリードが(シュルシュル)と動き、摩擦熱が生じます。
そのとき、熱すぎてリードを手から反射的に離してしまう危険があります。
特に中大型犬でロングリードを使用するときは必須です。

あとごく稀に、指にリードが絡んで怪我をする話も聞きます。
そうしたことを出来るだけ予防するためにも、軍手でもよいので装着しておきましょう。


多頭でロングリードを使用するときの注意点

2頭になると、急に難易度が上がります。
犬同士が戯れ合ってる間に、お互いのリードがかなりの確率で絡み合う。

まず
「必ず一人一頭づつリードを持つ」
これは最低限のルールです。
一人で2頭以上のロングリードを安全に使用するのは不可能です。

リードはそれぞれ一頭づつ持ちましょう

「絡みをとっていく」


次に、リードの動きをよく見ながら、人が動いて絡みをなるべく取りながら遊ぶ。
リードがクロスしたら、人が動いて絡みをとる。
人同士が結構、忙しく動くことになります。


「犬にリードが巻き付いたら、すぐさま対応する」


これが一番気をつけなければならない部分です。
首や足にリードが巻きつき、そのままもう一頭が走っていくと、大怪我をすることになります。

小型犬の体に巻き付いて、もう一頭が少し力が強い中大型犬だと、考えるだけで怖いですよね。
なので
「二頭以上が近距離にいるとき、リードは短く持つ」
「絡んだらすぐに対応する」

事故がなく、楽しく過ごせるようにしたいですね。

犬同士の素早い動きであっという間にリードが絡まる

その他に気をつけること

拾い食いのリスクは高まる

公園などで食べ物のカスが落ちていることもあります。
山などでは、野生動物の糞が落ちてたりもします。

ロングリードを使用する場所に注意することも必要となります。
もしくんくんと匂っていたら
「リードを引っ張るのではなく、匂いの元と犬の間に、人の足や体を入れてブロックする」

グイッとリードを引っ張ると、犬は慌ててパクッと口に入れることがあります。
そっと人の体でブロックして、その場から離れていく。
これは通常のリードでも同じ対応となります。


公共の場所を独占しないこと

ロングリードを使用するのにいい場所だったとしても、そこに人が居るときはリードを短く持ちましょう。
また、長くして散歩しているときに人がやってきた時も、短くしましょう。
その場所を独占してしまうと「マナーが悪い」と見られてしまうかもしれません。

その結果、活動できる場所が制限されてしまうかもしれません。
こうなると誰も幸せにならないので、犬を飼っていない人にも配慮する。
これ結構大事な部分ですよね。

もちろん公道では使用しないでくださいね。


通常のリードでも散歩をする

ロングリードの使い方に慣れてくると、人は通常のリードでの散歩に比べ、犬の自由度と活動量が上がり、とても犬たちが嬉しそうにするのを感じることでしょう。

ただし、その利点に頼りすぎるのも、少し違うと考えています。
やはり通常のリードを使用して、自宅近所を歩くことや、いつもと違う場所へ出かける散歩もすることは、犬の社会化や、新しい散歩コースを開拓することで、犬への良い刺激となります。


人とコンタクトを取りながら散歩をする

ロングリードでも通常のリードでも同じですが。
ロングリードの場合なら「呼び戻し」の練習には最適ですよね。

名前を呼んで戻ってきたら、褒める。フードを出す。
一緒に並んで歩いていたら褒める。
など、屋外でのいろんな練習にも使えます。

そうやって屋外でも人とコンタクトを取りながら、散歩の楽しさをお互い感じられるようにしていくことも発散です。
問題行動の予防や対応にも繋がります。

何より、お互いが楽しいと感じることが、大きな喜びになると
生活の質がグッと上がりますよね。

呼び戻しの練習にも活用できますよ

あとがき


まずはロングリードの使い方と注意点を書きました。
注意点が多くて(難しい・・)と感じられたかもしれません。
しかし、これらは読んでみると特別な技術というよりは、使用にあたって知っておくとで未然にトラブルを防ぐ要素が強いことが多かったかと。

知らないことで、事故のリスクが高まるより
知ることにより、トラブルを未然に防ぐことができるのであれば、この記事を読まれた時間はわずかな労力となるでしょう 。

リードコントロールは人の技術が求められます。
その技術が上がれば結果、散歩の質も上がります。
QOLが上がれば問題行動のリスクも減り、お互いのQOLが上がるといいですよね。

道具は使い方をきちんと学べば、素晴らしい生活へ役立ちます。

初めに書いたように、発散の仕方は散歩だけではありません。
また、通常のリードでグイグイ引っ張られるのでお困りの方も多いかと思います。
そうしたことにアプローチした記事もまた書いていきますので、今後ともよろしくお願いします。

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