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『成犬ですが、しつけはもう遅いですか?』

『成犬ですが、しつけはもう遅いですか?』

とてもたくさん頂くご質問です。
結論から申しますと
「何歳だろうと遅くない」

この質問は「しつけ」のイメージの捉え方に関する勘違いからくるものかと感じます。
では一般的に「しつけ」と呼ばれるものを分解して考えてみましょう。

①3つの要素


例えば、成犬8歳
「吠える」ので、なんとかしたい
「吠える」というのは「行動」です

行動が起きるためには、何かしらの『きっかけ』が存在します


●他人が現れる 
●チャイムがなる 
●オモチャを投げろと要求 

何かしらの、吠えのトリガーとなる(きっかけ)があります。
(今回は体内の話は置いといて)

「きっかけ」があり「吠え(行動)」する。

すると何かしらの結果が得ます。

■他人が去っていった
■来客が去っていった
■オモチャを投げてもらえた

並べると
『きっかけ → 行動 → 結果』

このような順番になります。
つまり、行動は何かしらの結果を得るために起きる学習であるということです。


②何歳からでも「学習」はできる

人間で考えて頂くとわかりやすいかと。

新しい家電が届くと、使い方を説明書や人から聞いて学びます
(でも人も年齢を重ねると、スマホの使い方とか大変だよ)

そうかもしれませんが、それはただ「不慣れ」なだけで
囲碁や将棋とか、料理や趣味ごとなどは、年数を重ねるごとに熟練の域に達していく人も多く。

「学習は何歳になったって出来る。」

つまり(しつけ)は、学習なので年齢関係ないよ。ってこと
ただしポイントがひとつあります

③学習は積み重ねるほど強力になる

暗記で考えていただければ、わかりやすいかと。
同じことを反復し続けると、記憶に強く残っていきます。

人にとって、愛犬の困った行動があるとして。
犬がその行動を繰り返すほど、強力にその行動が定着していきます。

しかも、より反応が速くなる・敏感になる

例えば
●他人が現れる

(以前は、犬のすぐ側に知らない人が近づいたら吠えていたのが、次第に、遠くに人が居るだけで吠えるようになった)

(以前は、特定の人にだけ吠えてたのが、誰にでも吠えるようになった)


●チャイムが鳴る

(以前は、チャイムがなってから吠えてたのが、駐車場に車が入ってきたら吠えるようになった)


●オモチャを投げてと吠える

(最初は少しの吠えが、だんだんオモチャを投げるまで吠え続けるようになった)

ほんの一例ですが、人にとって都合がいい・悪いは関係がなく
学習というのは常に起きています。


そして繰り返された学習は、より強化されていく

この点を踏まえると、確かに経験値が少ない子犬の方が、しつけやすいと感じるかもしれません。
ここが(しつけ)のイメージにつながるのかもしれませんね。
ちなみに子犬の話は、長くなるので今回は掘り下げませんが。

学習である以上、飼い主さんが本気で取り組めば
必ずそれなりの結果を得られます


いまうちでも最高齢が、12歳越えのペアがいらっしゃいますが、
最初の頃の問題は随分と改善され、今ではいろんなことができるようになっています。

④最後にこれだけはお伝えしたいこと


『飼い主さんが困っている問題は、愛犬もどうしていいのか困っている』

犬は、飼い主さんがどうして欲しいと願っているのかわからない。
飼い主さんの願っていることが、その犬のボキャブラリーにない。

だから犬らしい行動で、その状況に対処しているはずです。

飼い主さんに「犬に伝わる方法」を知っていただき
犬は「あっ!そうしたらいいんだね!」と学習する。

この循環が回りだすと、双方にもたらすメリットが多大です。

しつけと言ってますが、異種間のコミュニケーション術です。

そして何歳からでも遅くありません。
それより早くお互いが楽になった方が良いですよ

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ちなみに他に伝わりやすい言葉がないので、しつけ教室と名乗っていますが
私たち実は、あまり「しつけ」という言葉を使っていません。


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