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仕込みNo.012 something happy ハーブティー 今期ラスト

No.011で本格的に仕込んだsomething happy ハーテブティーがあっという間になくなったので、梶谷さんに「もう一度今期仕込みたいのですが、、、」とお願いすることになりました。実はフレッシュハーブ、10月半ばには終わってしまうとのことで、ギリギリのトライということになりました。
前回の仕込みはこちら。

そして今回の裏ラベルがこちら。

仕込みNo.012 裏ラベル

今回の仕込みの工夫と変更点です。
・お米は全量滋賀旭
・麹菌のうち黄麹に関しては菱六1号菌のみを使う。
・糖化時間を倍以上に

今回、いよいよレジェンドの作るお米「滋賀旭」オンリーのどぶろくを作ることができました。somethinghappyは副原料が主役なのであまり前面に出しておりませんが、このお米は30年自家採種、無肥料無農薬のとっても貴重なお米です。
そして、普段販売用(甘酒・味噌用)の「ハッピー糀」でこのお米は使用させていただいているのですが、ハッピー糀は、菱六の「一号菌」使用なのです。これ、実は味噌用の麹菌 笑

菱六の麹菌カタログ

上から11番目にのっている一号菌。「淡色味噌・赤味噌 当社製品中最も伝統ある菌株。酵素力のバランスの取れた菌」とのこと。
つまり、菱六さんの販売している麹菌の中で、一番クラシカルなタイプの麹菌で、糖化酵素とタンパク質分解酵素がバランスよく含まれている緑色の菌です。私の感想としては、糖化酵素が突出しているわけでもなく、香りが透明感あるわけでもなく、昔の麹くささのようなものがある素朴な麹菌だなと思います。これをどぶろくの糀として使うわけです。笑 これだけでも面白いでしょ。

クエン酸糀に関しては、今まで通り菱六さんの焼酎用白麹菌No.198 です。

そして、お米の滋賀旭は30年自家採種無肥料無農薬。クラシカルな在来種系のお米をクラシカルな麹菌で糀にする。それならば「めちゃくちゃ溶かしたるねん」という発想に。せっかくええコメなんやから、徹底的に溶かそう。溶かしても、変な味、するわけがない。笑
ということで、今回、糖化時間は14時間と、今までの6時間程度の倍以上の長さにしてみました。醸造協会誌に掲載されている論文によると12時間程度で糖化酵素は結構弱まるらしいので、徹底的に酵素に働いてもらったということです 笑 

そうすると、たしかにドロドロに溶けました。いや〜溶けました。舐めてみるとめちゃくちゃ美味しい。そして、氷入れて冷やして酵母添加。やっぱりいつもの6号酵母泡無し。

さてみなさん、溶けた溶けたと喜んでいるだけではダメなのです。溶ける=糖分がたくさん出る、なので、今までよりも濃糖状態。つまり、酵母が湧きづらいのです!観察していて、ちょっと沸くの遅いな、、、、沸いたけど切れるのが(糖分が少なくなるのが)遅いな、、、ということで、
「水を打ちました」
つまり、濃糖圧迫になっている酵母を元気にさせるため、すこ〜し水を差して(かきまぜずに)酵母増殖の後押しをしてあげるのです。てきめんに効きました。

いや〜、経過がNo.011と全然違って焦りましたが(だって発酵期間10日くらいだもん。短期決戦!)途中、持ち直し、なんとかなりました。よかったよかった。

ハーブに関してですが、以下のものが。

レモングラス
マリーゴールド
アップルミント
ペパーミント
メキシカンマリーゴールド
日本ハッカ


ハーブの香りとしては、9月までの強烈さというより少し上品な感じで、「名残」を感じさせます。でもやっぱり清々しい香りで気持ちが良い。このどぶろくのレシピとぴったりです。

今回、アルコール度数は6度台。糖分が多めにでた分、酵母が食べてアルコールが少し強くでました。そして、糖化時間を長くし、よく溶かした上に、濃糖の際水を差したので、よりのどごしがよく飲み物として軽快な感じになりました。

梶谷さんのフレッシュハーブのsomething happyは今期はこれでラスト。また来年5月ごろにお世話になりたいと思っております。somethingシリーズはまた別の副原料との出会いがありそうですから、お楽しみに!

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