「自分で決める力」を育む方法
非認知能力の1つである「自分で考え、決めて行動する力」
指示されたことはできる。親の言うことは聞く。
という育ちをしているとこの「自分で決める力」が育まれません。
私はこの「自分で決める力」を育むことは、人が幸せに生きていくうえで、とても大切だと考えています。
誰かの価値に従って選択するようになると、それがどんなことでも幸せを感じることはできません。
わかりやすい例でいえば、ずっと幼い時から長い時間受験のための勉強に費やし、高学歴を獲得したものの、
「本当に自分がしたいことは何なのかがわからない」
「仕事で人とどうかかわったらいいのかわからない」
「ミスを受け入れられず、仕事に支障がでる」
という若者がいると聞きます。
お母さんがよかれと思って、先によいと思われる方を子どもに与え続けていると、自分で決める力がつきません。
子どものためにやっていることでも、子どもの力を奪ってしまうことになってしまうのです。
「自分で決める力」はとても大切です。
でも、親がその力を奪いがちであることも確かなのです。
子どもはお母さんのことが大好きで、見放されたくない。と思っています。気を付けてほしいのは、本当の自分の気持ちより、お母さんの希望を「自分で選んだ」として、選択する場合があるということです。
例えば,
「自分で塾に行きたいって言って始めたんだから、途中で『やめたい』とか言わずにがんばるべき。『自分で決めた』のだから。」
というお母さんがいます。
でもひょっとしたら、それは「自分が決めた」のではなく、「お母さんが望む方を自分で選んだ」として選択している可能性があります。
子どもは「塾に行きたい!」とか言うんです。それがどういうことなのかよくイメージできず、周りの子が行っていて、なんか友達のテストの点数がよいのを見て、自分も行きたくなる。
とか、
そう言うと「お母さんが喜んでくれそう」とか。
ただそれだけの理由で言うことがあるんです。
自分で「行きたい」って言ったんだから。自分で決めたのだから。と決めたことに責任を取らせる必要はないんです。
まず子どもにそういう選択の仕方をさせるのではなく、本当に「自分で決める力」をつけることが大切です。
そのためにできることは何なのか、ご紹介しますね!
まず、小さいうちから特にお母さんがどっちでもいいと考えられるようなものは自分で選ばせる練習をするのがいいと思います。
AとBがあったとして、自分としてはAがいいと思っていても子どもがBを選んんだのなら、Bを選んだことを尊重します。
「子どもを信頼して選ばせる」ということは、お母さんが気に入らないほうを選んでも、それをお母さんが受け入れるということです。
受け入れられないなら、それはお母さんの意見として伝える。だけ。
「お母さんはAの方がいいと思ったけれど、Bがいいって思ったんだね!」くらいな感じで。
中には、先ほどの塾の例のように「お母さんは自分にAを選んでほしいと思っているんだな」と感じ取って本当はBがいいと思っているのに、「Aがいい」という場合もあるので、お子さんによっては注意が必要です。
もう高校生ですが、長女が保育園の年長の時、ランドセルの色がちょうどカラフルになって、赤やピンク以外の色が流行りだしたときだったのですね。
当時は今ほどカラフルなランドセルはスタンダードではなくて、お母さんにとっては女の子だったら赤やピンクに慣れていて、子どもが「水色がいい」と言ったのに、「『6年生まで使うんだから』と言い聞かせて、なんとかピンクにしてもらった」というお母さんが私の友達にいました。
そういうところです!
親の意見がどうでもいいところ。
本人は水色がよくて、「6年生までそれを使いたい!」といっているなら、それは水色を尊重してあげるべきなんですね。
「女の子のランドセルといえば赤かピンクでしょ」という親の価値観とか「まだ年長さんだから子どもは正しい判断ができない」と考えるのは「子どもが決める力」を奪う考え方です。
ちなみに我が家の娘は水色でピンクの縁取りランドセルを選んでいて、その色をとても気に入っているみたいだったので、その友達の判断が余計に印象に残っています。
ただ娘の場合、高学年になって土屋鞄の茶色のランドセルをもっている友達と出会い、「土屋鞄の茶色いいなー。あれにすればよかった」と言っていました。
私は意見として伝えていたんですね。私が土屋鞄押しで「土屋鞄のランドセルにしたら?」って。だけど本人は水色のピンク縁取りがよくて、それを自分で選んだので、「自分で選んだ」という記憶がのこっていて、その点では満足しています。
だから後からこちらが「ほらね、だからこっちの方がいいっていったでしょ!」ということになるかもしれない方を本人が選択していたとしても、「自分で選んだ」という体験を重ねることの方が重要で、
あとで後悔してもいいのです。
ランドセルの色程度のことだし。
「失敗したなー」と感じる経験をすることも大切なのです!
「子どもを信頼して選ばせる」ということを可能な限りやってみてください。
小さい頃の選択で言えば、
うちの子は小さいうち(2歳くらいかな?)から着ていく服を自分で選んでいます。
今日はやや寒いから長袖の方がいいんじゃないかな。ってときに、半そでを着ていたら、「寒いから半そでの方がいいと思うよ。」と意見として伝えます。結果、どうするかは本人の判断に任せます。まぁ、寒いのは私じゃないし、そもそも私はどちらを選んでも気にならないのですが。
なぜ、このような例を出すのかというと、秋口になると小学校で長袖を着ていて教室で「暑い!暑い!」と言っている子がいて、「昨日も、言ってたでしょ。半そで着てくればいいのに。」と私がいうと「だってお母さんが『今日は寒くなるから長袖にしなさい』って言う。」って子どもは答えます。
「風邪をひかせたくない」というお母さんの優しさだと思います。
けれども、「自分で決める力」を育てたいと思ったら、こういう大勢に影響のないところから、
① 自分で決めさせる
② その子どもの判断に「おや?」と思っても、受け入れる。
ことが大切です。
本当の優しさとは、「風邪をひかないように前もってあれこれ世話を焼くこと」ではなく、「子どもの選択を信頼して任せ、もしそのことで風邪をひくようなことがあっても、それを責めず、見守ってあげること」だと私は考えています。
半そで長そで論(?)で言えば、私は「半袖が子どもの風邪をひく原因にはならない」と、思っています。
子どもは大人が思うほど寒いと思っていないものなのです。
「寒いだろう」という親心から厚着をさせているうちに、寒がる子どもが育ちます。
母親の私がこんなだから、長男は小学校の学年に一人はいがち(いまどきはいないのか?)な昭和スタイル。冬でも12月までは半そで短パン坊主男ですが、風邪ひきません。1年中長ズボンは、はきません。
【まとめ】
「自分で考え、決めて行動する力」を育むには、信頼して選ばせる。
子どもの選択が自分と合わなくても受け入れ、子どもの選択を尊重する。