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『男はつらいよ』

夫が好きということで、
付き合い始めの頃に、何十年ぶりに改めて観て感動したことがあった。

その前に見たのは、土曜ロードショーなどで、放送していた頃。

父の影響で、映画が大好きで、毎週のその時間を楽しみにしていた。

今もそうだけど、、
圧倒的に洋画の派手さやスタイリッシュな感じが好きだったので、
その当時も何やら古くさい映像と生ぬるい展開の邦画を父が観ていたのを横目に、
今週はおもしろくないやつだ!
と、週一の楽しみの一つが肩透かしを食らったような気分になっていた。

でも、厳格だった父がその「古くさい邦画」を観ながら涙を流すほど笑っていたことだけは、今でも鮮明に印象に残っている。


そんな『男はつらいよ』

一番最初のエピソードを、これまた数年ぶりに久しぶりに観た。

結果、また新鮮な印象だった。

風来坊の寅さん。
たまに気まぐれに帰ってきては、みんなの日常を掻き回す。

映画だから、当然その中でいろんなドラマがあるのだけど、
結果、ハッピーな展開に落ち着く。

とにかく、寅さんがいるだけでみんなが賑わって楽しそうなのだ。

自分勝手で、厄介者なのに、
みんな、どこか帰ってくるのを心待ちにしている。

寅さんはそのままの自分自身を生きているだけ。
とっても不器用だけど、一生懸命。
心がピュアで、真っ直ぐで、ただただ子どもみたい。

誰かのためになどという意識もなく、

自分の心の向くまま、気持ちに素直に生きている。
それが巡り巡って周りを幸せにする。

そんな寅さんを観て、心から温かい気持ちになった。

このタイトルも、しみじみすごいなぁって、、
噛み締めるほどに味わい深い。

登場人物もみんなが温かくて、人情味に溢れてて。

こんな素朴でシンプルな時代、、そんな世界に想い馳せる。
寅さんのようにいきたいなぁ。。なんて。


んんん、、、、

書きながら気がついた衝撃。

あの何十年も前に見ていた、涙しながら笑っていた父の姿。

私自身が今ちょうどその頃の父の年齢になっていて、
全く同じように寅さんに心動かされている。

本当にびっくり。

年の功ってやつなのか。

その年になって分かることや、見えてくることもあるのかもなぁ。


にしても、びっくりした。

エモい。

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