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すれ違う二人

※短編小説 女性:さくら 男性:しょう

アパレル店員をやっているさくらと
フリーターの翔

そんな二人の物語


いつの間にか
私たちには大きな溝ができていた

高校生の時に出会った
わたしたち

最初から昔にあったことが
あるのではと思うくらい
喋る私たち

お互いの恋バナや
失恋

お互い親友として
支えあってきた

25歳になった私たち

久しぶりに翔からLINEがきた

「ねえ、今何してる?」

どうしたんだろうと
心のうちがざわざわ

「仕事が終わって今帰宅中」
「そうなんだ、久しぶりに今度会わない?」
「いいね!ご飯でも行こうか」

来週の金曜に飲みに行くことになった

二人でご飯や飲みにいくのは
いつぶりだろうか


金曜当日

さくらが集合場所へ着くと、そこには
翔がもう待っていた

「久しぶり」
「久しぶり!!」

久しぶりな感じがしないくらい
店まで話した

きたのは地元の居酒屋

「最近彼女と別れたんだよね」
「だから連絡してくれたのね(笑」

「久しぶりに会いたいなとも思って
 連絡してみた」
「ありがとう(笑 嬉しかった(笑」

会っていなかった期間の
仕事や恋愛について
話した

「さくらは、彼氏いないの?」
「いるよ、結婚しようと思ってる」

「そうなんだ。どんな人?」
「1年ちょっと付き合っている、優しい人だよ」

「ふーん」
「翔は?」

と、なにげなく聞いてみた

「今だから言えるけど、正直さくらのことずっと気になっていたんだよね」
「え?」

「さくらは気づいていなかったと思うけど、ね」
「全然気づいてなかった。言ってくれればよかったのに」

「この関係性が崩れるのも怖かったし、さくらに彼氏できたり
 俺もやけくそで彼女作ってたからね(笑」
「やけくそは最低〜(笑」

正直びっくりした
なぜなら私も彼のことが好きだったからだ

「なんで今言おうと思ったの?」
「結婚しちゃうから。その前に伝えたくて」

「ん?今も好きなの?」
「そりゃそうだよ」

「前の彼女と別れたのもさくらのこと忘れられなくて
 別れた」
「え、、、」

「さくら、実を言うと私も好きだったよ。でももう届かないと思って
 諦めてた」
「え?そうなの?」

お互いがすれ違っていることに
気づいた

「でももう、プロポーズ受けた。結婚する」
「そっか」

好きだった二人
隣にいるようですれ違っていた

「これってこのまま会うのはやめたほうがいいのかな」
「そうだね。俺さくらのこと好きだし、なにするかわからないよ?」

「そんなこと言わないでよ(笑 変な感じ」
「本当のことだよ。俺だってもう大人だし
 目の前にいると、触れたくなる」

「え、、、」
「だからもう抑えられなくて、」

「そっか、」
「ねえ、俺じゃだめなの?」

「だめだよ。遅いよ。」
「そっか。」

そして二人は別れた
きっともう会わない

切ない
でもこれが現実なのかも


 

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