街のたから
久しぶりに外で猫を見た。
今年になって、今日が2回目。
3週間で2回見たので、けっこういい確率かもしれない。
以前は、毎日と言っていいぐらい、あちこちでみかけたのだけれど、保護猫活動が順調なのか、コロナの影響なのか、すっかり珍しくなってしまった。
すごく疲れている日や頑張った日に見ることができるような気がしていて、神様がご褒美をくれている気がするぐらい、希少価値になってしまった。
近所に夕方になると猫が集まるスポットがいくつかあって、彼氏とは猫ウォッチングをしながら散歩をしたりしていたのだけれど、それもすっかりご無沙汰である。
彼氏はあまり気の利いたことをいうタイプではないのだけれど、時々名言を言うことがあって、ある時
「猫は街のたからだよ」と呟いた。
今だったら、それな! だろうか。
ほんとに猫をみるとそれだけで元気になるのは私だけではないと思う。
こどもも猫ちゃんだ~と笑顔で近づいていくし、みんな立ち止まったり、声をかけたり、そこには確実に気づく前より、しあわせな雰囲気が漂う確率が高い。
もちろん猫が嫌いな人もいるのだろうけれど、犬と違って、嫌いはあっても、怖いはすくないせいか、あまりそういった感情をありありと出す人は少ない気がする。
そういう人たちは単に遠巻きにして、通り過ぎていくのかもしれない。
見ただけで笑顔になるのは猫と赤ちゃんぐらいでは、としみじみ思う。
今日の猫は、最初声だけにゃあにゃあすごくて、横道に入って近づいていったら、発見。
にゃっと呼びかけたら返事をしてくれたので、しばらくやりとり?できた。
食べ物が欲しい感じなのだが、あいにく手持ちがなく、そおっと距離を詰めたら、いきなりぴゅーっと位置を変えた。
が、しかしそのまま逃げ去るわけではなく、ちょっと離れて、こちらを振り向き、しばらく見定めていたが、何も出てこないと悟ったのか、最終的には走り去っていってしまった。
夜なので、最初はシルエットだけだったが、最後は明かりの中にキジトラらしき様子が見受けられた。
にゃあにゃあ鳴く様子からもずいぶん人なれしている感じがあったので、飼い猫だとは思うが、お腹をすかせているようだったので、迷子かもしれない。
無事に帰れるかなあと思いつつも、久しぶりに猫に会えた嬉しさに、頬がゆるみながら、元の道へと向かった。
遠回りになったが、足取りは軽い。
いるだけで人を幸せにする、
猫ってほんとに街のたからである。
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