模合(もあい)
模合(もあい)って聞いたことありますか?沖縄では、気の合う仲間等が毎月定期的に集って飲食しながら語りあい、そのついでに資金を積み立てたりする、そんな文化の1つが模合です。コロナ禍でそれが一気になくなって交流が減ったり、逆にストレスが減ったりとか。沖縄文化の1つとしての模合について綴ってまいります。
模合(もあい)とは
改めて、模合とは
模合とは、もやうことで、共同とか共同生産を意味することばであったが、生産形態の変化にともなって寄り合いや共同生産の意味合いを失い、複数の個人や法人がグループを組織して一定額の金銭を払い込み、定期的に1人ずつ順番に金銭の給付を受け取る金融の一形態を指すようになった
〜wikpedia〜
ちょっとわかりづらくなった感じもありますが、いわゆる「同級生模合」「親戚模合」「経営者模合」など、家族や親戚など血のつながりにとらわれず自由なメンバー構成で、人数、金額もちろん集まる場所もそれぞれです。
基本的には、毎月1回集まり、決まった金額を出し合いプールにして、メンバーの一人がその全額を受け取ります。順番はそれぞれの状況に応じて決めるパターンが多く、「入学・進学があるので3月に取りたい」とか、「引っ越しがあるので8月に取りたい」という申請を優先し、決まります。まさにそれぞれの家計の資金繰りをみんなで工面しあう、金利ゼロの身内金融業ですね。いわゆるゆいまーる(助け合い)の精神で成り立っています。
メンバーの人数に応じて一巡となるので、途中脱退はタブーです。また新メンバーを加えるとなると、次期からの参加となります。最近では、その出し合ったお金を通帳に預け、ある一定額が貯まったらそのメンバーで旅行をするとか、お楽しみイベントで使うなんてのも多いです。
私も、結婚して子どもを授かってからは夜の外出がままならず、「ランチ模合」と称してお休みの日の昼間にランチを兼ねて、旅行積立にするというのが主流でした。
時折、起こっちゃう事件の数々
とても庶民的な助け合い文化ですが、やはりお金が絡むゆえに昔からそのお金を持ち逃げしちゃうなんて事件は後を立たず...
今朝(2021.5.30)の地元紙「沖縄タイムス」でにこんな記事が!
「主婦、十数万ドル持って高飛び」「模合金など横領」
復帰前の1971年当時(50年前)、数百億円以上動いていた…仲間でお金積み立てる、庶民の金融「模合」の今と昔を比較した記事でした。
当時40代の女性が、複数の模合を主宰した上で模合仲間の金を抱えて県外へ逃亡したもので、琉球政府の税務署、金融検査庁は「近ごろにない悪質模合」と強調。同年6月21日付の朝刊にも、2万ドル以上の模合金を横領したとして、別の40代女性が那覇署に逮捕された記事も掲載されている。
復帰前というから、沖縄の通貨はドル。県外へ行くにはパスポートが必要な時代ですよね〜。2万ドルというと当時は家が建ったというからかなりの大金です。戦後は、金融機関の発達が遅れ全県的に広がった模合ですが、71年当時に県内での模合金が総額1千万ドル以上ということで、今の数百億円以上というから驚きです。
模合帳&模合アプリ
そんな大金なので、もちろん管理するための帳簿なるものが必要です。それぞれに会計(だいたいは、メンバーの中でも堅実で誠実そうな方が専任されます)が、帳簿をつけています。まさに地域限定版の模合帳なるものもあります。
もしかしたらアプリなんてのもあるのかな?と思って調べてみたら、ありました!!「moaiPAY 」いやあ、さすがだわ〜
もはやキャッシュレスですね。複数管理できるというから、お互いの負担感も減りますね。
この模合文化も戦後50年を経て、コロナ禍でまた新たなカタチに変わるかもやしれません。カタチ変えても、失わないでほしい相互扶助のお互いが繋がり合う場は残っていてほしいものですね。
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