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かけちがったボタンをかけ直す

相手を責める言葉しかでてこない、できないことの理由を並べるだけ、建設的な議論にならない...問題や課題解決の場を設定したにも関わらず、議論は堂々巡りどころか分裂の危機さえ感じてどうしてよいかわからない。そんなご相談がありました。その原因もほんの些細なことから、長年蓄積された手垢が貯まったものまでいろいろあり一緒くたにはできませんが、かけちがったボタンをもとに戻す一つの方法について綴ってまいります。

コロナ禍が加速させた関係性の分断

私たちは、ほんの些細なことでボタンをかけ違うようです。例えば、表情やしぐさ、声色や語尾という人によってはスルーしかねないような非言語情報からであり、選んだ言葉そのものであったり。ちょっとズレたかな?と気づいてもそのまま放置してしまうと、とんでもないほど膨れ上がり修復の可否さえ問われぬことに。

またこのコロナ禍で気づかなかった、もしくはかろうじて繋がっていた関係性が、リモートワークやデスクとの間に挟まれたアクリルボードやビニールシートに積極的な関わりを阻む存在も大きく影響されているでしょう。会食などを通じて、リラックスした雰囲気だからこそ補えてたものが、機会さえ失ってしまった状況がさらに後押ししたかもしれません。コロナ禍で加速したものの一つが関係性の分断ではないでしょうか。

かけちがったボタンをかけ直す

かけちがったボタン、いわゆる分断された関係性を放っておくと組織の崩壊を招きかねません。気づいたらできるだけ早くかけ直す作業に取り掛かることをオススメします。
そのための手順としては、大きく4つのステップです。

1.ひとまず吐き出させる
2.改善の意志を確認する
3.ゴール・上位目標を確認する
4.行動計画をたてる

ステップ1.ひとまず吐き出させる

それぞれのボタンの掛け違いに至ったであろう理由、いわゆるストーリーを思いつくままに、または順序立てて聴いていきます。ここは徹底的な承認と傾聴のステージで、安全な場所で今感じていることを吐き出してもらいます。

ここでのポイントは、吐き出すための安全な場であることです。建設的な議論をする上では、相手への経緯と配慮が前提となりますが、吐き出しのための時間は、自己開示しやすいように場を整えていくことです。我慢しては長続きしないからです。

ステップ2.改善の意志を確認する

吐き出させた後の最初の意思確認です。この問題は「自分ごと」として捉えているのか、そして、その状況を自身として改善する意志があるかどうかということです。ここで、改善の意志がない場合には次に進むことが難しいです。他責思考では、この課題は解決しないからです。

ここでのポイントは、この状況になった原因の一つに多かれ少なかれ自分も関与していることが背景にあることを気づかせることです。そして、自分がそのカギを握っていることを伝えることです。

ステップ3.上位目標を確認する

改善の意志が確認できたら、次は具体的な改善方法といきたいところですが、その前に改めてここで目指すゴール、目の前の問題や課題を解決した先に目指すものを確認していきます。戦略や手段の前に、そもそも何を、どこを目指しているのかが一致すると視点や視座が落ち着いてきます。

ここでのポイントは、一歩先ではなく、少し遠くの最終型のゴールのビジョンを描くことです。目先のことに振り回されすぎて以外に見えなくなっている場合は多いですし、ここに立ち返ることで行動への主体性を促すことにもつながります。

ステップ4.行動計画を立てる

上位目標がみ定まったら行動計画を立てていきます。そのゴールに向かって現在地がどんな状況か、どのルートを通るのか、そのための行動をできるだけ多く書き出すといいでしょう。自分のコントロールできる領域のことをできるだけ多くです。

ここでのポイントは、やるべきことはもちろん、そのために避けること、やらないことを決めていくのも大事です。かけちがったボタンは、月日を重ねると、よりかけ直すのに時間を要していきます。気づいた時に、トライしてみてくださいね。

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