見出し画像

沖縄あれこれ:トゥシビー

今年は丑年、実はわたしの生まれ年なのです。10年前にはたしか「乳牛から闘牛になります!」みたいな宣言をしたなあ:笑。
沖縄では、その12年ごとに回ってくる干支に「トゥシビー」といって厄除けやお祝いをするんですよ。今は昔ほど親戚中集めて盛大に祝うことはかなり少なくなっていますが、ある意味の節目として意識しているようです。干支の丑年とトゥシビーのことを綴ってまいります。

丑のあれこれ

十二支では2番目の牛。十二支にまつわるお話では、神様が動物たちを競わせて先着12位までに1年をあてるという。牛は歩くのが遅いので早めにスタートするといいと賢いねずみさん入れ知恵され、ゴール直前にねずみさんにトップをとられちゃう。なんともクスっとしちゃう話ですよね。

「丑」という字の意味は、つかむ、からむ

「丑」という字は、手の指を曲げて物を握る様子を表した象形文字で、つかむ、からむという意味があります。糸へんに丑と書く「紐」にその意がうかがえます。

紐といえば「結ぶ」と続きそうですが、つかむ、からむ。Twitterはじめからむの私は大好きだな〜とへんに納得しますね。いろんなご縁をつかんで、からんで生み出していけるといいなと思っています。

また十二支は、もともと植物が循環する様子を表しているようです。

丑は十二支の2番目で、子年に蒔いた種が芽を出して成長する時期とされています。丑年には、先を急がず目前のことを着実に進めることが将来の成功につながっていくといわれています。

コロナ禍で日常的にマスク着用、蜜を避けて、アルコール消毒...私達の生活における当たり前が随分と変わりました。まだ続く制限多い生活の中、焦りや苛立ち、ストレスを溜めて身動きがとれずにおられる方も多いでしょう。牛歩の歩み、今年2021年の丑年はやはり先を急がず、目の前を、今を着実にコツコツと積み上げる一年を過ごす方が成功への道となりそうです。

トゥシビーって何?

画像1


ところで、沖縄では自分の干支である生まれ年のことをトゥシビー(発音できるかな?)と呼び、ヒヌカン(火の神)やお仏壇に厄払いをしたり、厄を払うお祝いをするんです。

沖縄では、12年ごとに巡ってくる生まれた干支の年が厄年とされ災難にかかりやすいと考えられています。厄年を切り抜けていくために火の神や仏壇に祈願をします。また、自分一人の力では厄落としができないとされ、多くの人の力を借りるために、親戚や来客者を招いてご馳走を出し、祝いの心で厄を落とします。数え歳の13歳、25歳、37歳、49歳、61歳、73歳、85歳、97歳に生年祝い(トゥシビー)を行います。


また沖縄では「数え年」というカウントの仕方があります。これは、生まれた歳が1歳とカウントされます。つまり通常使っている年齢よりは、1歳多くカウントされるんですよ。お腹の中で0歳、生まれたら1歳ですね。昔はよくおばあちゃん達とは、「数え7歳、満6歳」なんて2つの歳を言っていたことを思いだします。今は1歳といわず減らしてカウントしたいお年頃になりましたが:笑。

最初のトゥシビー祝は、12歳いわゆる数え年の13歳で「十三祝い」といって親戚集めて盛大にお祝いしました。私の頃までかろうじてお祝いしていました。昔は女の子は13歳を迎えると結婚できる年齢にもなるとのことで「十三祝い」が家族でやる最後のお祝いとして盛大に祝っていたようです。今では晴れ着(着物やドレス)を着て撮影のみするという感じでしょうか。

その後還暦となる満60歳の数え年61歳。昔はこの年令から長寿とみなされていたので、やはり盛大に祝っていたんですよね。それ以降の節目にお祝いををしていました。特に長寿も超長寿?97歳。ご本人の健康長寿をあやかり「カジマヤー」といって盛大に祝いします。10年くらい前は、風車を飾ったオープンカーに、紅型の着物で綺麗に着飾ったおばあやおじいを乗せて、地域内を回って地域全体でお祝いをしたものです。最近はもう身内だけかなあ。

いろいろあった行事も、時代の変化そして寿命が伸びて概念が変わり、なくなるものも多いですが、それに込められた思いなどは受け継いでいきたいなあと思っています。

今回わたしは、トゥシビーといっても特にお祝いをするのではなく、ヒヌカンやお仏壇にお供えをして命の繋がりを感謝していきます。







よろしければぜひサポートをお願いします! これを励みにより価値ある、ためになるそして笑顔溢れる発信に心を配って参ります。