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「言葉にする」は勇気づける

長年一緒に仕事をしているから大丈夫、ちゃんと言ったからわかっているはず、いつものことだから問題ない...自分があたり前に思っていることは、つい相手にもそれを求めてしまう傾向があるようです。だからこそ、改めて「言葉にする」は単なる理解を超えて、勇気づけにもつながるについて綴ってまいります。

言葉にしないことがパフォーマンスの低下につながる

新年度がスタートして間もなく2ヶ月。相変わらずのコロナ禍で、ここ沖縄でもまたしても緊急事態宣言が発令されようとしています。様々な制限が長引くなか、様々な業種や業界でダメージを受けていますが、エッセンシャルワーカーと言われる生活に必要な職種である保育士も相当なストレスを抱えています。

新年度といえば、こども達は学年や担任も変わったりと保育環境に慣れる大事な時期。その上、検温・体調チェックや消毒などの業務が加わり余裕がないとのことで、だいたいは理解できているだろうと朝のミーティングの時間を削り、まずはこども達との信頼関係づくりを!と優先したようです。その選択は良かったのですが、そのうちにミーティングの声かけそのものを遠慮してしまい、感染症含め新園児の共有事項の情報共有の場を失ったようです。最終的には保護者から職員間の情報共有が成されてないことへのクレームにつながったとのことでした。

また、家庭の事情でやむなく勤務形態の特例変更を認めたことについて、本人とその直近の上司のみしか知られておらず、今までなかった固定勤務に対して他保育士から不満がでてきたようです。いずれも、わかっているだろう、わかってくれるだろうと勝手な想像と相手の理解への期待に甘えたよくない結果となったようです。

言葉にしなかったことで、変な誤解やクレームを増長させ、結果的に互いの関係性だけでなくチームのパフォーマンスを下げる結果にもつながってしまっています。

まずは関係づくりから

当初は、職員のパフォーマンスが全体的に低下している傾向があり、そのメンタルケアをしてほしい、そんな依頼でした。ヒヤリングを重ねるうちに、上記のことが浮かび上がったので、メンタルケアにもつながる、それぞれの想いを気持ちを言葉にする、それを認め受け入れる関係づくりにフォーカスした研修を設計しました。

長く時間を過ごしているからといって相手の趣味や好きなアーティストなどといったプライベートを知っている人はそう多くはないようです。仕事上での関わりがあれば会話を交わすものの、そうでない相手には深入りせず面倒くさいことに巻き込まれないようにと殻に入る人もしばし。

そのため、普段なかなかコミュニケーションをとらない人や質問を通して関係性を深める、また新たな一面や共通項を探し距離を縮める時間にフォーカスしていきました。

言葉にするは勇気づけられる

勤務終了後の適度な疲れが見え隠れする状態でしたが、身体をほぐしながら関係づくりをし、今年度のチームの目標を設定する時間を持ちました。

「普段、顔を合わせている先生の知らなかった一面を知れたり、この研修がなければ言うことがなかったことを言えたり、他の先生が自分のことをどうおもっているか知る機会にもなり、恥ずかしかったけれど嬉しくて楽しかったです」
「常に心がけてはいますが、こども達を褒める、認めることプラス職員に対しても褒めて認めて、言葉にしていけたらいいなと思った」
「相手に関心を持ち、他者理解をしていきたい。目を合わせたり、挨拶をしたり、職員同士の声かけを心がけたい」
「日頃、関わりの少ない職員とも心が通じ合った気がします。

など、あえて言葉にすることで、皆さんがとてもエンパワメントされたようです。「言葉にする」は相手を勇気づける。ぜひ、勇気づけにつながる承認の言葉をかけていきましょう。




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