見出し画像

【書評】かがみの孤城~7人の不登校中学生に惹きつけられる傑作小説

この小説は、ミステリー?
それとも、ファンタジー?

カテゴリーはどちらでも良いけど、
後半はぐいぐい引き込まれた。

さまざまな事情があって
学校に行っていない
男女7人の中学生が
織りなすストーリー。

傑作だった。
すごくおもしろかった。

学校に行けないケースは
さまざまなんだなぁと感じた。

わが家にも不登校の中学生がいるけど、
よそのお子さんがどんな事情で学校に
行ってないのかなど、知る由もない。

そもそも不登校の保護者仲間が
できたのは、つい最近だし。

子どもが不登校だから、
学校に行かないから、
親どうしが知り合う機会なんて、
まずないのである。

だから、たくさんいるんだと思う。

孤立しているお母さん。

どうしたら良いかわからず
途方に暮れている親御さん。

世の中にたくさんいるんだろうなぁ。

私自身は、いじめとか不登校とは
無縁だったけど、中学生のときに
常に感じていた息苦しさを思い出した。

いつ誰がなんのために作ったか
わからないような理不尽に決まりに
縛られて、すごくきゅうくつだったなぁ。

小さな田舎町の中学校だったから、
感じの悪い上下関係もあった。

部活が同じでなければ、ちがう学年の人と
話すことなんて、ほぼなかった。

先生も親も、やたらと怒っていたような
記憶がある。

閉鎖的ですごく狭い世界に
私は生きていた。

そしてあのころは、
学校が人生のすべてだった。

でも、部活も行事もつまらなかった。
尊敬する先生も、特にいなかったなぁ。

勉強じたいは好きだったけど、
学校の授業はおもしろくなかった。

それでも、「学校に行かない」
という選択肢なんて、
考えたことはなかった。

そんな勇気はなかった。

親が優しかったら
考えたのだろうか?

それはわからない。

だから、「かがみの孤城」の
中学生たちが不登校なのは
すごいと思った。

時代がちがうから?

と思ったけど、そうでもない
ことが最後にわかった。

この本に出てくる中学生のように、
悲惨な現実を抱えている子もいるだろう。

それでも、生きるのをやめずに
とにかく生き続けること。

あなたたちの生きる先には、
必ず希望が待ち受けているんだよ

という強烈なメッセージを
この本から感じた。

そして、

困ったときは、逃げて良いんだよ。
周りに助けを求めて良いんだよ。
疲れたときは、歩くのをやめたって良いんだよ。

助けてもらえるまで助けを求めるんだよ。
あなたを助けてくれる人は、必ずいるからね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?