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【書評】ギフテッドのバイブル本

中2の息子が小学校時代にお世話になった先生がおすすめしてくれた本。ギフテッドのことを詳しく知りたい人には、迷わずこの本をおすすめする。

この本に出会ったきっかけ

今から5カ月ほど前のある日、恩師から1通の手紙が届いた。その手紙には、私たち両親にとって驚くべきことが書かれていた。

私の個性的な息子がギフテッド児の傾向を持っているようだということ。その根拠が書かれている興味深いレポートが、同封されていた。

息子の特徴としては、物づくりが大好き、意思が強くて自分の意見を持っている、学校での違和感を敏感に感じ取る、よって不登校である。

息子の「問題行動」は持って生まれた「性質」であって、それらは「個性」であるということが、目から鱗だった。息子のことを肯定してもらえたような気がしてうれしかった。

なによりも、私の息子が小学校を卒業しA先生が他校へ異動された後も、息子のことを気にかけてくれていたこと、息子の幸せを望んでくれていることが、とてもうれしかった。

A先生がギフテッドについて学ぶきっかけになった1冊の本、それが「わが子がギフティッドかもしれないと思ったら」だった。

A先生は、どんな子どもも学校で安心して過ごせるようにという願いのもと、教員どうしの学びのグループでギフテッドについて学んでいるそうだった。

こんな先生が息子の中学校にいてくれたなら、そう思わずにいられなかった。

それ以来、私の「ギフテッドとは?」を探る旅が始まった。

ネットでリサーチをしたり、スクールカウンセラーに相談したり、ギフテッドに関する書籍を5冊ほど読んでみた。

だけどこの本ほど、ギフテッドについてありとあらゆる情報が網羅されている本はなかった。

情報量が豊富で内容が濃厚だからこそ難解でもあった。毎日読み進めても、読了するのに1か月ほどかかった。

とにかく、素晴らしい本だった.

読む前に困っていたこと


私はギフテッドという言葉は知っていたけれど、ギフテッド=天才児と誤解していた。

ギフテッドの傾向を持つ子どもが数%の確率で存在する(どのクラスにも数人はいる)ということも、知らなかった。

ギフテッドと呼ばれる人たちが抱えている困難、そして周りの人ができる配慮についても。

ギフテッド児への対応なんて、知るよしもなかった。だから、わが子に対して理解が足りず、自分の考えを押しつけてしまっていたこと、本人にとって苦しいことを強要していたいことなどを認識するきっかけになった。申し訳ないことをしていたんだなぁと。

読んで知ったこと

ギフテッド児は赤ちゃんのころに育てにくい子どもが多いようなことが書かれていた。

思い返してみたら、私の息子は生まれたその日からものすごいエネルギーを放っていて、いわゆる育てにくい赤ちゃんだった。

比較対象の弟が生まれた時に、子育てって、こんなに楽で楽しいものなのかと思ったものだ。

ギフテッド児の息子が、どんな赤ちゃんだったのか?

・「泣く」「飲む」「出す」どんな動作でもスケールが大きかった

・日に20回ほど授乳、20回ほど排泄(大きい方)していた

・授乳中の私は毎食、山盛り3杯のごはんを食べていたけれど、それでもやせていった。生後7日目には、出産前の体重にもどり、生後1カ月後には出産前より【マイナス5キロ】になった

・0歳4カ月ぐらいの時には、「夕暮れ泣き」が続いていた。夕方になると、なぜか何をどうしても狂ったように泣き続ける、2時間も!それがしばらく続いて、私は気が狂いそうだった。

・言葉を話し始めた時期は遅かったけれど、イメージしたものを言語化したり、形にする能力に長けていた

・幼い時から、物づくりが大好きだった。牛乳パックの空き箱などを利用して、毎日のように物づくりばかりしていた。

・レゴや立体ブロックなどを組み立てるのが大好きで、ものすごい集中力で取り組んでいた。

まずは現場の先生に知ってほしい

ギフテッド児の定義を知っている人は、とても少ないと思う。教育現場にいる先生でさえ。

「ギフテッド児って、天才なんでしょ?以上です。」という認識の人が多いのではないだろうか?

最も大切なのは、ギフテッド児は得意/不得意がアンバランスなデコボコ人間であること、それゆえに、周りの人の理解や配慮が欠かせないということ。

つまり、ギフテッド児には「配慮」が必要なのである。

人的資源等の都合上、生徒一人一人に配慮するのは、現在の教育現場では難しいとは思う。それでも、ギフテッド児や発達障害児に配慮することは、すべての児童、あらゆる人を尊重することにつながるのだと思う。

大人が決めた、もしくは昔からある枠にはめることなく、一人一人の個性を尊重し、能力を伸ばしてあげられる社会を創っていけたらと願っている。


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