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怒りの正体1:自己否定からの怒り

怒るのは、大切にしているものが阻害されるから

怒りは、自分が何かを悲しく思い、それに反応して生じる感情です。
怒りには大きく分けて3つの種類があります。

  1. 自己否定からの怒り

  2. 大切なものを傷つけられた怒り

  3. 大切な人を傷つけられた怒り

まず1.からお話ししていきましょう。


自己否定からの怒り

自分についての怒りは、自己否定からの怒りが多いです。意外と思うかもしれませんが、感情は、実は私たちの内面にある価値観や期待と深く結びついています。自己否定からの怒りは、自分自身に対する高すぎる期待や理想像との乖離(かいり)から生まれることが多いのです。

「自分はこれができない。だから自分には価値がない」
実は、自分ができないことと自分の価値は全く関係ありません。でも、時々「自分にはこれができない」と思うと、「自分には価値がない」と勘違いしてしまうことがあります。これは、私たちの心の中にある古い考え方(こうあるべき)というルールから来ています。

このような考え方を信じて物事を見るようになると、どんな場面でも「自分には価値がない」という理由を探してしまい、何を言われても「自分には価値がない」というフィルターを通って聴こえてしまうので、どんどん落ち込んでしまいます。

自信を失わせ、自分の可能性を制限してしまう危険があります。
だから、自分の能力と自分の価値は別物だと理解することがとても大切です。能力は練習によって上げられますが、それは能力の良し悪しではなく「自分の努力」=「行動」です。
それとは別に、私たち一人一人にはもともと大切な価値があるのです。

子どもの心の傷に気づこう

子どもの心は傷つきやすいものです。
大人になるということは、自分の中にある子どもの心を認めることです。そうすることで、徐々に成長していきます。

大人として成長する第一条件は、自分を責めないことです。
「心が弱い」という言葉をよく聞きますが、これは正しくありません。自分を責めるのは、自分が悪いと思っているからです。そのため、苦しみを感じると避けたくなります。

大人になると、他人から批判されても、自分が大丈夫だと思えれば、その人と距離を置く必要はありません。つまり、批判された人から離れたくなるのは、その人を見ると自分で自分を否定してしまうからなのです。
誰かから批判されても、否定している人を見てその人の考え方の1つだと思い、自分を否定しなければ、うまく付き合えることが多いのです。

自分に「悪い」意味づけをし、それを信じることが傷つきの原因

不快な経験をして嫌だと感じるのは自然な反応です。
問題は、そこに
「自分が悪いから」
「自分には価値がないから」
という意味づけを加えてしまうことです。

では、どうすればよいでしょうか。
答えは、自分で自分に寄り添うことです。
「そうだったんだね、嫌な経験だったね」と自分に声をかけ、寄り添うことを習慣にしていけば、自分がどのようなことを嫌だと感じるのか理解できるようになります。

そもそも感情に良し悪しはないのです。
このように自分の心の動きを客観的に観察していくと、ある時、嫌だと思った出来事が感謝の対象に変わることもあります。立場や角度を変えて出来事を見られるようになることは、心の成長の証です。

思考の枠を壊すリフレーム

物事の見方を変えることを「リフレーム」といいます。リフレームを使うと、同じ状況でも違う角度から見ることができるようになります。
例えば、「失敗」を「学ぶチャンス」として見ることで、その経験から成長できます。

物事を多くの視点から見られるようになることは、心が成長した証です。心が成長すると、自然にこのように見られるようになるのですが、はじめから多角的に見る練習をすることで、多角的に見る回路を脳に作ってもらいます。

この能力は、特に困難な状況で役立ちます。多くの視点を持つことで、新しい解決方法を見つけたり、ストレスを減らしたりできます。
「失敗」を「学ぶチャンス」として見ることは、失敗から学ぶことです。次に同じような状況になったときに、失敗したことよりも、何を学んだかによりフォーカスしやすくなります。また、「批判」を「役立つアドバイス」と捉えることで、批判されたダメな自分から、自分の行動の何が効果的でなかったのか等と自分を改善するチャンスにできます。このように、リフレームは、自分の能力ではなく、自分の行動を見て、行動を変えることがメインになります。つまり思考の幅を広げることができるのです。

物事の見方を柔軟に変えられるようになると、自分を責めることなく自己省察し、自分の価値観に基づいて必要なものを選択できるようになっていきます。

「自分は悪い」という感覚から解放されていくと、人と会うことへの恐れも薄れていきます。自分を必要以上に守る必要がなくなり、嫌だと感じたことを正直に伝えられるようになっていくのです。

毒親持ちの人や悪意のある人たちによって辛い経験をした人は、自分を守ろうとする傾向があります。これは自然な反応ですが、長い目で見ると成長の妨げになることがあります。危険を感じると、攻撃的になったり、過度に自分を守ろうとしたりします。これらの行動は一時的に安心できるかもしれませんが、その都度、戦闘モードになるために、自分の先入観に左右されてしまいます。

他人の言動より、自分の内面に目を向けてみませんか。これは他人を無視することではありません。むしろ、自分の感情や反応を理解し、コントロールする力を育てることです。この能力を高めることで、周りの出来事に対してより柔軟に、そして建設的に対応できるようになります。

経験を生かして成長し、新しい状況に適応する力を育てることで、より充実した人生を送ることができます。
自分を過度に守る生き方から脱却していきましょう。

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