それをしてしまう理由(5)
迷惑をかけたと思わない自分
NLPを学び始めた同じ時期に、自分がピティナ・ステップというピアノ指導者協会のピアノのステージに初出場した時のことです。
私のピアノ教室の子どもの生徒さんがピティナに出場することになりました。私も付き添う予定だったので、良い機会だと思い、自分も出場することにしました。しかし、生徒さんは午前中の部で、私はその日の最後の部に出場することが決まりました。
日曜日の1日、私は家を空けなければいけませんでした。その時、私は家族に迷惑をかけるとは全く思いませんでした。
前もって夫には伝えていたし、食事の用意もできないので、適当にお願い、と、まったく平気でいられました。
NLPを学びに行く時はとても申し訳ない気持ちでいっぱいなのに、ピアノで出かける時は本当に気軽に出かけられたのです。
この違いは何なのか?と気づいていたのですが、その時はわかりませんでした。しかしそれを考えていくと、こういうことでした。
依存のすげ替え
◆NLPの勉強・・・私の自立につながる。私の自立につながるものは母から反対されるので「言わない」
◆ピアノのステージ・・・私がピアノをやることは(母にとって)都合の良いこと=(私を放置しておくことができる)。つまり、私がピアノを弾くことは(母に対して)脅威にはならない。
母に対して気にしていたはずのことが、夫にスライドして、夫の目や夫の評価を気にしていたのです。
依存対象が母から夫に変わっていたことで、私の自立を夫が反対していると思い込んでいたのです。
相談しなかったほんとうの理由
私が夫に相談ができなかったのは、一人で自由を満喫したかったこともありますが、夫に相談してしまうと夫(もとは母)に反対されてしまう(と思い込んでいた)ので、その気持ちを感じないような行動をしていたのです。また、相談することで自分の選択を否定されるのが怖かったということもあります。
夫から反対されるというバイアスは、元は母からのメッセージである
私は自立をしてはいけない
だったのです。
このメッセージは私の心の中に深く根付いていました。そのため、何か新しいことを始めようとするたびに、無意識のうちにこのメッセージが私を縛っていたのです。
私はこの後に、NLPのマネークリニックというワークショップにどうしても行きたくて、前もって相談する、という行動を選択しました。これは私にとって大きな一歩でした。なぜなら、相談することで自分の意思(マネークリニックに参加したいという強い希望)を尊重するという行動を表現することができたからです。
連続して2日家を空けることになるので、さすがに夫に迷惑をかける、と思いました。しかし、この決断を通じて、夫とのコミュニケーションの重要性や、自分の気持ちを正直に伝えることの大切さを学びました。そして、夫も私の気持ちを理解してくれ、協力してくれたのです。
夫は私の存在を消した
思い切って、夫に自分の気持ちを伝えました。しかし、夫は私の目を見ずに、子どもたちに向かって
「ママは勝手だよね」
と冷たく言い放ったのです。
私はその瞬間、夫に話しかけているのに、夫はまるで私がそこにいないかのように振る舞い、私という存在をその場から消してしまったのです。
私はとても寂しい気持ちに包まれながら、心の中で孤独を感じつつ、マネークリニックに出かけることにしました。その道中でも、夫の言葉が頭から離れず、ますます孤独感が募っていました。
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