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秋空の道 

知らない場所に行きたくなった。

知らない駅、知らないバス停を乗り継いでいく。

なんとなくこの場所に来ていた。

目的はない。

まだ暑いけど、秋の気配はする。

なんだか懐かしいような田舎の景色。田舎の匂い。

黄金色になり始めた稲穂の海。

波のように大きく風になびいている。

遠くの山は薄く霞んで見える。

こんなに空は広かったんだ。  背伸びしたい。

秋の雲が空に群れ飛ぶ。

雲の大編隊だ。

秋の空には繊細な雲が多くなる。

真夏の厳しい暑さに対抗できるのはたくましい入道雲くらいだから。

そうか、私はこの広い空と秋雲が見たかったんだ。

都会だと、ビルが多くて空が切り刻まれてしまう。

ひばりかな?遠くで鳥の鳴き声がする。

初秋の空と田園の空気を堪能したら、なんだかおにぎりが食べたくなった。


稲穂が微笑んでいるようだ。




絵 マシュー・カサイ「秋空の道」水彩・鉛筆




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