椎名林檎の少女性をただただ絶賛してみる。
20代の頃に聴きこんだ林檎姐さんの歌を最近また聴きだす。
CD処分してなくて良かった。
(今はネットが当たり前の時代だが当時はダウンロードして聴くなんてことはなくCDから聴いていた。PCも持ってなかったし。)
ソロ2枚と東京事変2枚。
コアなファンではなかったが、ファーストアルバムを聴いたときは衝撃で
東京事変になってからもカッコよかった。
林檎ちゃんはソロになったりコラボしたりバンド組んだり解散したり
形を変えながら、音楽性も様々に変容し進化し続けている。
根っからの音楽家だなぁと思う。
私は彼女の、少女性をあらわした痛々しいロックな音楽に惚れているので
そこらへんが如実な初期のアルバムがどうしても大好きだ。
なので、セクシー姉さんアンニュイ姉さん昭和歌謡な姉さんは好まず・・・
そっちに林檎姐さんがいってるときは全く聴いてない(-_-;)
林檎ちゃんはいろいろな顔をもっているのでそこは全く否定しない。
ただ単に私の好みで
目線の先に10代半ばの少女を追っているような、そして学校や家庭で居場所を失って、でも表面は取り繕って生きている少女に寄り添っているような、そんな歌がたまらなく好きで
また彼女が掻き鳴らすギターと、ギターのキリキリした音のような声が
歌にピッタリでまったく痛々しい。
少女の心情そのもののよう。
武器はナイフではなくエレキギターだ。
フォークギターではダメだ。アコースティックもダメだ。
エレキでないと、声と歌と、全てとマッチしないのだ。
はぁはぁ、熱く一気に話したぞ。
最近、自分事で無性に聴きたくなってしまいCDごそごそ、PCでライブ動画やMVを観てまた新たに感動した。
20年以上前の歌が今こんなにも新鮮に聴ける。凄い。
まず彼女が書く詞は独特なのだがこんなにも文学的に少女の気持ちを描けていることに震えた。出だしから印象的だ。
「正しい街」
あの日飛び出した此の街と君が正しかったのにね
林檎ちゃんがキリキリとした声で、でも伸びやかに歌う。
「虚言症」
しかし何故にこんなにも眼が乾く気がするのかしらね
(中略)そして何故に雨や人波にも傷付くのかしらね
あーーーーーーこの出だし好きすぎる🥲
「群青日和」
新宿は豪雨 あなた何処へやら 今日が青く冷えてゆく東京
戦略は皆無 あたし何処へやら 脳が水滴を奪って乾く
めちゃくちゃにかっこいい。
彼女の魅力を最大限にあらわされているMVである。
ちなみにカラオケにもこの映像なのでめちゃくちゃテンションが上がるのだ。
これらの歌にあるように、椎名林檎の歌に「カワイイ」というありがちな少女性はない。
そこがイイ。
私が思う少女性には「毒」が絶対に必要不可欠である。
「残酷さ」だったり「攻撃性」だったり・・・
そこに一瞬の「危うさ」が加味されなければならない。
(カワイイが行き過ぎるとある意味毒にもなるが)
その「毒」をエレキギターで表現する林檎ちゃんが最高に刺さるのである。
「虚言症」だの「依存症」だの「ここでキスして。」だの
メンヘラか???と思われそうな歌が大半だが
少女というものはメンヘラなのである。
メンヘラ上等!!
メンヘラでない少女はお呼びでない。
少女は悲劇のヒロインにならなければ
生きていけないのである。
それが他人からみたらどんなけ些細なことであろうとも。
これが私の思う少女性。
そこで「虚言症」では
林檎ちゃんが「大丈夫」「大丈夫」と何度も歌ってくれる。
「例えば少女があたしを憎むようなことがあっても
摩れた眼の行く先を探り当てる気などまるで無い」
理由など聞かない。
それでも
「無理矢理に繕ってみたりしないでも大丈夫
いま君の為に歌うことだって出来る」
と歌ってくれる。
大丈夫じゃないのに、大丈夫と言う
女の子の為に。
この歌でどんなに多くの少女が救われただろうと思う。
すでに20代も過ぎ40代も終わりそうな私も涙する。
私の中の17歳が泣いている。
メンヘラの中に輝く、痛々しいまでのガラスの宝石のような音楽が何歳になっても刺さってくるのである。
ひとつ、脱線。
大好きな映画の一つ
「害虫」宮崎あおい主演。最高に少女性が表現されている映画である。
20年以上前の映画だが何故か今予告編上がってる???
また観たいなー