230916所感

「「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。そして右腕を肩からはずすと、それを左手に持って私の膝においた。」
ー「片腕」川端康成

某ナントカ賞を受賞した作品と同様、美麗で、そして鮮烈な一文で始まる。
耽美だとか、妖艶だとか、フェティッシュだとか、コケティッシュだとか。
偉い人たちが言っているのは聞いたことがあるけれど、自分ではよくわからない、そんな概念としての言葉。
あぁ、この感情こそが、まさにそれなんじゃないか、、と、感じられる作品。
その意味で、著者にとっての晩年の名作であり、私にとっての入門書。

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