ペンのさきっぽ

文系大学生ならではの感情や思いを綴っていきます。

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お困りごとボット

「あなたのお困りごと、多分売れますよ。」 こいつを何を言っているんだろうか。幻覚のように思えたけれど、そいつははっきりと僕の目の前に立っていた。 ーあなたのお困りごと、教えてください。死ぬなんてもったいないですよ。お金が。 こんな鬱陶しい励まし方をされたのは初めだ。1週間前、アマゾンで「それ」のために必要な物をひとしきり買った。3日前、「それ」のための注意事項を読み漁って万全の状態を整えた。そして、今日になって、やっと決心がついたのに、気が紛れる。 ―話しかけないでもら

    • 熱狂は人生に必要なのか?①

       高校時代の部活動の時のような、極端に大きい喜怒哀楽の幅はこれからの自分の人生にとって必要なのか。ふとそう思うときがある。  僕は高校時代は地元ではそこそこ有名な吹奏楽部で活動していた。そして、今思い返すと、どこか青春に酔っていて、だからこそ喜怒哀楽の幅が大きすぎる経験だった。  最後の定期演奏会、3年間一緒にやってきたメンバーと呼吸と音を合わせて演奏ができた心がとろけるような体験。何気ない昼休み、友達や同じ楽器の同期のメンバーとお腹が引きちぎれそうなぐらい笑ったこと。で

      • 主張と意見が「自慢」になっていないか

         自分の経験を何かカタチあるアイデアにしたい。誰かにアイデアという形で自分の想いを共有したい。その気持ちに従っていると、時に自分の主張や意見は、誰かを想ったものではなくて、自己満足の言葉になってしまう。  今までにない新しいナニカを作ろうと考えた時、常識から外れた視点が必要となるため、ある程度の「エゴ」は必要だ。しかし、考慮すべきは「今までにない」ということは、「今までにない」なりの理由があるという点だ。例えば、「労働力不足ならば遺伝子組み換えで人間と同じドローンを作ればい

        • 人生は暇つぶし

          人生は所詮暇つぶし。この言葉が不意に思い浮かんだ。  就活生の私は人生には何か目的が必要だと思っていた。だから、自己分析で自分の人生を解釈して、何とか目的を探して、その目的を自分の中にはめ込んでは、途中で違うように思えて、もう一度、人生を解釈し直す。そういうことを繰り返してきた。でも、腑と私は「目的」は必要ないのではないかと思った。私の持っている漠然とした抽象的な感覚的な欲求を、「目的」というあまりにも具体的すぎるものに落とし込むことはできないように思えるからだ。所詮、私は

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        お困りごとボット

          森のなか、ひとり。

          僕は一人で森を育てることが好きだった。のんびり、ゆっくりと、着実に、木を植えて、景色を作って、その中に迷い込んで、、。そこには僕ひとりしかいない。誰も入れようとしたこともなかった。 でも、僕は、自分の森を育てて、そこで何か発見することばかりに夢中になっていてはいけないことに気付いていた。本当の意味で外側にいる「他人」と世界を繋ごうとしない。何か目標を立てても、変化があっても、それはあくまでも森の中の話だから、僕の現実は何も変わらない。でも、森の外のことはわからないことが多く

          森のなか、ひとり。

          わたしのコンセプト

           わたしの生き方。コンセプト。今日までずっと探している。まだまだこれから、80年も生きるかもしれないのに。まだまだわからないことがたくさんあるのに、私のコンセプトを探している。途方もない。  結局、自分のコンセプトっていうのは、自分が今まで出会った現実のどれを信じるのかという話のようにも思えてくる。高校時代の部活で味わったあの喜怒哀楽の幅を「幸せ」と信じるのか。それとも、課外活動の中で出会ったあの自由な生き方を「幸せ」と信じるのか。絶え間ない自己成長の中で得られる安心感を「

          わたしのコンセプト

          ひとりごと

          自分と違っていい意味で適当なタイプに出会うと、なんかこいついいなって思う。高校の友達もそうや。嫌なことは嫌って言って、うっとうしいことはうっとうしいって言って。嫌いな人のことは嫌いって言って。そういう正直なやつっていいなって思う。今の私やったらちょっと嫌なことがあったらオブラートにつつむ。というか、嫌なことも嫌じゃないように脳みそが処理しようとする。「あいつは自分勝手でイライラする。たしかにそうやけど、でもな、、、、」って、倫理的に道徳的に正しい意見に脳内転換される。それがあ

          今さらバカみたいに

          今さらバカみたいに夢見がちな将来の夢ができた。モノとかに満たされなくても、人が幸せになれるような空間を作り出したいと思うようになった。それは高校生の時にふれたあの茶室のような情緒で、それはただそこで息を吸うだけで機械的でない生きている感覚が得られる空間で。そして、その空間にいると自分らしく地に足ついて生きる心地よさがわかるから、別にメイクとかでアピールしなくても自分らしさを大切にできる。そういう空間を作りたい。 今さらそういうことを思うようになった。自分には家族を大切にした

          今さらバカみたいに

          AIについての散文(直感の価値)

          |まとめ 1)AI(弱いAI)に代替されない人間ならではの価値とは   コミュニケーション能力・柔軟性・直観力であるといわれる。 2)クリエイターの仕事が生成AIによって奪われる等の予測がたてられる    中、直観に価値が見出されるのか否か。 3)人が価値を判断する軸は、それがもたらす効用だけではなく、ブランド    や共感を生むストーリーも含まれるため直感に価値は見出されうる。 ※でも、AIにブランドや共感を生むストーリーがないという保証はない。  ここに私の研究論文を書

          AIについての散文(直感の価値)

          私が美しさを感じるのは、人ひとりの人生の中にある燈火だ。ひとりの人の夢のカタチとしての小さなケーキ屋さん。小さな企業を支える師匠と弟子のような人と人との深い関係。ある人の喜怒哀楽のつまった偶然出会った絵画。その人の人生でしか描けない言葉つづられる本やエッセイ。 その美しさに感化され、挫折して、今私はここにいる。

          余白

          モヤモヤする気持ちが心の中にずっといて、そいつがどうしても胸から離れないときがある。自分の未来が見えないときがある。今だってわからないときがある。どんなに取り繕おうとしたって、結局、ボクは昔のボクの延長線上にいることに気が付く。人は変わる生き物なわけじゃなくて、積み重ねていく生き物なのだと自覚する。今でも夢で見る昔の光景。近所の住民しか使わないような道路でボール遊びをしたこと。ほんの少しのお小遣いをつかって手に入れたカードたちでデッキづくりをすることに夢中になっていたこと。一

          就喝

          僕は馴れ合いを仕事にしたいわけじゃない。目の前の人の「ありがとう」だけのためにがんばるわけでもない。ただ単に目の前の人に、自分に向き合って、何かをしていることに美しさを感じるから、頑張りたいんだ。できるとかできないとか、しなければならないとかしなくてもいい とかそういう言葉では還元できない美しさを体現したくて、生きているんだ。それは機械的ではなく自然的で。それはシンプルだけど浅くなくて、時間が詰まっている。効率とかお金とかが生きていく上で不可欠になってしまったこの時代でそうい

          熱狂

           人は弱い。自分が正しいことをしてきた。正しい道を歩んでいるんだ。そういう認識で、自分の世界観で生きていても、必ず「矛盾」が生じる。そして、僕たちはそのほころびを隠すようにきれいごとを記憶する。だから、昔、誰かをいじめたことがあるのも、いじめの傍観者であったことも、場の空気に覆われて何もできなかった自分も忘れてしまう。本当に「記憶にない」のだ。でも、もしそういう「矛盾」の記憶の地続きに今の自分が存在しなければならないとしたら、その記憶は「善い人生」を歩む足枷になるだろう。だっ

          熱狂

          桐村薫 僕は引っ込み思案で、人と話すのだって得意じゃない。いつも退屈そうな顔をしている父さんとも、いつも喧嘩ごしで話してくる兄さんとも、何を考えているか計りえない学校の友達とも関わるのが面倒だった。独りは耐えられないけれど、独りでいたい。そんな感情が僕の胸のずっと奥の部分を圧迫する。そんな僕を包んでくれたのはあのアーティストの「詞」だった。言葉にして伝えるなんて面倒なことはしたくなくて、だから、吐き出せない胸に詰まったこの感情をそっと救い上げてくれた。だから、僕はアーティス

          熱狂

          飯島さら  友達に誘われて見に行ったライブだったが案外楽しかった。ド迫力の生演奏で奏でられる熱狂的な音楽と心に訴えかけるような声で紡がれる悲壮歌。これらは酔ったような興奮を与えてくれた。でも、なんだか、違和感を感じる。熱気という鎧で覆われたからだの内側が冷たいような、今感じている興奮が偽物であるような感覚が頭によぎるのだ。だから、私はツイッターに流れてくる言葉を必死に追っている。  世間的に大学生は人生の春休みであるといわれている。実際、自分で使える「自由な時間」はたくさんあ