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レッスンにこれを持ってくるのを忘れる生徒

「ちょっと、聞いて!私ったら、今日ピアノのレッスンがあったのだけど、違う楽譜を持って行ってしまって、レッスン時間になって気がついたのよ。あわてて家に取りに帰ったわ。ショック!」

日本にいる友人からメッセージが。

自分がレッスンを受ける番になって、レッスンバッグから楽譜を取り出したら、なんと!表紙が同じだけど別の楽譜を持ってきていたのだそうだ。

表紙が同じ楽譜だから、それが今取り組んでいる曲の楽譜だと思い込んでいた。

たまたま、ピアノの譜面台に今取り組んでいる曲の楽譜とそうでない楽譜を並べておいてしまっていて、うっかり「今取り組んでいない曲」の方の楽譜をバッグに入れてしまったそうだ。

みんな人間だもんね、うっかり間違うことってあるよね。忘れ物をするってこともあるよね。

なんだけどね…

楽譜を忘れる生徒、楽器を忘れる生徒

友人の失敗談を聞いて、私は思い出してしまったのだ。私の生徒さんのことを。

私は、生徒さん宅に伺う出張レッスンが多かったが、自宅でもレッスンをしていた。(個人的には自宅に生徒さんに来ていただく方が嬉しい)

すると、結構頻繁に発生していたのだ、楽譜を持ってくるのを忘れる生徒。

大抵の教本は持っているので、生徒が「楽譜を忘れました!」というと仕方なく私の楽譜を貸していた。欠点は書き込みができないということなので、「宿題ノート」に注意点を箇条書きにして渡していた。

楽譜ならまだ良い。フルートの生徒の中には「楽器を持ってくるのを忘れました!」これも何回かあった。

これがチェロとかコントラバスとか、いや、そこまで大きくなくてもよい。ヴァイオリンとか言った、「他のバッグに入れることができない楽器」だと楽器をレッスンに持参するのを忘れる生徒はいないのではなかろうか。

その点、コンパクトでリュックサックの中に入れることのできるフルートは「バッグに楽器が入っている」つもりでレッスンにやって来たのだろう。

楽譜を忘れた場合より、楽器を忘れた場合の方が困るのだが、幸い、初心者用の楽器も持っていたので、楽器を貸してレッスンをしていた。

自宅で楽譜が行方不明になる生徒

出張レッスンなら生徒が忘れ物をしないから、問題がないのではないか?と思われるかもしれない。

現実はその逆だった。

出張レッスンに行くと、生徒が楽譜を探しているのだ。(練習をしていないのがバレバレ)

これは非常にまずい。流石に私はピアノ教本まで持ち歩いていない。

生徒が自宅で「私の楽譜、どこ〜?」と探し出すと、

  • 楽譜を見つけるまで探させる

  • 仕方ないから楽譜(教本)なしでできる練習をする

のどちらかになる。

ピアノレッスンの時間になってやっと楽譜を探し出すという生徒も問題だが、楽譜が見当たらない理由の一つが

  • 綺麗好きの親が(ここはドイツ。家の中だけは綺麗にしている家庭が多い)ピアノの楽譜をどこか子供の知らない場所に片付けてしまう

ということが頻繁にあるのだ。なぜピアノの上に置きっぱなしにできない?
(クリスマスやイースター前になると、ピアノの上は季節のものを飾る場所と化することもある)

発表会に楽譜を忘れる生徒

生徒にとって、生徒の家庭にとって、いかにピアノのレッスンの優先順位が低いかということを実感してしまう。

年に1回ほどの発表会をしていた時は、毎回1人は発表会会場に楽譜を持参するのを忘れる生徒が出現した。

「暗譜させれば?」と思われるかもしれない。
だが、あれだけ楽譜を持参することを忘れたり、自宅のどこに楽譜があるのかを忘れるのだ。

暗譜したら、暗譜したことを忘れそうだ。

それはともかく、あまりにも忘れ物をする生徒が多いので、発表会の時は私が「すべての生徒の楽譜」を用意して会場まで向かったのだ。

まあ、「ピアノの発表会」この存在自体を忘れられなかっただけ良かった、としよう。

いや、そういえば発表会の存在を忘れていたのか?前日に友人と大騒ぎをして、発表会当日は頭痛がしてキャンセルという生徒がいたなあ。


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