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【ピアノレッスン】読譜力があると強い!

ピアノのレッスンを25年続けて感じたことは

楽譜がすらすらと読める子は強い!(大人も)

今日はこれまでの経験から「やっぱり読譜力だ」と思うに至った生徒さんを紹介する。

ピアノを全く練習しないけれど楽譜が読めた生徒

小学1年生の時にレッスンを受け始め、高校を卒業するまで続けたP君。

彼は「あっぱれ!」というくらい練習をしなかった。ピアノに触れたのはレッスンの時だけ、という有様だった。

全く練習をしなかったのにピアノのレッスンがなんとか成り立っていたのは、P君が楽譜を読むことができたからだ。

楽譜が読める生徒だったから、レッスン中に課題になっていた曲をなんとか弾くことができた。初見で、だ。まあ、つっかえつっかえだが。

父親はP君が全く練習しないので、ピアノのレッスンを受けさせるのをやめようかと考えていたらしい。だが、母親が続けさせた。

そして、本人も「ピアノのレッスンをやめる」とは一度も言わなかったのだ。これにはいまだに驚いている。ただ、レッスン前によくトイレに駆け込んでいた。緊張はしたのだろう。

そんなP君であったが、彼が15歳の頃だっただろうか、ネットで映画音楽やらアニメの主題歌やらのピアノ楽譜を拾ってきた。

それまでやっていたピアノ教本(なにしろ練習をしないから、教本の曲が進まなかったのだ)の曲のレベルとは比較にならないくらい難しいアレンジの楽譜だった。

そう、バイエル教本(それも「上」)をやり終えた子が、いきなりショパンのエチュードに取り掛かるくらい、一気にハイレベルの曲を持ってきた。

「先生、この曲をレッスンで弾きたいんだけど」

こんなに難しい曲を大丈夫かな?練習しないと弾けるようにはならないぞ…

内心では心配だったが、「いいよ!じゃあ、今日からこの曲にする?」

・・・びっくりした。なんと、彼はすでにその曲を練習し始めていたのだ。
これまで全く練習をしてこなかった生徒が、自分からピアノをさらってきていたのだ。

それからというもの、あれよ、あれよとうまくなり、最後にはシャープが5個(ロ長調)も付いている曲も颯爽と弾きこなしてくれた。

その後、P君は大学に進学することになって、親元を離れ遠くに引っ越すことになったためにピアノレッスンを受けるのをやめてしまった。あれから2年が経過した。今頃どうしているのだろうか?ピアノを弾く機会はなくなったかもしれないが、元々音楽は大好きだったのだろう。

あれだけ楽譜が読めれば、今ピアノを弾いていなくても、またいつか弾くようになるのではないか、と思っている。

レッスンを続ける大人の生徒さんとすぐにやめてしまう大人の生徒さんの違い

私は大人の生徒さんも指導してきた。中には20年以上レッスンを受け続けている生徒さんもいる。

なのだが、多くの大人のピアノ初心者の生徒さんは数ヶ月でやめてしまう。

せっかくピアノのレッスンを受け始めたのに、すぐにやめてしまう生徒さんに共通しているのは

楽譜が読めない

ということだ。

10年、20年と続いている生徒さんも、ほとんどの人が家庭を持っていて、子供の世話もあり、そして仕事も持っている、という人だ。ピアノの練習時間はほとんど取れない。

だが、レッスンを細々とでも続けている生徒さんに共通しているのは、楽譜を読む基礎ができている、ということだ。

子供の頃に少しだけピアノをやった、すらすらとは弾けないけれど、楽譜を読むことはある程度出来る、という生徒さんだ。

子供でもそうだが、大人になってピアノを練習しようとする時、楽譜をすらすらと読めない人にとって読譜は非常に面倒なものだ。

面倒な勉強、面倒な作業。これでピアノの練習をしなくなってしまう人はとても多いのではないかと思う。

最近はレッスン関係の本は買わなくなってしまった。この本を買ってから数年経つ。目を通して同感だと思うことが多くて、いつかどこかでこの本を紹介しようと思いつつ、今日になってしまった。

ピアノをやめてしまっても、また大人になって「音楽をやりたいな」と思った時に読譜力はとても役に立つ。

子供のうちは「耳コピ」で何曲も弾けた子でも、大人になってからも耳コピでレパートリーを増やすのは大変だ。

楽譜が読めないとアンサンブル演奏にも差し支えるから、どんなに練習をしない子でも、せめて楽譜は読めるようにしてあげたい。

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