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言語化について思うこと

最近は言語化ブームと呼べるくらいに、言語化というキーワードが満ち溢れてますね。想いを表現することは大切ですが、何事にもメリットとデメリットがあるので、自分なりに考察して、言語化のデメリットに溺れないように気をつけたいと思います!


言語はシンボル

以前に地域連携について話し合う研修に参加したことがありました。地域連携がテーマになっていて、複数の訪問介護事業所が参加していたのですが、複数の事業所のサービス提供責任者の協議の中で、なかなか興味深いやり取りがあったのでとても印象に残っています。

A『地域連携を考える上で、医療との連携ばかりではなく、従来の連携が迅速になることも大切ですよね!例えばケアマネさんから新規の相談が来た時に、応じれるかどうかを迅速にお伝えできると良いですね!』

B『確かにそうですよね。こちらの返答が遅いとケアマネさんも困ってしまいますし、迅速にお伝えできないと別の訪問介護事業所を探したりと、ケアマネさんの業務を増やすことにもなりますしね!』

A『確かにそうですよね。訪問介護もケアマネさんも業務が多いので、迅速な返答が互いの業務量をスリム化させるって新しい視点かも!』

複数のサービス提供責任者が意気投合して話し合っている姿を微笑ましく見ていましたが、少し質問してみると意外なことが分かったんです。互いにキーワードとして挙げていた”迅速に伝える”という言語の意味がまったく違っていたんですね!Aさんは感覚的に3日以内というニュアンスを込めていましたが、Bさんはその電話内での返答というニュアンスで、表面的には同意見に見えますが、中身はまったく違う意見だったということです。

同じような光景が、これまでに経験した社内会議やカンファレンスでも繰り広げられて来ましたね。表面的な議論が成立しているように見えますが、言語に対する感覚が違うので、本当は噛み合ってないんです。ですから会議の場では協調された議論が進んだはずなのに、その後の実務においては不協和音になる。『約束が違う!』『あの部署は信用ができない!』と、”会議は仲良しで実務は不信感”というあるあるの現場が作られていきますね。

結局のところ言語はシンボルであって、その奥にある感覚の点検をしないと、かえって殺伐とした現場が作られたり、むしろ言語が争いの火種になることも多いので、本当に気を付けたいところです。

Yahooで言葉の誤解と検索してみたらこんな記事もありました。かなり衝撃的な記事ですね。記事は英語と日本語による誤訳ですが、同じ日本語であっても相手の言葉を解釈しているという点では本質的には同じなので、本当に気を付けたいところです。


言語のコピー機

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