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美輪明宏はなぜ作家たちにモテたのか?

寺山修司、三島由紀夫、そして…

戯曲の舞台化で、寺山修司と三島由紀夫が丸山(美輪)明宏の取り合いをしたというのは有名な話だ。
寺山が劇団天井桟敷の旗揚げで「青森県のせむし男」、続けて「毛皮のマリー」で先行すると、負けずと三島が「黒蜥蜴」の主演に抜擢した。
彼ら二人以外にも、吉行淳之介、野坂昭如、大江健三郎、中原淳一、遠藤周作などが丸山(美輪)の歌を聴きに足繫く銀巴里を訪れている。
どうして美輪は作家たちにモテたのか?
今回は、その謎に迫りたい。

石井好子はどうだったのか?

幅広い文化人と付き合いがあったのは、石井好子だ。
彼女の自叙伝を読むと、この人もこの人もと驚くくらい著名人が登場する。例えば、パリ時代には、画家の藤田嗣治(レオナール・フジタ)、彫刻家のジャコメッティ、作家のジャン・ジュネなどとの交流があった。パリに来た日本の作家たちも彼女に会いに来た。小林秀雄や今日出海、若き日の三島由紀夫もその一人だった。
ただ、日本に帰国してシャンソン歌手として本格的な活動をしてからは、作家が彼女に共同作業(今でいうコラボ)をオファーして来たと言う話は聞いたことが無いし、石井自身も自叙伝やエッセイにそんな話は一つも書いていない。
丸山(美輪)に有って、石井に無いものとは何か?
どうもその辺りが謎を解くヒントになるかもしれない。

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