シェア
高山チェル
2023年9月20日 17:32
南半球の小さな島の、ある輸入菓子卸の会社の前に、ボロボロの紫色の車が置かれていた。看板がわりに、人の背丈ほどの台に乗せられて。人々は、「ほら、あの、紫の車を過ぎてすぐ右に」というようにしばしば道の説明にも使われていた。 ある日、ハネムーンでその島を訪れたフランス人カップルが、島一周ツアーに参加して、バスの車窓から、ふとその車を見る。 え、と目が釘付けの旦那さん。 ツアー後慌てて夫婦はレン