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HJ文庫レビュー『TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話 1』

はじめに

 皆様、非っっっ常にお久しぶりとなります。細川カヲルです。近頃課題ラッシュに追われてまして投稿が滞りまくってしまい誠に申し訳ございませんでした。何なら読む方もかなりペースが落ちてしまっていて……え、でもSNSの方だとアニメとかゲーム関係で色々呟いてただろって? それを言われると何とも言えない……マジで遅くなてしまってごめんなさい!

 という訳でとても久しぶりに読書関係の記事をじっくり書きます。という訳で今回はHJ文庫の新刊レビューのお時間です。今回のタイトルは、『TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話』。タイトル&あらすじを見た感想だとこれ絶対自分のチョイスで買わなさそうだな~と思いました。私にとっても動画サイトはインフラ扱いだけどV系はほぼ見てないし身近じゃない。でもこういったジャンルのラノベも沢山出てるのもまた事実である。今回もまた、HJ文庫様のお導きの元新ジャンル開拓のお時間です!

あらすじ

 ブラック企業に身を置きながらもVTuberを愛する男性がいた。しかし、彼の体には限界が来ていて、推しの配信途中で意識を失ってしまう。

 次に目を覚ましたら女の子に転生していた。しかも、自身が経験した時間軸をこれから辿る子供として。となれば十数年後にはこの世界でもVTuberが流行る! そのことに気が付いた百合てぇてぇ勢の転生者、もとい夢見蓮華ゆめみれんげは理解する。そこから彼女は推しのVTuberとイチャイチャするため技術を磨く。

 そして念願のVTuberとなった蓮華。彼女はVTuber、花依琥珀はなよりこはくとして視聴者に宣言する。
「目標は所属ライバー全員を堕とすこと」
 彼女に降りかかるキャラ崩壊というトラブルに屈せず、彼女はライバーを堕としていく!

レビュータイム

レビュー① 夢に全力!

 少しあらすじが書き足りないきもしなくはないのですが、ここれで切り上げてレビューに入りましょう。あまり詳細に書いてもこれから読む人の楽しみがなくなりますもんね。

 という訳で本作の主人公は前世の記憶に起因して、VTuberという存在が世に生まれる前からVTuberを目指しています。推しとイチャイチャするために。こうして文章に書いてみると凄い方ですね。

 ですが、夢見さんの凄い所はVTuberを目指すにあたって滅茶苦茶努力してきた所です。作品のメインは配信なのでその訓練については少し語られる程度なのですが、その内容だけでも常人のそれじゃない。ギャグの合間でもふとした時に見せつけてくるのにも注目です。

 他にも配信時のキャラもしっかりと考えていたりと、一見ぶっ飛んだ主人公だけど好感が持てるシーンが多かった印象でした。

レビュー② 主人公も濃いけれど

 さてさてここまでは主人公について語ってきましたが、濃いのは彼女だけにはとどまりません。何なら夢見さんが所属するVTuber事務所のライバーはもれなく濃いです。どのくらい濃いかというと、事務所名が長すぎるせいでネットでついた会社の相性が「肥溜め」。その理由が「頭のおかしいアホと馬鹿しかいないから」(出典・同書p10)だという。さらに現社長もそういう路線の人しか採用してないという方針を掲げている。

 そういった影響もあってそれぞれのVTuberの個性は勿論、配信内容も唯一無二です。実際にどんな方がいるのかは読んでみてのお楽しみに。少なくともVTuberに疎い私ですら現実にそういう配信方針のライバーさんって実在するのだろうかと不思議に思う程です。

 また、この作品は視聴者のコメントも面白いです。何と言ったらいいのでしょうか、VTuberと視聴者の距離感が近く、ボケとツッコミのような感覚で会話として成立して、新たな笑いポイントが発生している感覚でしょうか。

レビュー③ たくさんコラボ!

 そんな癖つよ事務所の新人として活動を開始した花依。堕とすという目的のためにも他のVTuberとコラボ配信を行っていきます。同業者と絡んでいくのがメインなため、他のキャラクターとの絡みが沢山あるのも特徴です。それぞれの個性がぶつかり合う配信の展開は予測不可能です。

 しかし、絡むのは配信だけではございません。プライベートの交流も沢山です。ライバー同士の交流もあります。配信とは違った一面もあってお得。更には夢見さんの日常も目が離せませんでした。

さいごに

 普段自分でチョイスしないような要素の集合ということもあって、こちらの手元に届いた時には楽しく読めるか不安でした。でも、テンポの良さと、主人公を始めとした個性の強いキャラクター達、そして1巻の盛り上がりと色んなアレコレが目白押しで、最後まで楽しんで読むことができました。更には今後の展開に繋がるような謎もあったりと……刊行決定している2巻でどのように拾われるのか気になります。


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