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HJ文庫レビュー 『やがて黒幕へと至る最適解 1』

はじめに、並びにご挨拶

 初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。細川ほそかわ カヲルです。この度は再びHJ文庫公式レビュアープログラムのレビュアーとして選出されました。前回の時もそうでしたけど選ばれる事無いだろうなぁと思いながら応募してたんで連絡来た時滅茶苦茶びっくりしました。確かこれ人数制限ありましたよね? SNSでレビュアー様かなり見るし多そうなイメージあるんですけど実際の倍率ってどのくらいなんですかね? 私こういうので当選する事あんまり無いんでそういう事を考えてしまうレベルで動揺しておりました。

 それでは改めまして、今月も含め4か月の間、お付き合いよろしくお願いいたします。

 さてさて早速ですが5月刊のレビューを行っていきましょう。今回のレビューは『やがて黒幕へと至る最適解』です。これは読んだらハマる方多そうだなぁと踏んでたりもしてます、興味があれば是非ご一読を。


あらすじ

 かつて自分を救ってくれた主人アルテシア・アイゼンフットは病によりその生涯を終えた……しかしそれは真っ当な真実という訳ではなかった。その死から10年の時が経ち、全てを突き詰めたカルツはアルテシアが遺してくれた魔法により17年の時を『回帰』する。

 忘れられないあの日の思い出、助けてくれた彼女との出会い。この手を取ってカルツは従者となるのだ───そう、かつては。

 2度目の時においてカルツはそれを拒んだ。彼の目的はアルテシアが幸せに暮らすために未来で引き起こされた惨劇を裏で操る黒幕をも超える黒幕として暗躍するのだった。

レビュータイム

レビュー① この2周目、本気ガチすぎる!

 それでは詳しく見ていきましょう。まずは本題でもある『回帰』、分かりやすく言うなれば2周目要素についてです。あらすじとして流れで書くとややこしくなってしまったので時系列を一旦整理していきます。今回は物語序盤、第1話を現在とした基準で整理していきます。

  1. 17年前。カルツがアルテシアと出会い、従者となる。

  2. 10年前。病によりアルテシアがこの世を去る。

  3. 現在。カルツが『回帰』を開始し1の時系列へ。そこで彼女の誘いを断る。

 おそらくこれで合ってると思われます。間違ってたら申し訳ございません。

 ここで注目したいのは2と3の間です。何故ここで10年も開いているのでしょうか? 時間を戻す仕組みを開発したり発見している訳ではないのです。完璧な計画を進めるために様々な事を調べあげていたのです! 本気ガチすぎる……! ここまで入念に準備をして2周目スタートしてる人ってこういった要素がある世界線でもそうそう見ないですよ⁈ でも端々の回想で窺えるかつての関係性を想うと応援したくなるほどの忠誠心の高さです。

レビュー② 確実にキメて、でも派手に

 それではお次は暗躍パートで。と、その前にこの世界って過去に戻れるけど魔法とかってどうなってるんですか? という話を少し。まずは魔法についてですが、滅茶苦茶あります。作中のカギとなる時間関連は特殊な扱いになるのですが、王道の魔法から錬金術や呪詛まで様々な魔法がある事が判明してます。その上位の方が集まるシーンのワクワク感半端なかったなぁ……おっと閑話休題。

 一方我らが主人公カルツはと言うと、使う魔法は最初の『回帰』1度きり。しかし未来にて事前に調べ上げた知識を元手に対象をどちらかというと社会的な方面で攻めていきます。

 もしかして地道に行く系? と思った方少し待ってくだされ。そこに駒を進めるまでに突飛な手段があったりド派手なシーンもあったり、魔法がギミックとして作用したりと様々な要素が絡み合って脳内でイメージするのが楽しいラインナップとなっております。登場人物も各々キャラが立っていて、ちょっとした会話シーンにも目が離せません。

レビュー③ もしかするとダブルミーニングかもしれない

 最初に見た時は「?」となってしまうけど読んでいく内に「なるほどぉ~そういうことかぁ~」と読み手の心境が変化していくタイプの作品やっぱり好きだな~と思わされた本作。これは私の早とちりも含まれるのですが今回は特に意味が2重にあるように見えるなぁ~と思いました。

 他の人の目から見ればカルツは殆どの人が知らない情報を元に相手を追い詰めていくように見えます。そういった意味だと『やがて黒幕(陰に隠れた真犯人)へと至る最適解(どこからか入手した情報)』と解釈できます。

 しかしカルツ視点だと少し違ってきます。彼は新たな黒幕として暗躍してるわけですからそれを加味すると『やがて黒幕(自分の将来像)へと至る最適解(未来で練り上げた綿密な計画)』といった具合になるのでしょうか? 

 これは本当に私が勝手に思ったことなので間に受けないで欲しいのですが本当に興味深いタイトルだなと思ったのでこの場で書かせていただきました。

さいごに

 おそらく本題としてもまだまだこれからな本作(尚、続刊は決定している様です)。ですが1巻の時点でもとても面白い作品でした。これからどのような最適解が示されていくのか、登場人物達がどのような行動を取るのかが非常に気になってます。気になった方はぜひぜひ。

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