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2024年7月読了本・ポスト備忘録

※注意※

 この記事は7月に私がX(旧Twitter)に投稿した読了ポストに加筆・修正を加えたものとなります。ご了承ください。

はじめに

 もう夏になってしまいましたね。あっつい、熔けそう。でもこの暑さだから家でも躊躇なく家でもエアコンつけれるし、むしろ読書は捗っているのでは? と思わなくもない今日この頃。時々ネサフに熱中してることもありますけど……。

 しかも今月は色々ありましてね、この記事初出の感想もかなりあります。是非、いつもとは違う雰囲気をお楽しみに!


『凡人転生の努力無双 2 ~赤ちゃんの頃から努力してたらいつのまにか日本の未来を背負ってました~』

著者:シクラメン
イラスト:夕薙
出版社・レーベル:電撃文庫
読了ポスト日:7月1日

 ついに始まりました学校生活(小学校)! 世代的にも出身地域的にも文化の違いが感じ取れる場面が多かったのが個人的にジワジワ来てる。あとは今回出てきたモンスターがどいつもこいつも曲者揃い。強くなる以外の素朴な目標や、親子の関係性といったメインの戦い以外にも胸に来る部分が多かった。もうつよつよだけどまだまだ学ぶことも多くて成長の余地もあるのがまた良いんだよね。どういう応用をするのかも気になるし。

★『火の鳥 6 望郷編』

著者:手塚 治虫
出版社・レーベル:角川文庫
読了日:7月2日

 1つの星の興亡記って表現すると聞こえはいいのかもしれない。でもさ、起点と終点の出来事が出来事だけに「人の心ォ!」と叫ばずにはいられない。でもそんな状態で何とかしようという清らかな心があったから火の鳥は力を貸したんだろうね、だからあのラストが生まれたんだよね。やっぱ辛ーわ。しかもさ、描写的にこの話が別に歴史に刻まれたわけでも無しの扱いなのがさぁ、こう、報われないというか。感想で最初から最後まで叫ばずにはいられないぐらいのしんどさだった。

『浅倉さん、怪異です! 県庁シンレイ対策室・鳥の調査員』

著者:植原 翠
イラスト:ながべ
出版社・レーベル:角川文庫
読了ポスト日:7月3日

 兎に角怪異の不気味っぷりが凄い。これでもかという程恐怖心を高めてくるとは思わなかった。正体が良く分かってないのも相乗効果。特にあの序盤はヤバかった。対策室のメンバーの人柄やここにいる理由も個性豊かで会話パートにも目が離せない。動物の特徴を踏まえた謎解きは新しい豆知識に触れたような感覚もあって楽しかった。それにしてもこの作品の舞台ってかなり魔境なのでは……?

『青を欺く』

著者:三船 いずれ
イラスト:ぶーた
出版社・レーベル:MF文庫J
読了ポスト日:7月3日

 This is the SESYUN !! これに尽きる。キャラの素の可愛さは勿論の事、商業じゃない、自主製作だからこその熱意の高まりを肌で感じることができた物語。特に中盤以降のシーンで明かされるパートが胸アツ。現役の高校生もだけれど、個人的にはバイト先の店長さんもナイスな役回りだったと。でも皆よりも1学年下の雫が年上を振り回す姿が一際印象に残ってる。だからこそシリアスとのギャップが際立ってたと思う。

『青を欺く 2』

著者:三船 いずれ
イラスト:ぶーた
出版社・レーベル:MF文庫J
読了ポスト日:7月4日

 今回はプロとアマの違いとは何かというのが印象深かったように思う。前回の作品がきっかけで新たな縁が紡がれたり、そんな中でもやはり"夏"ッ! って部分が目白押しでエンジョイって意味合いでも青春してたな~。ギャグでもシリアスでも展開が読めず、しょっちゅう残りページを確認してドキドキしてた(笑)。まだ社会に出てないからこそできる突飛な未来予想図を語るシーンがヤバいぐらいに好きだった。今を楽しみつつも彼らがこれからをどう歩んでいくのか、期待に胸が膨らむ。

 ところで、続きありますよね?

★『火の鳥 7 乱世編(上)』

著者:手塚 治虫
出版社・レーベル:角川文庫
読了日:7月4日

 事前情報では源平合戦のお話って聞いたけど序盤読んでる感じだと同じ時代なだけで合戦はそこまで絡んでこない感じ? と思いながら読み進めてたら色々と繋がってきて「ああ~そうきたか~」と膝を打つしかなかった。それにしても所々でフリーダム過ぎないかこの乱世。時々時空の歪み発生してるような気がするんだけど⁈ でも、こういうネタは最近の作品ではあまり見ないから、これはこれで1周回って新鮮だったかもしれない。

★『火の鳥 8 乱世編(下)』

著者:手塚 治虫
出版社・レーベル:角川文庫
読了日:7月7日

 史実を踏まえつつ、それでいてオリジナリティもふんだんに。まさしく歴史創作モノの1つの在り方だなぁと感じさせられる長編でした。史実ではどうなるのかは分かっているけど、細部でズレが発生して見落としていた所で予想外を突き付ける。お馴染みの主従も普段は見ない解釈でずっとソワソワしっぱなしだったのも思い出深い。火の鳥の存在がそのスパイスになるのも中々に興味深い。でもこの編に関してはちょっと火の鳥本人(?)の反応が気になったりもする。

★『火の鳥 9 宇宙・生命編』

著者:手塚 治虫
出版社・レーベル:角川文庫
読了日:7月7日

 この巻は2本立て。前半の宇宙編はSFかと思いきやまさかのサスペンス仕様⁈ それにしても牧村さん、とても見違えましたね……。普段の漫画ではあまり見ないようなコマ割りが挑戦的だったのも印象的。後半の生命編、こちらは宇宙編より前の時系列だけどこっちも未来のお話。でもかなりのホラー展開でその内現実に似たような事件が起こりそうだな~って肝を冷やした。でもラストはどこか切なくって道徳っぽい。国語の授業の題材にできそう。

『京都府警あやかし課の事件簿』

著者:天花寺 さやか
イラスト:ショウイチ
出版社・レーベル:PHP文芸文庫
読了ポスト日:7月8日

 ネタの詰め込みっぷりが並みじゃない! 妖怪や社寺仏閣関連は勿論、舞台となる京都のあれこれも凄い。まさか公立高校ネタをブッ込んでくるのは予想外。御三家って割と知名度あるのかな? 伝承の組み込み方も凄いし、その上アクション展開も沢山あって色んな面で楽しめた。本当に濃いのよ。実在する神様とかがここまでゾロゾロとお目に掛かるとは……まあ京都だしね。でも出てくる事件の顛末は所々日常に寄り添うようなものもあって親近感を感じることもあるのも興味深かった。

『死霊魔術の容疑者』

著者:駄犬
イラスト:遠田 志帆
出版社・レーベル:GC NOVELS
読了ポスト日:7月8日

 人買いや良い目で見られない死霊魔術の存在。これだけを摘まむと全身真っ黒なダークファンタジーを連想させるけど読んでみると案外そうでもない。最初から商品だった主人公の現代とはずれているけどどこか明るい価値観と、登場人物の善性が合わさって優しいタッチに仕上がっている。現実で擦れた心によく沁みる……。中盤以降はどうなるかとハラハラしたけど本当に良かった。愛情パワー、だいじ。皆人生を全うしたなというのがヒシヒシと伝わってきたのも個人的に良いなと感じた。

『モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件』

著者:駄犬
イラスト:芝
出版社・レーベル:GCN文庫
読了ポスト日:7月9日

 読む前から「どういう経緯で肉食べることになったんだろう」とぼんやり考えてたりしてたけど予想の斜め上行ったな! そしてそのまま突っ切った。こんなことってある⁈ ってモノローグと一緒にツッコミを入れる事n回。特に王位継承関連は真顔で見れない。あの辺りはずっと「そうきたか!」の連続だった。何気ないシーンがとんでもない結果を生み出すことも多々あるからそういう方向でも衝撃を受け続けた作品だった。

『京都府警あやかし課の事件簿 2 祇園祭の奇跡』

著者:天花寺 さやか
イラスト:ショウイチ
出版社・レーベル:PHP文芸文庫
読了ポスト日:7月9日

 これは本当に単なる偶然なんだけどマジでジャストタイミングでタイムリーな時期に読んでしまった……。何気に祇園祭行ったことないな、これを機にいつか行ってみたい。表題の祇園祭以外のエピソードも曲者揃いで色んな雰囲気のストーリーを楽しめた。更に今回は草葉の陰でひっそりニヤニヤしたくなる展開も多かった。でも夏にぴったりな爽やかさ。個人的にスリリングな最初の話の雰囲気も滅茶苦茶好きなんだよな~。

『モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件 2』

著者:駄犬
イラスト:芝
出版社・レーベル:GCN文庫
読了ポスト日:7月12日

 どいつもこいつもヤバいぐらいに強いです(誉め言葉)。前回からのキャラは勿論今回新しく登場したキャラも曲者揃い。特に妃決定関連は衝撃がありつつも「まあ、この国だしな……」と納得できてしまう。特に今回は師匠の予想外の立ち回りに衝撃を受け続ける回だった。1巻読んでた時に想像できた方はいるのだろうか? 文化の発展もあり国家らしさも見えてきた。それでも勘違いコメディはお手の物。いつかキチンと伝わると良いなと思ったりすることもある。

★『火の鳥 10 太陽編(上)』

著者:手塚 治虫
出版社・レーベル:角川文庫
読了ポスト日:7月13日

 名前と上中下の3巻構成と知って、何とも壮大なSFが始まると思いきや、意外や意外な大河ロマン。バリバリに日本を中心としたアジア舞台なのも予想外だったんだけど時代も「そこ来るかぁ~」ってなってしまった。でも確かに切り口は斬新で興味深かった。でも今の時代でこれやるのって難易度高そうだなぁと思ってしまう。この巻だけだと着地点の予想が難航気味だがら、ここから物語がどう転がっていくのかにも今後注目していきたい。

彼女あいつは窓からやってくる。 異世界の終わりは、初恋の続き。』

著者:さちはら 一紗
イラスト:北田 藻
出版社・レーベル:ダッシュエックス文庫
読了ポスト日:7月16日

 マジで、マジで頼むからそのまま幸せになっていただきたいっ! 転移前、異世界、そして帰還後。それぞれの空気感が同じようで違う。その些細な違いが良き。ラブとコメディのバランスも丁度良かった。シチュエーションとしての面白さは勿論の事、地の文等の表現もウェットに富んでいた。時空を超えたロマンスと同じ異世界にいたという共通点が最初から最後まで、ラブ・コメどちらにもいい味出してるのも好き。

『ノベルライト 文系女子ラノベガール、時々絶叫女子パンクガール。』

著者:ハマカズシ
イラスト:ねめ猫⑥
出版社・レーベル:ガガガ文庫
読了ポスト日:7月17日

 最ッ高の青春劇でした! ありがとうございます。最初の勢い余って発生した勘違いからここまで素晴らしい展開になるとは思いもしなかった。好きなことは別々だけどそれでも仲良く語り合って新しい青春が生まれる。そういう青春があってもいいじゃない。というか私もこういう高校生活送りたかった。新しい領域に踏み出す時に触れる未知の熱量を浴びるシーンの表現が足を踏み出したようなのが印象深い。

★『メディアの未来 -歴史を学ぶことで、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、SNSの将来は導き出せる-』

著者:ジャック・アタリ
翻訳:林 昌宏
出版社・レーベル:プレジデント社
読了ポスト日:7月18日

 テレビやSNS、更にその前の出版と人類の歴史における情報伝達の変遷を辿っただけあってそのスケールは大きい。伝書鳩の鳩の方にもちょっと工夫を凝らして本文を読む前にどういう感じの手紙を運んでいるのかを匂わせてるのがかわいい。現代寄りの話で1番気になったのは日本の新聞事情。新聞離れとは言われているけどそもそも日本における新聞の立ち位置が凄かったのは意外だった。というより何がどうして新聞大国になったんだろう?

『汝、わが騎士として』

著者:畑 リンタロウ
イラスト:火ノ
出版社・レーベル:電撃文庫
読了ポスト日:7月19日

 ファンタジー全開に見せかけて情報師の設定等から一言では表しきれない独自の世界観が特徴的。逃亡劇や情報師同士のメチャ強アクションも魅力だけど個人的に推したいのは背景、時には前面で動いている上に立つ者達の遣り取りや駆け引き。メインの2人の関係性をおざなりにせずにも、分かりやすくも面白く書かれていたのが印象的だった。普段こういう所で頭こんがらがりがちだから余計に。やっぱ強い人達が沢山出てくるお話っていいよね。

『白き帝国 2 約束の戦旗』

著者:犬村 小六
イラスト:こたろう
出版社・レーベル:ガガガ文庫
読了ポスト日:7月23日

 前回の影響もあってかずっと肝試しをしている時のようなドキドキ感で読んでた。でも実際何が起こるか分かんないから的外れではないかも? 新キャラは勿論色んなキャラに強めの焦点が当たって、どのキャラも今後が見逃せない状態に。それにしても2巻終了時点での勢力図がカオスに感じる。でもそれぞれの気持ちあっての事だから脳汁ドバドバで敵味方関係無しで応援したくなる。それにしても今回の王子様がおもしれ―役回りしてた。締め方も戦記ものらしくてカッコよかった。

『シャンティ』

著者:佐野 しなの
イラスト:亞門 弐形
原作・監修:wotaku
出版社・レーベル:GA文庫
読了ポスト日:7月25日

 現代ではあり得ないレベルの容赦の無さと現代にも通ずる人間らしい感情、この2つが混沌としているのが世界観とマッチしていた。言語、行動共にもうガッチガチの裏社会のスタイルでその辺りの描写を読んでいるだけで体感温度が下がりそう。分かりあってるようで奇妙さがある2人の距離感と、終盤の何気ないモノローグでハッと気づかされるある人物の本性も中々にスパイスが効いている。最近出会ってないタイプの雰囲気だったから新鮮な気持ちで読めたかもしれない。

『無防備かわいいパジャマ姿の美少女と部屋で二人きり 2』

著者:叶田 キズ
イラスト:ただの ゆきこ
出版社・レーベル:HJ文庫
読了ポスト日:7月27日

 時も流れ、気持ちに変化が生まれて100%そのまんまという訳にはいかなくなったかもしれないけど、成長や新たな楽しみもいっぱいで楽しかった。新キャラも交えた三者三様の憧れの交差が綺麗だった。今回は2人の得意分野の本領がこれでもかと発揮された終盤が凄く良かった。これどんなシーンなんだろうと思ったカラーイラストも実際そのシーンになるとボルテージが高くなる。

『夏目漱石ファンタジア 2』

著者:零余子
イラスト:森倉 円
出版社・レーベル:ファンタジア文庫
読了ポスト日:7月28日

 歴代千円紙幣の顔ドリームマッチじゃねぇか! そんでもってあとがきまでぶっ飛んでいるのは予想外にもほどがある。しばらくは千円紙幣を真顔
で見れなくなるかもしれない。全体を通して驚天動地の発想のオンパレードだったのにテンポ感良すぎたのが個人的に凄すぎる。3日ぐらいかけて読もうかなとか思ってたのに1日で読み切っちゃったんだけど⁈ トンチキ成分もたっぷりなんだけど対立の裏のあれこれとかシリアスにも撃ち抜かれた。

1巻時点でのネタバレ無し紹介も書いてます! 気になる方はこちらも!


★『TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話 1』

著者:恋狸
イラスト:ほまでり
出版社・レーベル:HJ文庫
読了ポスト日:7月29日

 配信者たちが文字通りの曲者揃い! その上主人公が超特濃すぎる! でもバランス配分はしっかりしてるから気持ちよく読める。キャラの芯もしっかりとしてる。コメント欄の突っ込みと配信のキャッチボールとのキャッチボールが距離感近いのも印象深かった。配信パートもだけど日常というかこの場合はオフモードって言った方が良いのかな? も面白かった。それでいてクライマックスも滅茶苦茶良きなんだよ。これは堕ちるのもやむなし。

★『教養のコンピュータサイエンス 情報学入門 第3版』

著者:小舘 香椎子 他
出版社・レーベル:丸善出版
読了ポスト日:7月30日

 情報の技術は勿論なんだけど意外と知らない機器や部位や種類の名前とか詳細の説明といったものもしっかり入っていて基礎的な部分からとても勉強になった。特に情報の表現方法のパートでは音声や画像に分けて詳細に語られてたのが印象的だったし、何より身近な要素だからって言うのもあるけどやたらめったら面白く感じてしまった。計算パートは自分でもやって身に着けるようにしなきゃ。

さいごに

 今月はちょっと少な目、でも漫画や専門書も混ざってバラエティ豊かかな? 頑張ったらもう1冊入りそうだったな。でも先月も似たような感じだったな。そろそろ夏本番だから沢山読みたい。

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