その情熱は、全てを貫く ~佐伯 庸介『帝国第11前線基地魔導図書館、ただいま開館中』を読んで~
実の所今週の本紹介は別の作品で書こうと考えていた。だが、この作品があまりにも面白かったため、急遽予定を変更することにした。私が元々本が中心に関わってくる物語が好きという贔屓めいた色眼鏡をかけていることは否定しない。しかし、それを抜きにしてもこの作品に込められた本に対する愛情は凄まじいことこの上ない。表紙を開いて真っ先に目にするカラーイラストに添えられた一言から物語を締める最後の1行にまで十全にしみ込んだ情熱を知ってしまうと、発信を少しの感想だけで終わらせるのはあまりにも惜し