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そうだ、新書読もう ~本紹介特別編~

 本の種類にも色々ある。フィクション・ノンフィクション・多種多様なジャンル・出版形態。もっといろんな形で細分化することも可能だ。

 そんな中でも今回は新書について紹介しようと思う。私は今までライトノベルを中心に本紹介を行ってきたが、新書に関しては良い紹介方法が思いつかずかなり悩まされた。それでも他の方々にも読んでもらいたい本が多数あるため、今回は私個人の視点から新書についてのあれこれを書いていこうと思う。私自身、新書に明るいかと言えばそうでもないため、かなり偏った話が多くなると考えられる。それでも、この記事が誰かの読書計画の一助となれば幸いだ。


そもそも新書とは?

 新書と言われてもピンとこない方も多いだろう。第一私もそうだった。後々話すが新書は内容の幅が広い。一体どうしたら上手く説明をまとめられるだろうかとかなり頭を悩ませた。

 思い違いを防ぐために簡単に調べた所、どうやら新書はジャンルではなくサイズ形態の1つを指す用語らしい。漢字に引っ張られて新しく世に出た本と思われることもあるそうだが新書には新しいも古いもない。書店に行けば古い時代の新書も棚に並んでいる。

 具体的なサイズ感としては、文庫本よりも少しだけ背が高い。おおよそ同じサイズになるのはノベルス・少年漫画の単行本・児童文庫辺りだ。

書籍のサイズ比較

 また、表紙はシンプルなデザインとなっていて、帯の方に写真やデザインがふんだんに利用されているのも特徴の1つかもしれない。

私が新書を読むワケ

 基本的はお話はこの辺りにしておいて、ここからは私が経験したことを踏まえて話を展開していこう。まずは私が新書を読み始めたきっかけについてだ。

 新書を読み始めるようになる少し前のこと、私はしばしば学術文庫を読んでいた。理由は2つ。1つは学術の名が示すように、知りたい専門的な知識を学べると確信したこと。もう1つは、普段からライトノベル等で慣れている文庫サイズだったからだ。

 こうして何も知らない私は見切り発車で学術文庫を求めた。その結果はお手上げ状態になる事が殆どだった。

 学術文庫は確かに専門的だった。中身も濃いし物理的なボリュームも多い。だが文章的には論文に近しく感じた。要するに、初心者が手を出すのにはかなり大きな壁があったのだ。

 学術文庫は難しい。だが初心者向けに書かれた図入りの単行本も中々手が届きにくい。私は電車の中で本を読むことが非常に多いから、大きなサイズの本を積極的に求めない。専門的な知識をもっと気軽に学べないだろうか? そう悩んでいた時に出会ったのが新書だった。

 新書はサイズやボリュームが手軽で初心者向けに書かれているのも多いため、スラスラ読むことができた。それに気づいて以来、定期的に新書を読むようになったのだ。

どんな新書がある?

 それでは中身の話題に移ろう。新書のジャンルといってもかなり多様だ。文学に歴史、政治経済、理数のあれこれetc……。新書では特定のジャンル専門レーベルというのはあまり聞かないような気がする。私個人としてはどの出版社もまんべんなく出しているイメージだ。図書館とは違って書店の本は作者名五十音順・或いは刊行順で並んでいることが多い。その為、特定ジャンルの本を探したい場合は事前に調べておくといいかもしれない。勿論、棚を端から見ていって気になるものを手に取るのも楽しみ方の1つだ。どちらの方法でも良い出会いをした経験がある。

 ジャンルに関しては私も全てを把握しきれている訳ではない。寧ろ幅が広いからこそ読む新書のラインナップで趣味が分かるのではないだろうか。今回はその中でも私がしばしば手に取っているジャンルについて端的に触れていこうと思う。

入門書系

 学問分野問わず新書として1番メジャーなジャンルと言えば入門書だろう。専門書コーナーに置いてある大振りのものよりも絵や図は乏しいかもしれない。だが、その分巧みな語り口で読み手を引き寄せてくるため読み物感覚で知識を身に着けることができる。『はじめての○○』『○○入門』とタイトルもシンプルで分かりやすい物が多いので、興味のある分野の入門書があるならば、躊躇わずに手に取ってみるといいかもしれない。

歴史系

 個人的に新書といえばこれも外せない。学校で習うような日本史・世界史テーマの本も当然存在する。だが、今回は一旦脇に置いておくとしよう。新書の歴史関係本最大の特徴はピンポイントの物・事に焦点を当てた本が多いことだ。私の蔵書からいくつか例を挙げよう。

 堀 啓子『日本ミステリー小説史』(中公文庫)は文字通り、日本国内でのミステリーの発展を軸に置いている。飯田 一史『ウェブ小説30年史』(星海社新書)は文字通り30年分の話を大ボリュームで語っているのが特徴だ。(余談だが、星海社新書は今挙げた作品をはじめとしてサブカルチャーを題材にした本が多数ある)

 上記では小説系統のもののみだったが、食べ物の歴史など通常の歴史の授業ではではスポットが当たりにくいものが扱われている。内容もどれも濃い。

理数系新書

 新書には理数系をテーマにした本も刊行されている。理論や科学技術の解説は勿論、高校・大学数学の解説やコンピューターソフトの指南書のようなものもある。

 また講談社のブルーバックスをはじめとする理数系のテーマを専門に取り扱うレーベルもいくつかある。これらの本は通常の新書コーナーではなく、理数系の棚の方に置かれていることも多々あるため、書店で探す際は留意していただきたい。

さいごに

 やや、否かなり知識と経験が偏ってはいるが、私が新書について話せるのはこのぐらいだろう。これでもまだまだ一端に過ぎない。是非とも新書コーナーや新刊新書に目を通して、新書がいかに幅が広いかを知って欲しい。そして、読書生活に新たな選択が増えれば幸いだ。

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