【詩】憧憬
始めは 小さな泡だったのに
いつの間にか辺り一面の海になってしまいましたね
こうして眺めて もう何年になるだろう
眠っているのですか?
水面は恐ろしいくらい凪いでいて 深さは底知れず その神秘に吸い込まれる
私は疲れました
腐るよりも あなたという海に沈むことにしました
どこまでも沈む感覚は 時間も思考も停止させるようだ
いつしか水面越しの暗黒には 記憶という星が瞬き 私を追って降り注ぐ
ああ どこまでも堕ちて
記憶を抱いて 化石になりたい
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