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チェコの菓子パン、コラーチ アメリカから里帰りしたコラーチも楽しめるお店

甘い朝ごはんとして、小腹がすいた時に食べるおやつとして、また結婚式やホームパーティーでゲストにもてなすお菓子として、チェコ人にとって身近な菓子パン、『コラーチ(Koláč)』。

コラーチは、丸く成形した生地にフィリングをつめて焼いた菓子パンのこと。
フィリングの種類は多いけれど、どの店でも売っている定番は、トヴァロフというチェコ人が愛してやまないチーズにラズベリーやアプリコットなどの果物を入れたものや、ケシの実を入れたものなど。
パン生地もほんのり甘く、チーズやフルーツの旨味も楽しめる素朴な菓子パンです。

コラーチを置いていないパン屋はないと言っても過言ではなく、ファーマーズマーケットをはじめ、季節限定のイースターマーケットやクリスマスマーケットでも販売する店が必ずあります。

アメリカ・テキサスでも愛されるコラーチ

さて、このコラーチ。
実は、アメリカ・テキサス州でも親しまれているんです。
テキサス州にはチェコ人が多く移住し、非法人地域ではあるけれども『プラハ』と名付けられたコミュニティまで存在するほど。

8年前のある日、テキサス出身の教授にチェコに移住することを伝えたら、
「あぁ、本場のコラーチが食べられるね」と言われたのを覚えています。
その時の私はまだコラーチの存在を知らない。
私にコラーチを教えてくれたのはチェコ人ではなくアメリカ人だった。

ただ、テキサスで食べられているコラーチは、ソーセージなどを入れた、いわゆるしょっぱ系のコラーチ。チェコではまず見かけません。
アメリカにわたり、進化したコラーチ。

そんなテキサス風コラーチが食べられる店が、約1年前にプラハにオープン。

コラーチ専門店 Kolacherie(コラーチェリエ)

観光客でにぎわう旧市街広場からモザイク模様の石畳が美しいツェレトナー通りに出て5分ほど歩けば、コラーチ専門店のコラーチェリエが見えます。

活気あふれる通りに、ひっそりと落ち着いた佇まいのお店。
通りのおみやげ屋やカフェ、おもちゃ屋に目を取られていると見落としてしまいそうになります。

入口がとっても狭いのも、プラハらしい。

扉をあけると、コラーチの香ばしいにおいと、淹れたてのコーヒーの香りが鼻腔をくすぐります。

店内のショーケースには、ずらりとコラーチが並んでいて、どれを買おうか迷うのも楽しい。
お値段は1つ50チェココルナ(約300円)。チェコにしては高い!けれど、観光地ど真ん中。場所代もふくまれているのかな…

たくさんあって目移りしてしまう

チェコ定番の、トヴァロフチーズのコラーチ(チーズケーキみたいな味)、ベリー系のコラーチ、ケシの実のコラーチが勢ぞろい。

そして、アメリカ・テキサスから里帰りした「しょっぱい系のコラーチ」もありました。
ハムとチーズのコラーチ、ポテトとブルーチーズのコラーチ、トマトソースにオリーブがのったコラーチ、などなど。

日本で言う「総菜パン」の立ち位置か。食欲をそそる見た目をしていらっしゃる。

今回は5種類をおうちにお持ち帰り。

いちばん大好きなトヴァロフチーズははずせない。それと定番のベリーとトヴァロフチーズのコラーチ。
そしてテキサス風からは、ポテトとブルーチーズのと、ベーコンとチーズのコラーチを。

テキサス風のは日本のパンと感じが似ていて、みょうに郷愁を感じてしまう。

こちらのテキサス風コラーチが、実際にテキサスで親しまれているコラーチなのかどうかはわかりません。
もしかしたら、このお店がアレンジを加えた、チェコ風のテキサス風コラーチなのかもしれない。そうすると、もう何が何だかわからない。
この場合、どっちが本場なんだ?

チェコ人の夫も、チェコの友人も、「おいしいんだから、それで良くない?」と、一言。
たしかに、おいしいから、それでいいか。

日本のパンにどことなーく似ているテキサス風コラーチ。
日本が恋しくなったらまた買いに行くことにしよう。

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