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みっきーのリアル登山者の端書き#519『クマザサ』

山に生える笹の一種に、クマザサという植物があります。

このクマザサという名称についてですが、私が群生地を見た飛騨地方で、地元の植物に詳しい方に話を伺ったところ、以下の三つの由来があるが、いまいちどれか判然としないということでした。

①葉の縁が白く変色し、隈取のようになるため隈笹→クマザサ

②熊が食べるから熊笹→クマザサ

③9枚の葉がつくから九枚笹→クマイザサ→クマザサ

上記はいずれも由来としてそれなりに納得ができるものであるように感じます

さらに今ネットで調べると、プラスで以下のような由来もでてきました。

④外れの音が小さく、熊が近づいてきても気付けないから熊笹→クマザサ

果たしてどれが本当の始まりのクマザサなのかは分かりませんが、どれが始まりだとしても、いずれも現状では真であるということが言えそうです。

最初にいずれかの理由でクマザサと名付けた人がいたとして、他の人は別の理由でクマザサだと思ってしまう。

これについては「クマザサ」という名称が多様な要素を含み得るという条件があってこそ、発生しているように思われます。

もし名称が「クマドリササ」だったとしたら、①の理由以外は思いつかないかもしれません。

日本語は多義性が強く、更に漢字を用いない音表記だと余計に多義性が増します。(あめ→雨、飴、天)
それによって今回のように多数の名称の由来で混乱することもあれば、あるいはプラスに活用し一語で多くを含む表現として名称を洗練させることも可能ではないかということを感じました。

日本に住み、日本語を扱う中でその特質さを学び、世界に表現できるとしたら面白いことですよね。

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