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みっきーのリアル登山者の端書き#765『同行者の視点』

長野県の白馬連峰を縦走していた時のことです。
私は息も絶え絶えで登っていたのですが、同行をしていた友人が目の前にずっと続いている稜線を俯瞰してこう教えてくれました。

「稜線のピークを挟んで、右と左で地形が全く違う」

これは積雪のある高山帯のアルプスで発生する地形で、非対称山稜と呼ばれるものです。
稜線を挟んで西側は山を越える前の湿った空気だけが当たりやすく、東側は山を越えて積雪となって雪が積もりやすい。
雪は地形を削る効果が高いため、東側が西側に比べて険しい地形となり、非対称となります。

私は疲れ果てていたので目の前の道しか見えず、左右の稜線の形などこれっぽっちも視界に入っていませんでした。
そこを同行者の人に教えてもらうことで、地形のダイナミズムの中にいることを強く感じることができました。

自分ひとりでは気づけないことも、誰かが一緒だと違う視点を共有することもできます。
そうした仲間の価値をこれからも大切にしていきたいですね。

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