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何度でも好きになる!円盤化されていない推しの名演技3選

推しの出演作品について語りたい、推しの凄さを布教したい、と思うと円盤化されている作品についてお話しするのがベストだと思います。
敢えてここで円盤化されていない作品についてお話しするのは、私が推しの名演技を忘れたくないからというのと、あわよくば制作サイドの方に届いて、再演もしくは推しの新たな名作出演の足がかりになったりしたらいいなというのがあります。

以下、大好きなのに円盤化されず、若干のフィルターがかかったオタクの推し語りです。
成松慶彦さんをご存知の方もそうでない方も、ついてこれる方はついてきてください。

1.饗宴「眠れない羊」(2022年7月8日 - 18日、RESTAURANT BAR DisGOONieS) - 大蔵 役

私が断トツに推すのがコレ、大蔵さんです。
長年仕えてきた主人を弔う会を主催し、問題だらけの個性豊かな執事たちと主人の息子を招いて生前の主人について語っていきます。
執事たちは主人がいかに酷い人物だったのかを代わる代わる主人の言動を再現しながら、不満を口にしていくのですが、大蔵さんだけは、主人が家族や執事たちを大切に思っていたことを示唆します。
序盤は物腰柔らかいスマートな執事なのですが、ラストでそれぞれの執事たちが帰った後、大蔵劇場が幕を開けます。
主人が嫌いだったピザを宅配で注文すると、届けに来たピザ屋を主人に見立てて座らせ、主人が嫌いだったワインを雑に注いで独白を始めます。
この、ワインを雑に注ぐ仕草がまず天才的で、めちゃくちゃこぼれてる(ように見える)のに獲物(ピザ屋)から視線を外さないのが狂気的で、ダンッ!と音を立ててボトルを置いた瞬間観客も目を離せなくなってるんですね。
独白はこうです。
あなたを恨んでいた、謝ってほしかった、それなのに事故なんかで死んだ、と。
そしてピザ屋に、謝れ!と強い口調で迫っていきます。

ピ、ピザ屋になりたかった…!

ピザ屋の彼女になってみたい(by椎名林檎さん)?
いいえ、断然ピザ屋になりたかったです。

推しがキレキレのキレ演技ぶちかましながら迫ってくる最前の特等席。う、羨ましい…

会場がレストランという特殊空間だったので、席によってかなり印象が変わってくると思うのですが、とても席に恵まれたこともあって、推しが場を支配するヒリヒリとした臨場感が堪らなかったです。

188cmの推しがテーブルクロスをグチャグチャにしながらテーブルの上を這うように迫ってくる絵面、今でも忘れられません。
客観的に見れば普通に怖いシーンだと思うのですが、私にはテーブルクロスがベッドのシーツのようにも見えて、何だか官能的な雰囲気を感じました。
色んな意味でドキドキした…

絞り出すような声で謝るピザ屋の声を聞き、主人が亡くなってから眠れなくなってしまった大蔵さんが眠りに落ちて物語は終わります。

ずっと擬似的な主人しか出てこないのがこの舞台の面白いところだと思っていて、結局これだけ拗らせてしまっている大蔵さんがこの後どうやって生きていくのか、生きていけるのか考えるのも楽しい。

私は推しが何かに執着する役を演じるのをずっと見たいと思っていたので、とにかく刺さった作品でした。
推し本人もこれといった趣味や収集癖が無いし、それまで演じてきた役柄はどれも、主従関係や敬愛の対象が亡くなってもそれなりに生きていけそうなキャラクターばかりだったので、かなり衝撃を受けました。
にも関わらず、円盤はおろかブロマイド等のグッズも何一つ販売されなかった幻の作品。
レストランは閉店になるようですが、何とか再演してもらえませんか…?!
本当に大蔵さんを演じる推しは皆に見てもらいたいし、私も出来るならまた見たいです。
せめて台本を売ってくれませんか?!

2.朗読劇「幽霊ハウス」(4月6日 - 10日、新宿村LIVE) - 森藤修 役

一人暮らし編、同棲編と2パターン公演があり、私は一人暮らし編しか観られなかったので、再演してくれたら同棲編も観たいです(熱望)

こちらは衣装も役柄に合わせたものを着ていましたし、台本がそれぞれに合わせて巻物だったりノートだったり趣向を凝らしていて目で見ても楽しい朗読劇でした。
余談ですが、朗読劇で個人的にいつもツボってしまうのは推しのマイクの高さが異常すぎて出番前から立ち位置が分かってしまうところです。

複数の幽霊が集まる物件で起こるドタバタコメディだったのですが、推しの好きポイントは、1と通ずるものがあって、場をコントロールする上手さです。
若手の俳優さんが多かったので、序盤は緊張感が伝わってきてしまい、客席がシーンとしていました。
推しがクスッとさせる台詞を言うシーン、思ったより笑いが起きていなかった為か、やや強引に笑わせにかかっており、そこで客席の緊張が解けたのを肌で感じました。
推しが演じる森藤さんは霊感が強く、しかしそのことを煩わしく感じているツンデレのキーパーソンだったのですが、ツンデレの男性キャラクター大好きなので最後に良いところ持っていく感じの役どころがかなり良かったです。
衣装のギャルソンエプロン?もカッコ良かった…!

推しの朗読劇は学園デスパネルなら円盤化されているのですが、こちらはDVDなのに音声のみです。
学園デスパネルは公演を観に行ったのですが、朗読劇なのに持っている鍵の本数を指で思いっきり「5本」とジェスチャーしていたのが可愛かったです。
残念ながら映像は残っていません。

3.消された声(2023年10月8日、すみだパークシアター倉) - 白石イツキ 役

3選と言いながらかなり悩んだのですが、出番が少ないゲスト出演ながらそれなりに爪痕を残したであろう作品ということでこちらを選びました。
こちらは2公演出演予定で、私も両方観劇予定だったのですが、体調不良者が出た為1公演のみになってしまいました。
警視総監の息子という役柄だったのですが、私はピーターパン症候群のサイコパスという印象を受けました。ヒョウ柄を身に纏う治安の悪い推しからしか得られない栄養もあるんですよね。
揉み消してもらえる前提で平気で他人に危害を加える人物だったのですが、普段の温厚な人柄とのギャップにクラクラしてしまいました。
実際の犯行シーンが無かったので(台詞で描写されていた為)それがあったら幽霊ハウスよりも刺さっていたかもしれません。
運営様、ゲストキャラクターからのメインキャラクター(悪役)昇格、ご一考下さいませ。

最後まで読んでくれた物好きな読者様、ありがとうございます。
これを読んで成松慶彦さんってどんな人なんだろう?どんな演技をされるんだろう?と少しでも気にしてくださったらこの記事を書いた甲斐があります。
素敵な脚本家さんや演出家さんにも届いたらいいな!推しの魅力。
その為にも色々な舞台の感想書いていけたらいいなと思っています。
またお付き合い頂ければ嬉しく思います。

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