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「どう、死にたい?どう、生きたい?」はっぴーの家〈死生観探究講座〉オープニングイベントレポート!vol.1 #NO死生観NOLIFE

「生きる」って、何だろう。「死ぬ」って、何だろう。
「死」を考えることは、「生きる」を考えることなのかもしれません。

自分の「死生観」って、何だろう。自分は、どう生きたいんだろう。どう在りたいんだろう。明確な「答え」のない問いを通して、ひとりひとりの「答え」を考えます。

去年の秋から始まった、死生観探究講座。はっぴーの家で暮らしている「ろっけんガールズ」や、全国の方々にZoomで見守られながら、様々な分野で活躍されている講師の皆さんと、死生観について語ります。

今回は2020年9月12日に開催されたオープニングイベントのイベントレポート第1弾。講師の皆さんに《あなたにとっての「死生観」とは?》を伺いました。

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死生観イベント関連スライドなど

命の線引きがされている今、命とどう向き合うか

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小池 陽人(こいけ ようにん)
真言宗須磨寺副住職。
総本山醍醐寺修行道場「伝法学院」卒業後、四国八十八ヶ所歩き遍路を成満。須磨寺では、生涯学習の場として「青葉会」、「須磨 夜音 音楽法要祭」などを開催。NHK文化講座神戸教室の講師としても活動中。 2017年6月からYouTubeチャンネル「須磨寺小池陽人の随想録」を開設。2週間に一度、法話の配信を行っている。『お葬式は、見送られる人がどういう人だったかを確認する大切な機会』
Youtubeチャンネル 「須磨寺小池陽人の随想録

小池:私はこのテーマに、すごく関心があるんです。死生観というのは、死と生を考えるわけですけど。もっと言うと「命とは、何なのか」ということを突き詰めていくことになるのかなと考えています。

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今、命というものが、どんどんはかられるような時代になってしまっていると思うんですね。何か命というものを、人間の価値観で一方的にはかってしまうような、命の線引きというおこがましさが見え隠れしていて。

首藤:命と向き合うこと、命をどう考えるかに、そもそも答えはないですもんね。

小池:命について、もう一度みんなで考えないといけないと思うんです。命というものをどう考えるか、そこに尽きるんだろうと思います。

「亡くなる」と「生まれる」のバトン

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合田 三奈子(ごうだ みなこ)
六間道3丁目商店街で、コミュニティスペース「r3(アールサン)」を運営。神戸で育ち、会社員、アパレル関係、バーテンダー、健康器具の営業の仕事を経て、24歳で結婚。2021年2月に第5子を出産。子育てをしながら、母親の介護も行っている。2019年、はっぴーの家で、たくさんの方々に見守られながら、ジージ(父)の葬儀が行われた。神戸市西区で農業を始めるなど、多方面で活躍中。『「亡くなる」と「生まれる」を子どもたちがリアルに感じられる体験を』
ブログ 「なっちのライフワーク

合田:この15年で、ずっと自分自身から命を生み出してきました。それで「どうしてこんなに子どもを産みにくい日本になっちゃったのかな」と思いました。

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最近、江戸時代などにさかのぼって、歴史を辿ったりしています。ミクロネシアという島に、産小屋という場所があるんですよ。産む人のお手伝いをして、村の方が亡くなるときは、看取りまでするんですね。

それってすごく神秘的で、本来そうあるべきなんじゃないかって。ジージの死と、今回生まれてくる子の命を考えたときに、「亡くなる」と「生まれる」ということ「生きる」ということを、身近な子どもたちにリアルに感じさせる体験をどんどんさせたいなと思っています。だから、バトン。

首藤:「生まれる」というテーマ。今回死生観がテーマですけど、この講座の一番のアウトプットは「生きる」ということやと思っています。

何をしたかより、どう在るか

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紅谷 浩之(べにや ひろゆき)
医師。福井医大(現在・福井大)を卒業後、救急総合診療を学び、福井県内の診療所で地域医療を実践する。2011年に福井で、24時間365日対応する在宅医療専門クリニック「オレンジホームケアクリニック」を開設。医療的ケアを必要とする子どもたちの日中活動拠点「オレンジキッズケアラボ」などを展開。診療所と大きな台所がある「ほっちのロッジ」で共同代表も務める。『死は瞬間ではなく、生活の延長線上にあるもの』
note 「ORANGE_紅谷浩之

紅谷: 死生観って、やっぱりその人の生き方が出るなと思います。それと「doよりbe」と書いているんですけど「何をしたか」というよりは「be」。「どう在るか」「どう生きるか」ということの方が、きっと近いところにあるんだろうなと思っています。

病院だと死ぬということは、ピンポイントの瞬間を指しています。でも、生活の場では違います。年を取ってくること自体、病気になること、歩けなくなること、お孫さんたちがベットの周りを走り回ること、息をしなくなること、亡くなった後にみんなでその方を思い出すこと・・・

1年後、2年後ぐらいまで合わせて、人の死なんじゃないかと思うようになったので、医者のわりに曖昧な感じで仕事をしています。

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それぞれの人が、自分の尊厳を考える

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柚月 恵(ゆずき めぐみ)
ポールダンサー。幼少よりクラシックバレエを習い、19歳でプロに。その後、ヒップホップ、ジャズ、フラメンコなど数々のダンスを経験。国内外で高い評価を得て、現在は女性としての魅力を最大限解放できるポールダンスで活躍中。日本ポールダンスセラピー協会の代表理事として、ポールダンスの魅力を伝えている。女優として映画に出演し、カンヌ映画祭に登場するなど、多方面で活動を続ける。『「性」は尊厳。生きるとき、「性」を軽視してはいけない』
youtube 「ポールダンスセラピー 柚月恵 / Megumi Yuzuki

柚月:人間って、尊厳があるじゃないですか。ただ食べて、ただヤって、寝てじゃなくて、そこに尊厳や営みがある。クリエイティブ、コミュニティづくりなど、色んな営みがあるでしょ。その営みというのが「生」だとしたら、私は「性」は尊厳だと思っていて。

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「性」は尊厳なんですよ。だから、人間として生きるとき「性」を軽視したらダメだなと思っていて。それぞれの人が、それぞれに考えるべきことだなと思います。自分の尊厳、生き様ですね。これをみんなが自分の人権や尊厳としてもっと考えていけば、後世が彩り豊かになるんじゃないかと思います。

ワダケン:僕、学校で先生をしていたんですけど「性と生」や「死」って、大切なことなのにすごく触れにくい部分なんです。

でも、生きていくうえで、とても重要な部分。いま子どもたちや皆さんと一緒に議論していけることが、すごく面白いなと思って。本当に人間の一番ベースになる、土台の部分ですよね。

首藤:ぜひ家族や大事な人と一緒に、この死生観のコースに参加してほしいなと思っています。この講座を受けてもらった後に、家庭で話が広がればなと思っています。

今ここに在ること、今ここにいること、自分に意識を向ける

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鈴木 七沖(すずき なおき)
編集者。ファッションブランドのパタンナー、映像制作、広告代理店のコピーライターを経て、株式会社サンマーク出版に入社。退社する2018年までに174冊もの書籍を担当。本の編集のみならず、セミナーや講演会の企画・運営、ドキュメンタリー映画の制作にも携わる。はっぴーの家の映画『30(さんまる)』を制作中。様々な分野で「編集力」をいかした活動を行っている。『日常的に「今ここにいること、在ること」を考え、自分の在り方に意識を向ける』
公式ホームページ

鈴木:僕は「在り方」と書きました。死生観と聞いて「どう死ぬか」や、「どうお葬式をするか」だけだとなんだか違う気がして。反対に「どう生きるか」だけでも少し違う気がして。

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「今ここにある」「今ここにいる」ということをもう少し日常的に考えていけたらいいんじゃないかということで、在り方と書かせてもらいました。

あと、生き方と言うと、どうしてもあの人みたいに生きたいと思って、目標にしたり比較したりというのが生まれてきてしまうような気がするんです。

でも、在り方というと、自分に意識が向いてくる。だから、在り方というのがこれから問われてくるんじゃないかなと思って書きました。

首藤:僕、みなさんの死生観の話を聞いて思ったんですけど。世の中で一つだけ体験できないものって何だろうって考えたら「死」なんですよね。それ以外のことは全部体験できるんですよ。自分が体験できなくても、本を読んだり人の話を聞いたりできる。

でも、「死」だけは体験できないなと。だから、結局どうあるのか、どう生きるのかにつながってくるんだろうなと思いました。

どう死にたいかを考えることが、どう生きたいかにつながる

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ワダケン:首藤さんは、この質問にどう答えますか。

首藤:経験したことがないから、そもそもわからないですよ。これって「やってみたいことありますか、ないですか」的な議論に近いと思っていて。

「これから先、何をしたらいいでしょう?私やりたいことないんです」と悩んでいる方いるじゃないですか。それってやりたいことを探すから、見つからないのかなと思っていて。

多分、街を歩いて100人に「どう生きていきたい?何をやりたいですか」と声をかけても、ほとんどの人が答えられないと思うんですよ。だからこそ、僕は「まずはやりたくないことを考えてみたら?」と言うんですよ。やりたくないことを探すことによって、やりたいことが見えてくる。

だから、死についてもそう思っています。

どう死にたいかを考えることが、結局どう生きたいか、どう在りたいかにつながってくるんじゃないのかな、と今は思っています。

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「あなたにとって、死生観とは?」

私はまだこの質問に、明確な「答え」を言うことができずにいます。でも、少しだけ、ぼんやりと「友だちと笑って、一緒においしいご飯を食べながら、生きていけたら幸せだなぁ」と思っています。これからの講座で、自分の「答え」を考えていけたらいいな、と思っています。

講座の中のどんな言葉がきっかけとなって、どんな思いが自分の中に、ふわっと立ち上がってくるのか。そして、そこから自分は、どう生きたいと思うのか。まだ出会っていない自分と出会えることに、ワクワクしています。

「あなたにとって、死生観とは?」
みなさんと一緒に考えていけたら、とても嬉しいです。


書いてくれた人。
田中美奈

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1994年生まれ。感動した誰かの考えをいろんな人に届けることと、友だちと過ごす時間がすき。ひとりひとりの幸せに関心がある。放課後等デイサービスでの児童指導員を経て、現在は書く仕事をしている。

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手伝った人。
前田彰

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1990年兵庫県神戸市出身。大学卒業後、陸上競技の指導者として活動。
現在はPRを中心に多様なプロジェクトに関わっている。
「しらんけど」くらいの距離感と言葉が好きです。しらんけど。

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ーーーーー そして〜!! ーーーーー


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4/10(土)21:00-22:30は「旅×死生観」


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