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「ウイグル人虐殺」の罪で習近平を国際法廷で裁け

「ウイグル人虐殺」の罪で習近平を国際法廷で裁け
2022年03月01日
以下は、2/28に届いた定期購読専門月刊誌テ―ミスに掲載されている高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
「ウイグル人虐殺」の罪で習近平を国際法廷で裁け
岸田首相は主権侵害と残虐な蛮行を続ける支那を許すな
ボスニア紛争の残酷な宗教対立
戦後30年間ユーゴスラビアを仕切ったヨシプ・チトーは強かな男だった。
東欧の共産主義国家なのにソ連に靡かず、だからといって米国にも媚びず。
その駆け引きで米国に日本よりもいい条件で安全保障を取りつけ、武器の供給までさせていた。
しかし統治は大変だった。
連邦の北にチトーの母国でカソリックのクロアチア共和国があって、イスラム系のボスニアを挟んで東方正教会系の強国セルビア共和国と向かい合っていた。
宗教音痴の日本人は知らないが、カソリックやプロテスタントにとって東方正教会はイスラムより許せない存在で、実際、セルビアとクロアチアは長い間、殺し合いを続けてきた。
クロアチア人のチトーもセルビアを虐め、弱体化させて喜んでいた。
その方策の一つがセルビア人の心の故郷コソボ-日本でいえば京都になるかーにイスラム系アルバニア人をどしどし入植させることだった。
セルビア人の怒りは深かった。
しかし、チトーも不死身じゃない。
彼が死んで冷戦機構もほつれだすとセルビアは早々にユーゴ連邦を牛耳り、コソボのアルバニア人の追い出しにかかった。
加えてボスニア共和国内のセルビア人地区を分離独立させようとした。
クロアチアは怒り、かくて両者の因縁の対決が中間地帯で始まった。
それが世にいうボスニア紛争だ。
セルビアの積年の鬱憤がはじけてボスニア在住のクロアチア人の迫害が始まった。
抵抗すれば殺した。
捕虜にされた「クロアチア大は右手の薬指と小指を切断された」(ヴェバリー・アレン『民族浄化のためのレイプ』)。
残る3本指で十字を切れば、それは東方正教会の正しい十字の切り方になる。
念のいった嫌がらせたった。
それはまだマシで「何十人も裸にして四角い穴に突き落とす。
仲間の睾丸を食いちぎれば命は保証された」(同)。
セルビアの残酷さがそうやって語られるが、実は先の大戦時にクロアチアがナチと組んでそれをセルビア人にやっていた。
どっちもどっちだった。
イスラム社会を次々と破壊し
ボスニアには200万人のイスラム教徒がいた。彼らはオスマントルコ時代に改宗し、今はクロアチア人と一緒にセルビア人を虐める側に回っていた。
セルビアはコソボと同じに彼らを憎み、退去を命じた。
拒むと「セルビア兵が村を襲い、何人かの処女を村の広場に引き出して公開凌辱した」(同)。
イスラム教徒にとって、異教徒との交わりはアラーの怒りを買う大罪だ。
犯された女性もその家族も居場所がなくなる。
彼らは村を出ていった。
それでも居残った村人にはもっと酷い悲劇が待っていた。
セルビア兵は幼女も人妻も構わず拉致し、ホテルや病院を改造した慰安婦施設に送り込んだ。
「女たちは異教徒の子を産むべく、犯され続けて妊娠し、中絶が出来なくなるまで監禁された」(同)臨月に親元に返された妊婦もその家族も村を出る以外の選択はなかった。
イスラム社会はそうやって破壊された。
それを調査し、国連に上げられたバショウニ報告は強姦した者がセルビア人だけでなく、「国連保護軍(UNPROFOR)の将校や国連監視団の欧米の将官も常連だった」とある。
ただ、クロアチアにはカソリック・プロテスタント国家で構成するNATO軍と欧米メディアがついていた。
彼らは都合悪い話はカットし、ただひたすらセルビアの残虐さを非難し、コソボのイスラム教徒に味方し、ついにはNATOの空軍機がセルビアの首都ベオグラードを爆撃し、セルビアは降伏した。
国連は国際法廷を設置し、国際検事団が当時のユーゴ大統領ミロシェビッチとその部下をボスニアにおけるジェノサイドを指導したとして起訴した。
ミロシェビッチは獄死したが、90人が40年以上の長期刑を宣告された。
ミロシェビッチらの行為は残忍を極めたが、その根にはクロアチアとの宗教対立がある。
ボスニアより酷い中国の所業
クロアチア側が一方的に批判する権利はないし、チトーがセルビア人の領土だったコソボを一方的に取り上げる権利もなかった。
宗教対立の怖さだが、そんな宗教も絡まない、何の根拠もないのに領土欲だけでジェノサイドを展開している国がある。
習近平の率いる支那だ。
この国は歴史的にいわゆる中原を国土とし、その境界に万里の長城を築いてきた。
今の長城は明の時代に築かれた。
支那は先の大戦で米国の手先になって日本に戦争を仕掛けた。
その褒賞としてか、戦後、さも当然のように満洲の主権を奪い、王族の愛新覚羅顕子(川島芳子)まで処刑した。
モンゴルも攻め、男には頭に鉄のタガを嵌めて頭蓋骨を砕くなどセルビアより残虐な方法で殺害した。女性は凌辱したうえで、荒縄を使って女性器を破壊して子を産めないようにした。
ウイグルでは男をまとめて強制収容所に隔離し、イスラムの棄教を迫り、応じなければ臓器だけ取って殺害している。
女だけ残った家庭には支那人の男が監視役の名目で入り込み、娘から妻まで犯して子を産ませている。ブリンケン米国務長官はウイグル女性を支那人と結婚させたり、不妊手術を施したりとボスニアより酷い「陰険なジェノサイド」をやっていると糾弾する。
英国の民衆法廷はすべての蛮行が習近平の命令に拠っていると報告する。
こんな主権侵害と蛮行を許し、北京五輪を祝う岸田首相の気が知れない。
日本はミロシェビッチと同じく公平に習近平を裁くよう、国連に国際法廷の開設を求めるべきだ。
支那は拒否権を使うはずだが、人道問題に拒否権を使わせてはならない。



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