どうやったら寝るのかな? ~子どもを寝かしつける時のコツ~


 園でたくさんの子どもたちを預かって、同じ時間帯に昼寝をさせなければならない先生たち。先生ごとに寝かしつけの技はそれぞれで、独自のスタイルやリズムがあります。

 ここでは私が体得してきた、子どもの寝かしつけのコツを紹介します。

 まず人は、適温で適度な繰り返し(音や振動)の環境にいると自然に眠くなるものです。電車の振動、単調な話し方の授業など、皆さん身に覚えがあると思います。

 子どもも同じで、優しいメトロノームのように、背中や腕、腿などを軽くトントンされ続けると安心してスゥっと寝てしまうのです。
 個々にかかる時間差はあるものの、だいたい全体の半分の子どもたちはこれで眠りにつきます。
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 けれど中にはトントンされるのを嫌がる子もいます。寝苦しそうにあちこち態勢を変えて寝つけないのです。
 彼らは大きく分けて2種類のタイプに分かれるのですが、まずは不安タイプからお話しします。

 普段から心配性だったり神経質だったり、甘えん坊な傾向がある子どもたちは、布団に入るだけで家を思い出したり、怖いものをいろいろ想像したりしてしまうようで、横になった途端に落ち着きがなくなります。
 経験的に、彼らは皮膚が敏感だったり足が冷たかったりすることが多いように思います。

 そこでまず冷たい足をタオルケットや毛布でくるみ、少しさすって暖めてあげるとちょっと落ち着きます。
 そして、肩より上の場所を撫でてあげると安心する子どもが多いのです。繊細な彼らは、トントンという振動よりもそうっと触れてもらう方が心地良いのでしょうね。

 ある女の子は、頭のてっぺんにある「百会」というツボのあたりの髪の毛を、触れるか触れないか位の本当に微々たる力でくるくるとなでたところ、ものの1分とたたずに寝てしまったこともありました。

 子どもによって、眉毛だったり耳だったり好みの場所が違うのですが、身体の上部をそうっと大事に撫でられると安心して眠りにつけるという傾向は同じだなと思いました。
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 もうひとつのタイプは、普段からせわしなく動いたり話したりして、布団に横になっても興奮がさめないタイプです。

 彼らの頭の上10センチくらい離れた場所に手をかざすと、ヤカンの湯気のような熱を感じることがあります。(昔のマンガの表現にあったあの感じです)
 身体の中の芯が、コマのようにくるくると回っていて止まらない感じがするのです。これでは眠れるはずないよなーといつも思います。

 彼らには、先ほどのタイプとは真逆で足を出させて熱を逃がします。
そして頭に気が上っているので、それを降ろすために足をさすり下ろします。

 おしりから腿、ふくらはぎ、つま先としっかりなで下ろすと、だんだん体の中のコマの動きがゆっくりしてくる感じがしてきます。
時には下半身にピタリと手を当てて、電車のようなリズミカルな振動を送ることもあります。

 そうして下へ下へ気が降りてくると、どの子もふわぁっと大あくび。コマが止まるように、コテンと寝てしまうのです。そうしたら、元通り上掛けをかけてあげればOKです。

 他にも日中体を動かしたり、寝しなに絵本を読んだり、いろいろな技と複合的にすれば、もっと効果的かもしれませんね。

 なかなか子どもが寝なくて困っている時に、いつもと違ったやり方でこんな方法もあるんだなと思っていただけたら嬉しいです。

 

 



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