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腰痛と運動療法について

今回のテーマは「腰痛」と「運動療法」についてです。

日々の臨床で
「腰痛患者に対して徒手的な介入だけではなく運動療法を行おう」
「運動療法が良いらしい」
という会話をスタッフや患者さんとすることがあるかもしれない

そんな時に
根拠のある情報を伝えられる自信はありますか?

多くの人は周りから聞いた情報ばかり
自信を持って伝えられる人は少ないのでは、、

この記事を読んでいるあなたは
自分で情報を得ようと行動している素晴らしい治療家だと思います

そんな、あなたがこの記事を最後まで読むことで

「患者さんに堂々と説明ができる」
「スタッフから〇〇さん(あなた)に腰痛のこと聞いてみよう!」

きっと、
色んな人から信頼が集まると思います!

ぜひ、最後まで読んでみてください

内容は以下の通りです


腰痛に対して運動療法は第1選択肢である

世界のエビデンスは?

2021年のシステマティックレビューを見てみましょう

欧州(122の研究)、アジア(38の研究)、北米(33の研究)、中東(24 の研究)で実施された研究を含む、運動療法に関する 249 件の試験が含まれました。

無治療、通常のケア、痛みに対するプラセボと比較して、運動がおそらく慢性腰痛の治療に効果があるという中程度の確実性の証拠を発見しました。

国内でのエビデンスは?

2019年の腰痛診療ガイドラインでは以下の内容になっている

慢性腰痛に対する運動療法は有用である
推奨度:1(行うことを強く推奨する)
エビデンスの強さ:B(効果の推定値に中程度の確信がある

腰痛診療ガイドライン2019

急性腰痛および亜急性腰痛に対してはエビデンスが不明である

腰痛診療ガイドライン2019

https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001110/4/Low_back_pain.pdf

世界も国内を確認しても腰痛に運動療法は効果的なのは明確


具体的にはどんな効果があるのか?

・痛みの緩和
理学療法と運動は、腰痛のある人の痛みを軽減する最良の方法です。理学療法士は、適切な運動技術を示し、患者がそれを正しく実行していることを確認できます。

https://www.spine-health.com/treatment/physical-therapy/physical-therapy-low-back-pain-relief

・機能改善
運動療法は機能を改善し、亜急性および慢性腰痛の労働障害を軽減する可能性があります。患者が強さ、柔軟性、可動域を取り戻し、痛みや不快感を軽減して日常生活を行えるようにします

https://www.caringmedical.com/prolotherapy-news/why-physical-therapy-and-yoga-did-not-help-your-low-back-pain/

・慢性疼痛の予防
慢性腰痛を発症するリスクがある人には、理学療法が推奨されることがよくあります。痛みの根本的な原因に対処し、適切な体の仕組みを促進することで、運動療法は腰痛の再発や悪化を防ぐのに役立ちます。

https://www.hss.edu/conditions_goals-physical-therapy-low-back-pain.asp

これらが期待できます!
ここまでの内容だとあなたは、

「腰痛患者に運動をすると良いことばっかり」
「腰痛患者には運動させれば間違いない」

そお思われている方もいるのではないでしょうか?

このままでは
腰痛患者により良い治療を提供できない可能性があります

より良い治療を提供するために今の自分を疑ってみてください


批判的吟味をしてみよう!

「腰痛の対象者」によって得られる情報が異なっている

「腰痛」と「運動」について理解するためには
「腰痛」にはどんなもがあるのかも理解したい

腰痛には色んなものがある

腰痛の定義

部位

有症期間

原因

原因の有無によって分類分けすることがあります
それが、特異的腰痛と非特異的腰痛です

特異的腰痛と非特異的腰痛とは

腰痛の分類は理解していただけましたか?

特異的腰痛:画像所見と臨床所見(痛みなど)が一致する
非特異的腰痛:画像所見と臨床所見(痛みなど)が不一致

運動療法はどんな腰痛に効果的なのか?

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