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論理ガールを読んで

論理ガールというタイトルをみて、だいぶ前に読んだ本について学びを共有したいと思う。この本は一言でいうと、論理的な高校生の少女と、文系で営業マンの青年が数学的対話を通じて社会の疑問について学びを深めていく物語だ。きっかけは、青年が高校の講演会で講演をして、その内容が気に食わないことから論理ガールがケチをつけにいくことから始まる。笑

そして、その後、人間関係、お金、仕事、遊び、恋愛、未来について数学的な観点から分析を深めていくということだ。

論理ガールである詩織は、言葉を定義せず、経験則だけで語る姿に不満を抱いており、お金の心配なんかしなくていい、友達は多い方がいい、恋愛はとりあえず楽しんだ方がいいといった経験則上で曖昧な物言いに不満を覚えているようだ。

そこから、詩織は、人間関係について友達は多い方がいい。という意見について、アドラー心理学では、すべての悩みは人間関係のものであるという。すなわち、友人が多いとその分悩みも大きくなるという反論をする。
これには納得がいった様子である。
では、どうすればいいんだ?ということについてもモデルを作り出し、
人間関係度数=友人の影響度✖️接触時間
というモデルで示す。

ポジティブな影響をどれだけ与えるかを数値化し、それに接触時間をかけるとその人と関わる中で生まれる満足度が出る。
その合計が大きい方と付き合えばいいということである。
確かにこれは納得かもしれない。というのも、好きな人と多くの時間一緒にいれば満足が高くなるし、嫌いな人と長時間一緒にいれば満足度は低くなるのは嫌になる。これは想像に難くないだろう。
そうしたことがモデルで示されているのはスッキリする。
また、自分が円の中心になるということも示したり、数学的な見地から人間関係における悩みをうまく導き、納得のいく結論を示している。
縁の中心にいると周りから感謝される側であり、円の外にいる人は感謝をする側である。どちらが満足度が高いかは容易に想像がつくだろう。


お金の心配をしないでいいということに対して、ではなぜ投資などの話が出回るのかと聞き返したり、そもそもお金とは何か?ということ聞くようなことから始める。
確かに、定義がされていないことに関しては、話を進めることできない。そこで、示されているのは、お金=人からの信用であるということ。
それに、お金に対する不安があるのは、人生でいくら手に入るかわかっていないこと、いくら使うかわかっていないこと、すぐにお金を作る方法がないからということを示している。

この3つの点について、衣食住の点、雑費などをフェルミ推定で示し、概算だが、具体的な金額を示している。これは割と現実的な金額であるように思う。確かにその概算だけども知っているのと知らないのとでは全く異なると感じた。

それに、お金=人からの信用ということはたくさん稼げている人は多くの信用を得ていることになるし、そうでなければ信用が得られていないあるいは信用していないということになる。
もちろん、数値だけでは判断できないが、お金を使うという行為そのものも相手に対してあるいはサービスや物の品質に関して信頼があるからお金を使っていることになる。
逆にいうと、お金が余り続けて相続などするというのは、家族に対して信頼があるが社会へ使うほどの信頼がなかったというふうにも読める。もちろん、単純に物欲やお金を使う必要がなかったという場合もあるだろうが。
いずれにせよ、定義をしっかりとして、数学的な思考によって、社会における疑問を回収していけるような流れはすごくロジカルで面白かった。

そのほかの、仕事、遊び、恋愛、未来についても興味があればぜひ読んでみてほしい。役立つ視点や考え方もあると思う。

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