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恩返しの話

寝る前に、湊かなえ著サファイアを読んでいる。
全7篇の短編小説で、全て恩返しのお話らしい。

昨晩は、その中の「ダイヤモンド」を読んだ。

助けた雀が恩返しにくるという話で、
結末まで読み終わると、雀のことを考えながら寝た。

以前、私も鳥の子たぶん雀の子を、たぶん助けた事がある。

夏、朝から暑い日、玄関を開けると足元に茶色のかたまりがあって、ビックリした。
セミ?ゴミ?と目を凝らすと鳥の子だった。

野生の鳥は触らない方がいいと聞いたことがあったので、ビニール袋を手袋代わりに、そっと両手でつかんで、日陰のブロックに乗せた。

暑いだろうと思い、水の滴を何滴か垂らしてみると、口ばしをパクパク動かして飲んでくれた。

17時過ぎ帰宅すると、案の定、鳥の子たぶん雀の子はいなくなっていた。
お母さん鳥がどこかで見ていて、連れて帰ってくれたんだと思う。
近所に2匹猫がうろついてるけど、まさかそれはないと思った。

もし、あの鳥の子が私のところに恩返しにきてくれたなら…と、考えながら寝た。

お金…、欲しいけど、それは怖いからやめた。

人間の姿で友達になる…、うまく付き合えるかわかんないからやめた。

一週間毎朝、私がカーテンを開けて窓を開けたら、そこに飛んできて、私の手からご飯粒を食べて欲しい。

あと一ついいよって、鳥の子に言われたら、
きみが、飛ぶのが上手になって欲しい。

もう一ついいよって、鳥の子に言われたら、
私をキミの背中に乗せて空を散歩して欲しい。

この、3つにしようと思う。


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