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一興

人生は必ずともあの花のように
枯れて終わるとは限らない
ある者は、踏み潰され
ある者は、切り取られ
どんなに綺麗な花びらでも
どんなにいい香りでも
その花の価値を知らない者は笑顔で
その花を殺す


その花の訴えを聞き入れずに
その花の生き様も知らずに
その花は誰かに愛された花とも知らずに
躊躇なく踏み潰す。


この世は残酷
運も実力の内というが

その言葉はきっと、戯言ではない。


人もそうなのだろう
全人類が枯れることはできない
美しい体を保ったまま死ぬ者もいる
枯れて死ぬ者もいる


これは人が何かを求める限り
公平な世界ではない限り
避けられない因果律のようなものなんだろう。


病室に無造作に置かれていた花束に

静かにキスをして
私は息を引き取るかのように
静かに眠りについた。

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